アトリエ・マイルストンブログ

2015年12月31日木曜日

大晦日の学童ギャラリー

木曜日・快晴
大晦日

「名作美術館(その151):児童画」

「デイリー・ギャラリー(その28)」

「学童クラブ便り(その91)」

年内最後のブログの今日は、学童クラブで小2女子二人が描いたネコちゃんの絵を取り上げました。
当コーナー、「デイリー・ギャラリー」はまだしも、「名作美術館」ではタイトル的にちょっと変なのでは?
と、首をかしげられる方もいらっしゃるのかも知れませんが、このタイトルでこのコーナーを進めます。
いわゆる「名作」とは一般的には、作品の価値が普遍的評価を経て、美術館や教科書で目にします。
が、日常の中でもそれは産み出され、私たちの生活の中に活力や潤いを与えているものがそれです。
当コーナーの「名作」とは以前にも記しましたが、筆者の好み・独断で作品を紹介、アップしています。
と言うことで、
学童クラブの小2女子二人が最近 描いた作品を取り上げることにしました。
上2点がそれぞれの学童が描いた、いわゆる単色・線描によるデッサンです。
動物好きな二人が図鑑の中から選び、仲良く並んで描出した同ページの同じネコの観察・模写絵です。

Keiちゃん作

Yuiちゃん作

その形体・筆致・調子はいずれも味わい深く、見る者を癒し、和ませ、微笑ませてくれます。
筆者など見飽きることなく眺めまわし、本人たちが絵具にて彩色したいと言った際も拒否してしまったくらいです。
でもクリエイティブで頑固者なこの女子二人の主張には屈してしまい、渋々ながらゴーサインを出したほどです。
で、
上図のデッサンに彩色を施して完成したのが下の2点です。

Keiちゃん作

Yuiちゃん作

味わい深い単色デッサンもさることながら、彩色されたネコちゃんは更に活き活きとした表情が加味されました。
単色では2色だった毛色が三毛猫になり、絵具でたっぷりと黒く塗られた瞳には白絵具でホシも加えられました。
デッサンの時は静かな佇まいの雰囲気だったネコちゃんたちが、今度は凛とした姿勢・表情に変貌していました。

同じモチーフを選んで並んで描いた女子二人に、個性の違いを出してやろうなどと言う作意は微塵もありません。
ところが、どうです。その結果は御覧のような、優劣など付けるのが野暮な個性的なネコちゃんが誕生しました。
児童だからこそ描けるこの可愛らしさは一期一会的な一過性のもので、成長と共に失われてゆく貴重なものです。

筆者には上の4点(内2点は今は無し)が、この上もなく名作に思われ、また宝物のようにすら感じられるのです。
アトリエやクラブで児童たちの玉のような作品の誕生に立ち合えるのは、筆者にとってはこの上もない喜びです。
今日もまた宝のような「名作」が、この世に誕生しました。
おめでとう。ありがとう。



日常と言う時空に飾ってその観賞を楽しんでいただき、またずっと永らく大切に保管してもらいたいと思います。
 彼女たちの製作シーン、21~25日判の学童クラブ・ブログにて見られます。よろしければお立ち寄りください。
また機会を見つけて、学童たちの他の快作・力作群もアップ、紹介する予定です。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その179):年の瀬 歌」

この曲、当コーナーでは2度目の登場です。
前回も大晦日で、1968年発表のオリジナル・バージョンでしたが、今回は近年にリミックスされた企画盤です。
故人となった偉大なるアーチストと現役アーチストとの仮想空間コラボレーションと言ったところでしょうか。
では、どうぞ。

ルイ・アームストロング(歌)、ケニーG (ソプラノ・サックス)、「邦題;この素晴らしき世界」
"What a Wonderful World" / Louis Armstrong, Kenny G

上述の図鑑(写真)模写から生み出された学童作品と似て、また新たな命が吹き込まれたリメイク曲です。
父親の温かい懐のようなサッチモ(ルイの愛称)の滋味溢れるダミ声が全てを清めてくれそうな気がします。

筆者、年末ともなると、グレン・ミラーやサッチモ等の往年のジャズの名曲達が聞きたくなってしまいます。
これも筆者の幼少時代に聞いていた米軍の親子ラジオ(有線放送)での刷り込みの影響なのでしょうか。
生まれ育った復帰前のオキナワや昭和は遥か遠くになれど、その華やかさと切なさの同居が忘れ難く・・・。



