アトリエ・マイルストンブログ

2018年4月8日日曜日

春、出発(たびだち)の季節

日曜日・快晴・快風

アトリエ授業、今日はAYさんが「扇舞美人図」をめでたく仕上げました。
一昨年末の着手以来(その間、出産のための中断あり)2年越しの完成です。
その美しい仕上がり、当ブログ上へアップ出来ないのが残念です。
いずれ・・・



と言う訳で、
アトリエ授業は未だ投稿できず。
例によって、
再三再四のお茶濁し投稿をお届け。


「ミュージック・ギャラリー(その310):(臨時特別篇(その8)」


「懐かし日本のフォーク(番外編)」


「あれっ?前回が最終回だったのでは?」
と思った方も多かろうとは思いますが、
その番外編と言うことで、続けました。
(*^-^*)

前回までの特集を組んだ際に、懐かしい曲や映像と出会いました。
「取捨選択」の過程で一度は「ボツ」になれど、やっぱり捨て難く、
今回の「番外編(便利な言葉です)」との名目で取り上げました。

して、その5回目。
前回の「別れの季節」の続編とも言えるかもしれません。
美しい「桜」も葉桜となったこの時期(於:南関東地方、八重桜は今が旬)、
新しい人生を始めた人々も多く、悲しい別れと新たな出会いの季節でもあり、
喜びに満ちた前向きな人々もあれば、また逆に過去との惜別に沈む人々もあり、
そんな時節に相応しい、こんな懐かしい曲たちを選びました。全てライブです。

「出発(たびだち)の歌(副題:失われた時を求めて)」(1971年) / 上条恒彦と六文銭(ライブ)

筆者が高校生の頃に大ヒット、その数年後には音楽の教科書にも掲載されるようになったと言う言わずと知れた名曲です。
フォーク界を代表する六文銭とのコラボで、歌の上条恒彦はTVドラマ「木枯らし紋次郎」主題歌も大ヒットしました。
作詞は「面影橋から」等も手がけた及川恒平氏で、作曲の方は六文銭の名物リーダーで今も現役の小室等氏が担当してます。
ロックやフォークを問わず、長髪が流行っていた当時の上条恒彦の短髪登場は時代の節目を象徴していたのかもしれません。

* * *

さて次です。これもこの季節に相応しい曲たちと言えるかもしれません。
但し過去を懐かしむ現在と、来たるべき明るい未来を憧憬する現在です。
新しい生活・人生へと旅立った後の過去の日々への思慕や、現実からの跳躍などがそのモチーフとなっています。
前回に少々触れましたが、我が国のフォーク音楽がニューミュージックへと変節していった時代の象徴の曲です。

「卒業写真(1975年)、翼をください(1971年)」 / 山本潤子(ライブ)

元・赤い鳥のメンバー(その後「ハイファイセット」に参加)、山本潤子のソロでのライブの様子です。
「卒業写真」は、ご存じシンガーソングライター荒井由実による大ヒット青春歌の傑作です。
「翼をください」は、作詞:山上路夫、作曲:村井邦彦と言う純然たる歌謡曲コンビが担当。
この都会的な雰囲気は、素朴さがつきまとったフォーク・ソングの概念を既に超えています。
イントロのソプラノ・サックスの導入等、都会的に洗練された米国AORの影響が顕著です。
エレアコを使用していますが、アンサンブルのメインはエレピやハモンド等の鍵盤楽器です。
その歌唱法も若者らしい生の情熱を控えたクールな表現で、時代の潮目が変わった象徴です。
でも、そのクールさが熱き60年代を過去へと押しやり、当時の気持ちにフィットしました。

* * *

さて時代は少々戻り、60年代の残照とクールダウンした70年代が入り混じった名曲を取り上げました。
唄うはかの泉谷しげる。前回の武田鉄矢と同様にその強き個性で、音楽以外にもその存在を輝かせました。
デビュー初期には、異性とは縁遠い多くの男性ファンたちから圧倒的支持を得、その兄貴分的存在でした。
そのほとばしるワイルドな情熱とその根底に隠された内気な優しさ、お聞き下さい。

