アトリエ・マイルストンブログ

2010年11月30日火曜日

卒業制作ー5 (銅版画ー2)

今日もS女子大・短大部・生活デザイン科・学生の皆さんが卒制の作品作りにやって来ました。
今回はAさんの銅版画の続き(3作目)を紹介します。

 

摺り作業に入る前の銅板です。
Aさんの施したドライポイント(直刻法)の溝が、板上に白く輝いて浮き上がって見えます。


いよいよ摺り開始です。
鼻歌混じりで、快調にインクを拭き取ってゆくAさん。


プレス後、紙をめくるAさん。
緊張と期待の一瞬です。


不思議な雰囲気の素敵な絵が摺り上がりました。
魔力を持ちながらも満たされない男が、1匹の犬に出会った場面だそうです。
その後の展開は絵本になってのお楽しみとのこと、です(うう、残念)。

(アップした写真は、背景に森の風景を加えて摺った第2版です。)




本日来訪された学生の皆さんと、指導のK教授。そしてT、R両講師。
楽しい時間と素敵な作品に充実した1日でした。皆様、どうもお疲れ様でした。

(次の機会にはシルク・スクリーンとリトグラフの制作ぶりを紹介します。)





2010年11月29日月曜日

Tさんの木版年賀状

今日はTさんが年賀状用の木版画を摺りにやってきました。
前回が試し摺りで、今日がいよいよ本摺りです。


Tさんの木版画は、油性インクを用いてエッチングプレス機で摺りました。
伝統的なバレンを用いる方法より高い圧力で、濃い墨色が得られます。


年賀ハガキに次々と墨版を摺ってゆくTさん。その速度と手際の良さにビックリ。



左が墨一色摺り。右は試し摺りに着彩を施したもの。良い感じです。
摺られた年賀ハガキの手彩色は家に帰ってからゆっくりやるそうです。




版画を持ち帰るために、(裏写り防止用の)合紙(あいし)を挟んでいるTさん。
嬉しそうな表情は、まるで女学生のようです。
60枚もの大量の摺り、どうもお疲れ様でした。



2010年11月28日日曜日

小春日和(こはるびより)

明るくて暖かな日曜日。
T講師のクラフト作品に囲まれて、陽だまりに和む猫のスス。


* * *

今日のアトリエの様子です。

初めての透視図法(線遠近法)で、立方体のデッサンに挑む小6のS君。

光の3要素(明・中・暗)の階調も見事に描き分けられ、立派に完成しました。



フェルメール作「地理学者」の模写、2日目のJさん。

今日は地塗り上の線画トレースと、茶褐色でのグリザイユ(単色描法)の初日です。

本日の作業が順調に終了。もう雰囲気が出始めています。次回も楽しみです。




2010年11月27日土曜日

山懐(やまふところ)



大山・丹沢の山懐、アトリエ周辺の今日の景色です。
(小鮎地区より、上古沢方面を望む。)

* * *

K子さんが年賀状作り(構想)と、前回のデッサンの続きにやって来ました。


モチーフの人形とデッサン


中間部のトーンが充実し始めましたが、今日はここまで。
次回の仕上げが楽しみです。

* * *


冬の気配が忍び寄るご近所A子さん宅の有名な「枝垂れ桜」。
あちこち苔むした落葉姿もまた荘厳な雰囲気をたたえています。




2010年11月26日金曜日

芸術の秋、深し

  秋深し、紅染まる。

  (アトリエの近所、森の里・若宮公園・野外音楽堂)

                              * * *

                        今日のアトリエの様子です。

                  モジリアーニの模写が完成間近、佳境に入るMさん。

             Mさんと「質感」のEさん。 それぞれに自己の世界に没頭しています。

       Eさんの「リンゴ」が堂々完成。表面のてかりや班点模様の質感、重量感、さすがです。


  Mさんの模写もまた9割方が完成。素敵です。

 * * *


  芸術の秋、第2部。
  サンシン・サークル初練習(南国情緒の沖縄へワープ&タイム・スリップ)。
  T講師とMさんの愛器・2丁。それぞれ外観・音色ともに個性が異なります。

 * * *

                          芸術の秋、更に深し。
                           (森の里・青山)

2010年11月25日木曜日

卒業制作ー4(リトグラフ)