今年も残すところ、あとわずか。
味わった喜びも悲しみも積み重なり混じり合い、玉虫色の虹色模様。
光陰矢の如く、新年の挨拶状もまた新年となり・・・。

By 講師T

* * *

今年も お世話になりました。
新年も どうぞよろしくお願いいたします。

皆様、良き年でありますように。

アトリエ・マイルストン
主宰・講師:当真 英樹、万里子
(年内ギリギリ・セーフでアップ、何とか間に合いました。)

2015年12月27日日曜日

仕事納め、AYさん画 祝完成

日曜日・晴れ

「 アトリエ仕事納め 」

AYさん、製作中のアクリル画・模写の仕上げに取りかかりました。

細部の仕上げに余念のないAYさんの様子

AYさんの「国宝・彦根屏風・部分」のアレンジ模写が、本日見事に完成しました。
AYさん、屏風の中から右二隻の中に描かれた髷姿の娘とその飼い犬を自分なりにアレンジを施して仕上げました。
背景のアクリル・ラッカーによる華やかな金色と相まって、うら若き少女の瑞々しい生命感・存在感が表現されました。


左:屏風絵が製作された江戸初期に初めて女性が髷を結った唐輪髷(からわまげ)姿の少女の顔の各部もアレンジ。
中:絞り模様の小紋の着物柄は忠実に再現し、組紐を握る両方の手は少しだけ大きく、また長めにアレンジしました。
右:娘の足先を伸ばし、洋犬の毛色は三毛から茶色のグラデ仕上げとし、手にする組紐の色も淡い青と赤にアレンジ。

音楽界では日常的・常識的な、いわゆる名曲を自分なりに解釈・編曲したカバー曲のような、コラボ的作品となりました。
こうしてAYさんならではの、おきゃんでパンキッシュでキャピキャピなイケイケ「娘」が誕生しました。
手前ミソながら、筆者T講師・発案の上部円錐型画面もまた今作には合っているような気がします。
次回、見直し(最終微調整等)を行った上で、完成の証しの落款(署名・押印)が施される予定です。

アクリル絵具で丹念に描かれた今作、その細部の描線や色調も味わい深く、通常よりデータ密度を増やしてあります。
よろしかったら、画像クリックの上、御覧下さい。

*
本日はアトリエの「仕事納め」。それにふさわしいアトリエ冥利に尽きる美しい作品の誕生です。
新年もまた大いに楽しみです。

* * *

* 新年の「仕事始め」のお知らせ *

アトリエ、新年は成人クラスが1月9日(土)から、
キッズ・クラスは、1月16日(土)から始めます。
新年もまた、どうぞよろしくお願いいたします。

当ブログは、明日を最終判として「名作美術館」など、アップする予定でいます。
よろしかったら、またお出で下さい。お待ちしています。

2015年12月26日土曜日

YYさんの鶏図模写、祝完成

土曜日・晴れ

IKさん、グランド引きを施して再描刻している銅版画の作業を続けました。


KIさん、その再描刻が終了。銅板の腐食を行いました。
使用したのはKIさん初体験の塩化第二鉄液で、液音を20℃に温めて15分間、腐食をしました。
銅板上には繊細な描刻の溝が浮き上がりました。
次回、試摺りを行い、更に加工を加える予定です。
楽しみですね。

* * *

YYさん、製作中の「鶏図・自由模写」の仕上げに取りかかりました。


YYさんの水彩・自由模写「伊藤若冲の鶏・親子図」が、本日めでたく完成しました。
両親である雄鶏・雌鶏の周囲で庇護され、また甘える三羽の雛鳥の様子も可愛く仕上がりました。

原画の持つ特有の緻密さと迫力あるリアルさが、その密度を含めてしっかりと再現されました。
使用した透明水彩絵具の弱点(透明性)をカバーしながらの描画で、かなりの時間を要しました。
が、丁寧・緻密に描きこむことで、活き活きとした生命力が表現されました。
おめでとうございます。お疲れ様でした。

その後は、漆仕上げのような黒塗りの額縁作成も予定されています。
作品とコーディネイトして飾ると、素晴らしい存在感が出そうですね。
新年からの新作も額製作も、共に楽しみですね。