「春夏秋冬」(1972年)/ 泉谷しげる(近年のライブ)

動画、近年のスタジオ・ライブのようですが、熱き人間性・健在で嬉しい限りです。
ジャリジャリとした音質にザクザクとしたリズム・ストロークでエグ味タップリのギターが堪りません。
こちらも上の山本潤子同様のエレアコ使用ですが、その1本のギターに託す音、もう一つの魂の声です。
生ギターを伴侶とする「フォーク魂、ここに在り」と言った風情です。

* * *

とここで終了する予定でしたが、
急遽「追悼特集」をお届けします。

実は筆者、今回の特集で懐かしのフォークの動画を紐解いている内に、以下の事実を初めて知りました。
熱き魂の持ち主と言う意味では上の泉谷しげるに勝るとも劣らない1人のフォーク・シンガーの死でした。
英米のロック・マニアだった高校時代の筆者が唯一購入した国内ミュージシャンのLPが彼のでした。
彼の3フィンガーやハンマリング、アコギによるブルース・パワー・コード等、コピーしたものです。
フォークと言うジャンルに収まらない彼独特の静と動の極世界が、筆者の胸に強く突き刺さりました。

高石ともやや西岡たかし、岡林信康や吉田拓郎、あるいは高田渡や加川良など、
我が国のフォーク時代を築いた代表的人物たちはさておいても、彼を以ってこのコーナーを終えたいと思います。

ちなみに「カレーライス」の歌詞の中の「~お腹を切った」は、当時 割腹自殺を計った三島由紀夫のことです。
2曲目の「満足~」では、フォーク界・学生運動家のカリスマ岡林信康やGSのタイガースの曲等も登場します。
他に桜田淳子の「青い鳥」、グランド・ファンクの「ハート・ブレイカー」パクリ疑惑の井上陽水「傘が無い」、
海援隊・武田鉄矢の一節、「君が代」「英国国家」、B・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」等々、
また曲間のMCでは99歳まで歌いたいと言う希望も表明、講談・口上調で自己紹介もあり、楽しい歌詞です。
そんな歌の合い間の鬼気迫るブルース・ハープ演奏も圧巻で、今あらためてエンケンの凄さが伝わってきます。
ほのぼのとした愛らしい私小説的世界と、その対極のエキセントリックな皮肉混じりの雄叫び、お聞き下さい。


「カレーライス~満足できるかな(1971年)」/ 遠藤賢司(在りし日1995年のスタジオ・ライブ)

遠藤賢司、2017年10月逝去(享年70歳)
変節のない愚直な潔い生き様をしかと聞かせて、見せてもらいました。
合掌

* * *

今回の番外編「出発(旅立ち)」特集、その最後は「黄泉の国」への旅立ちとなってしまいました。
でも考えてみれば、出発(誕生)の行き先の最後は時の差こそあれ、やはりここへ到達するのですね。
無数の生から無量の恩恵を受け、無数の死から無量の温情を知り、今日が在ることをあらためて痛感、
何気ないいつもの日々がその到達点で、また同時に日々新たな出発であることも考えさせられました。

アトリエ(美術教室)のブログながら、こんなページをアップしてみました。
   ご免・ご容赦をば・・・

 _(._.)_ 

(*^-^*)

* * *

学童クラブやアトリエにも新入生たちが入ってきました。
「一期一会」なる新たな出会い、大切にしたいものです。
春に年度が替わる我が国、案外良い習慣・制度かも・・・
新緑・若葉・花々・涼風に囲まれ、見守られながら・・・
「春」新たなる出発の季節
「頑張って」「頑張ろう」

BY(これから梅雨まで快風を大いに満喫する)T講師

I love spring bleeze so much.
\(^o^)/