一昨日に続き、S女子大短大部・生活デザイン科の卒制の様子、今日はリトグラフ制作の紹介です。

アイルランドのアーチスト、エンヤの音楽に触発されたRさんは、その情感をリトグラフに託します。

 抽象的な形と色彩を用いて、音のイメージを具体化していきます。
     アルミ板上に水墨画のようなツーシュ技法を用いて濃淡の調子を1色・1色描いてゆくRさん。

T講師(プリンター)と共に摺り上がった色彩を吟味するRさん。

プロセス上の的確なアドバイスを与えるK教授。さすがです。

              上記技法に新たな描版技法を加えて2点目の作品を描くRさん。

色彩(インク)の微妙なサジ加減を打ち合わせしています。


     摺り上がった青い作品(6版、6種類のバリエーション)と、4色が摺られた2点目の作品(途中)。
            今度はどのような世界が産み出されるのか、次回もとても楽しみです。

                              * * *

         いつも無農薬野菜をくださる近所のショージさん。畑帰りに一服、立ち寄りました。


今日も綺麗な夕焼けでした。お疲れ様。




不思議な縁、木版画・3人

11月24日、本日は秋晴れ。

今日は午後から三人の方が木版画を摺りにやって来ました。

皆さん、初対面です。会話を交わすうちに、偶然の一致が判明。
Kさんは運慶作と言う仁王像を見に鎌倉のあるお寺を一昨日訪ねたそうです。
Tさんは 鎌倉に墓参りに行ってきたそうです。Tさんは実家もお墓も鎌倉にあるそうです。
そんなわけで二人は鎌倉やそのお寺の話しに花を咲かせました。
それを小耳に挟んだ小田原在住のY子さんがびっくり。何故ならY子さんの名前はそのお寺のお坊さんがつけてくれたとのこと。Y子さんのご家族は古くからそのお寺とご縁があったそうです。
しかも小田原の自宅とTさんのご主人の実家は数十メートルしか離れていないことも判明しました。 
鎌倉のお寺、木版画、今日という日にアトリエ。不思議なこともあるもんですね。

* * *

と言うわけで、鎌倉のお寺に行ってきたKさん。
自宅で更なる彫りを施し、二回目の試し摺り。

                その甲斐もあって、パーフェクトな墨摺りが得られました。



 墨摺りを終えた紙に、着彩が加えられます。

                       
タイトル、サイン、印を押して完成。
素晴らしい出来に感動。次回作にも期待が高まります。


                              *

小田原のY子さん、久しぶりの彫りに少しばかり不安げです。



               「案ずるより産むが易し。」摺りを試みることになりました。

予想以上の出来に、不安も吹き飛びました。


鎌倉のご出身のTさん。試し摺りの後、浅い部分を削り落としています。 

                               * 

                   キッズ・クラスのFちゃんはTさんのお孫さんです。
            水彩画のリンゴに続き、今日は初めての鉛筆デッサンで挑戦します。


 
とても良く描けた美味しそうなリンゴが完成しました。
前回の水彩画同様、おおらかで気持ちよく伸び伸びしています。

Fちゃんは、この後消しゴムでスタンプも作りました。
次回はそのスタンプに取っ手をつける予定です。







2010年11月24日水曜日

卒業制作-3(シルク・スクリーン)

今日はS女子大短大部・生活デザイン科の学生の皆さんが卒業制作の続きにやって来ました。



入れ立てのカプチーノでしばしのティー・ブレイクを楽しむ学生の皆さん、教授、講師陣&ネコ。


               学生の皆さんを引き連れてきたのは教授のK先生。
               K先生は活躍中の人気イラストレーターでもあります。
                 http://www.design-channel.jp/member/536/
   K先生とは長いお付き合いで、マイルストン版画工房でも数多くの版画作品を制作しています。


K先生 
「技術も場所も時間もあるんだから、それを活かして教室を始めれば・・・」
           そんなK先生の一言から、当アトリエが誕生しました。一年前のことです。

* * *


多忙な一日でした。リトグラフも制作ましたが今日はシルク・スクリーンの紹介をします。
YさんはTシャツに自分のデザインをシルク・スクリーンで摺ります。 



              スクリーン表面の微細なピンホールを目止めをしているR講師
             (傍らで作業を待つYさんはT講師作の小説原稿を読んでいます。)


準備が完了しました。いよいよ摺り開始です。



プリント済みのTシャツを乾かしているYさん。まるでブティックのよう、かな?


オマケに布袋にも摺りました。


                      仕上がったTシャツをたたむYさん。

                             * * *


                     アトリエから望む今夜の空。美しい満月です。
                  K教授と皆さんが帰路についたのは夜の11時過ぎです。
             さすがの講師陣もヘトヘト。片付け作業を終えたのは12時近くです。
                   楽しくも充実した一日でした。「どうも、お疲れ様。」