* * *

M 姉弟、今日は二人で「あったらいいな、こんなロボット」の応募ポスター作りに励みました。


姉のKaMちゃん(小4)、前回 構図取り・線描した下絵に本格的な彩色を開始しました。
KaMちゃん、大きな面積を占める背景から塗り始め、次第に細部へと描画を進めました。
が、残念ながら完成直前で授業が終了。それでも、この密度と速度は驚異的でした。
散歩代行ロボットと、背後で驚く散歩中の女性と犬の表情が活きて、素晴らしい雰囲気を獲得しました。
自宅でのあと一歩の仕上げ、頑張って下さいね。

* * *

弟のHM君(小1)も応募ポスター制作を開始。早速のコンセプト決め・構図取り・線描・更に彩色をも開始しました。

HM君の「あったらいいな、こんなロボット」のテーマは移動ロボットで、地上も空も自由に移動できるロボットです。
HM君、見事な瞬発力であっと言う間に、素晴らしいポスターを誕生させました。
背中にプロペラを背負った足長の移動自由ロボット、そのロボットの乗客はもちろんHM君自身です。
4切りと言う大きなサイズの画用紙が、もっともっと大きく見える迫力の画面に仕上がりました。
おめでとう。お疲れ様。

* * *

前回、見事なパステル画を描いたSa姉弟も仲良く描画を楽しみました。


 姉のMSちゃん(小3)、今日は来年のカレンダー絵を描くことになり、早速そのテーマ決めを始めました。
そして線描されたのが、来年の干支のおサルさんたちが集団で温泉に浸かった可愛らしい絵です。
そのおサルさん一人一人にキャラと名前を与え、その両翼には新年1月と2月の暦も描き加えました。
その彩色、来年最初も授業で続けることとなりました。
その完成、待ち遠しいですね。

* * *

弟のAS君(小1)は、前回に続きパステル画を描きました。

AS君が第2作のパステル画に選んだのは旅行の思い出で、家族で泊まったホテルの部屋です。
ベッドの上などでくつろぐ一家団欒の様子が、パステルの淡い色調で良い雰囲気で表現されました。
ユーモア好きなAS君らしく、壁面にはお尋ね者の張り紙や、窓枠上の小人などの姿も加えられました。
室内の和やかな空間が、画材のパステルと相まって素晴らしい効果を上げた空想画が誕生しました。


バリエーションと個性の豊かな作品の誕生、アトリエ冥利に尽きる一日でした。

2015年12月25日金曜日

クリスマス演奏会・報告

金曜日・晴れ のち 雨
クリスマス
「学童クラブ便り(その90)」

マイルストン・クリスマス会のため、アトリエはお休みでした。
代わりに、久々の「学童クラブ便り」として、パーティー第二部の演奏会の一部を紹介します。
クラブの児童や近所のアトリエ・キッズ達が集い、1階フロアにてその演奏会は始まりました。

演奏会用サインボード作りを手伝う女子。   出演者用の胸章作りをする小3女子3名。

左:その小3女子トリオが作った、進行スタッフ用の腕章と出演者用の胸章(御当人たちも2種・着用)。
右:セッティングが全て整ったサインボードや電子ピアノ、エレアコ・ギター、アンプ、マイク・スタンド等。

本番前日には最終リハーサルと、サウンド・チェックや照明の調整等が行われました。

「演奏会、いざスタート!」

2チームの女子たちによるシェアハピ・ダンスで、第1回クリスマス演奏会の幕は切って落とされました(左右開き)。

そのあとに続けとばかりに、女子たちによる熱唱・熱演が続きました。



幕係・照明係など、裏方として大活躍した進行スタッフ小3トリオによる熱唱「クリスマス・ソング」。

筆者T講師も、学童たちの傍らで何曲かのギター伴奏で参加。
司会進行役も務める予定でしたが、マイク故障であえなく断念。
子供たちを誘拐してきてタダ働きさせるサーカス小屋の悪徳団長みたいなキャラとなってしまいました。

最後はAt君&H・Rnちゃん(共に小1)による手話付きの「赤鼻のトナカイ」で大盛り上がり。
観客や出演者・スタッフみんなで、手拍子・大合唱。
第1回 クリスマス演奏会が、めでたく終了しました。

熱唱・熱演を聞かせてくれた学童出演者のみんなに拍手。
裏方でボード作りや進行係をしたスタッフ女子たちに感謝。

癒しと感動とパワーをもらいました。
来年も裏方、更に頑張ります。

By 講師T

2015年12月24日木曜日

イブのクリスマス・ソング特集

木曜日・晴れ
クリスマス・イブ

森の里・若宮公園・野外音楽堂のイルミネーション
森の里・若宮公園・遊水池に映えるイルミネーション
わが町を彩るクリスマス・イルミネーション、昨年も例年のようにクリスマス当日・夕刻には消灯していました。
( 大晦日まで飾ってあった門松が、正月当日には片付けられるようなもので、何とも魔訶不思議な現象です。)

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その178):クリスマス・ソング特集」

上記の不思議現象ではないですが、イブの日の懐かしめのクリスマス特集です。
クリスマス・ソング 数あれど、日本国内ではあまり聞くことのない曲の紹介です。

筆者の故郷は常夏の島で、寒い冬や白い雪の情緒に乏しいクリスマスでした。
但し施政者・米国の影響下で、本土とはまた違った情緒も享受することが出来ました。
筆者 若かりし頃に出会った そんな曲の一つで、軽快なノリの良さが快感な1曲です。

ホセ・フェリシアーノ、「アイ・ウォント・トゥ・ウィッシュ・ユー・ア・メリー・クリスマス」
Jose Feliciano, " I want to wish you a merry christmas ( Feliz Navidad )" (1970)

プエルトリコ出身の天才・盲目歌手・ギタリストのヒット曲です。
但し日本国内ではあまり聞かれていないようで、筆者にとってはその事が逆にこの曲の存在を強めています。
新たな記憶が蓄積されなかった純粋培養的なこの曲、若かりし頃の思い出のシーンをも引き連れてきます。
歌詞のほとんどがスペイン語で歌われているこの曲、アメリカやその他のスペイン語圏では有名な歌です。
参考までに、スペイン語の意味をネット上から拝借しました。

Feliz Navidad (メリー・クリスマス)
Prospero ano y Felicidad (新しい年と幸福を繁栄させよう)

* * *

明日は、クリスマス本番の当日です。
当日夕刻、マイルストンでは学童クラブやアトリエ・キッズたちのパーティーが催されます。
わが町・各所の美しいイルミネーション、明日の夜も点灯していると良いのですが・・・。

クリスマス演奏会のためのサインボードも学童女子たちにも手伝ってもらって、めでたく完成。
明日の本番を待つのみです。

"Happy Merry Christmas"

2015年12月23日水曜日

HNちゃんのゴッホ模写、進む

水曜日・晴れ
天皇誕生日の祭日

部活で多忙なHNちゃん(中2)、先日16日に続いてやって来ました。
前回から久々に再開したセザンヌの油絵模写の描画を続けました。


HNちゃん、今日は画面各所の細部や濃色を中心に筆を入れました。
人物頭部(タンギー爺さん)の茶褐色、衣服や背景・浮世絵の濃青灰色などです。
画面全体が徐々に緻密になるにつれ、原作者ゴッホの伝えたかった尊敬や愛情まで表れてくるようです。

模写は単なる外面のコピーではなく、見るだけでは解らない認識の新発見の旅のような学習式なのです。
HNちゃんもまた原画との交感を通じて、日々、一筆一筆・一色一色、新たなる発見を続けているようです。
次回、もしかしたら仕上がるかも知れませんね。
楽しみです。

2015年12月22日火曜日

KIちゃんのアザラシ、進む

火曜日・晴れ

KIちゃん(小6)、製作中の木彫アザラシ(筆者T講師との共同製作)の仕上作業を行いました。


 KIちゃん、今日は前回施した下地塗装上の表面凹部へ、補修のパテ入れを行いました。
表面が滑らかになることで、ズングリとした流線形が更に際立ってきました。

上から見ると、その丸みある形状が良く分かります。
パテの色が斑点模様のようで、何だかゴマフ(胡麻斑)アザラシのようにも見えてきます。
次回、中塗りを施した上で、表面の最終塗装に着手する予定です。
年越しとなってしまいますが、新年明けの完成が楽しみですね。