アトリエ・マイルストンブログ

2012年12月31日月曜日

ゴッホ二夜目「星降る夜」

2012年 12月31日・月曜日、大晦日。昨日までの雨が上がりました。

アトリエの窓から見えた超立体的な夕刻の雲

今日は大晦日。
早過ぎる1年に、ただただ面食らっています。

今年最後の「名作美術館」(その37)を、お届けします。
今日も昨日に引き続いて、ゴッホの作品を紹介します。

大晦日の夜を飾るにふさわしい絵は、「 星降る夜、アルル(ローヌ河の星月夜) 」です。


" Starry Night Over the Rhone" ( La nuit etoilee,Arles ) / Vincent Van Gogh (1853~90) 
1888~89 , 73 x 92 cm ,  Musee d'Orsay, Paris, France

ご覧のような素晴らしい抒情と臨場感です。
言葉の説明等は、まるで野暮で不要です。

夜空できらめく北斗七星などの星々、対岸の灯火(ともしび)、ゆらめく光と河の流れ・・・
様々な音・大気の湿り気・匂いや香り・風など、詩人ゴッホの面目躍如の珠玉の作品です。

今でこそ、夜空や星の絵は無数にありますが、その当時としては極めて斬新な表現です。
実際のサイズ・物質としての表面を超えて、魂に響く抒情とリアリティーに、ただただ圧倒されてしまいます。
(画面内クリックすると、非常に大きな画像が得られます。是非、ご堪能下さい。)

* * *

今年、最後の「ミュージック・ギャラリー」(その21)は、「ヴィンセント」再びです。

以前、当コーナーで紹介したドン・マクリーン*の名作(動画、別ヴァージョン)です。
ヴィンセントとは、もちろんゴッホのことで、欧米ではこちらの呼称が一般的です。
ゴッホの短い生涯に制作した作品が、次から次に走馬燈のように現れてきます。

*印注:ドン・マクリーンは60年代後半から活躍したアメリカのシンガー・ソング・ライターです。
本作以外にも、アメリカン・パイやアンド・アイ・ラヴ・ユー・ソー等の大ヒット曲が多数あります。
時代を超越して、今日でもスタンダード曲として世界の様々なアーチスト達に歌われています。
オキナワ生まれ育ちの筆者(T講師)にとっても、若かりし頃の懐かしい思い出の曲の一つです。
ゴッホの短い生涯にシンパシーを寄せるシンガーの心情にもまた親しみを感じてしまいます。
では、どうぞ。

Don McLean, "Vincent ( Starry Starry Night ) " 1971, with lyrics

皆様、良い年をお迎え下さい。

アトリエ・マイルストン主宰、当真英樹・万里子

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「後日の追記」

当アトリエの2012年の大晦日にアップしたこのブログ、今も沢山の方々に見ていただいています。
国内はもとより、遠く海外からのアクセスも多数にのぼり、当ブログの訪問回数ナンバー・ワンです。
ゴッホ(ビンセント)の人気の大きさにあらためて驚くとともに、当ブログ訪問への感謝の意も表します。

2016年12月4日:記

2012年12月30日日曜日

ゴッホ、ドービニーの庭

12月30日・日曜日。アトリエは、お正月休み。
久々に名作美術館(その36)をお届けします。

今日は、ゴッホの作品「ドービニーの庭」を紹介します。
(ゴッホの作品は、以前ミュージック・ギャラリーでスライドショーをお届けしましたが、名作美術館では初登場です。)

" Daubigny's Garden "  / Vincent Van Gogh ( 1853~1890)
 1890, 53 x 103 cm ,  Hiroshima Museum

ゴッホの本作は、同名・同構図・同サイズが2点あり、他は、スイスのバーゼル美術館が所蔵しています。
広島美術館蔵の本作は、前者の後からレプリカとして画家本人の手により制作されたと言われています。
基本的に構図はそのほとんどが同じですが、前作に描かれている猫(左下)が、本作では消されています。
制作当初には描かれていた痕跡もあるので、後に初期収集家の手により消された、と言うのが定説です。

気づかれた方もいると思いますが本作・制作年と没年が同年で、ゴッホの絶筆では、とも言われています。
前者・同作品より、色調・マチエールも豊かで、本作の美しさは格別です。

筆者(T講師)、若かりし頃に当作品の有無をはじめ、何の予備知識もないまま偶然本作に遭遇しました。
1点だけ、光が当たっている・もしくは自ら発光している小品が、はるか遠くから目に飛び込んできました。
その油絵は、まるで1個の生命体のような輝き・オーラのようなものを発しているようでした。
本作制作後、本作の永遠の輝きとは裏腹に、画家はほどなく自らの命を絶ってしまいます。
享年37才でした。

国内にある数ある名品の中でも、特に美しい全人類の宝のような作品だと思います。
(画面内クリックすると、拡大画像が得られます。)

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続いて、ミュージック・ギャラリー(その20)を、お届けします。
「風が吹いている。再び」
こちらも名曲です。オリンピック・イヤーの今年。そのベスト1は、やっぱりこの曲ではないでしょうか。
以前、当コーナーに貼った「風が吹いている」が、割とすぐに著作権者(NHK)により削除されました。
年末に望んでの再登場です(ショート・ヴァージョン)。まさしく名唱・傑作です。では、どうぞ。

厚木に縁(ゆかり)の「いきものがかり(動画では、Vo,の吉岡聖恵・名義になっています)。」
作詞作曲:水野弘樹、編曲:亀田誠治


ロンドン・オリンピック、ナデシコ達の値千金の銀も、女子バレーも、女子レスリングも、水泳の松田猛も・・・
みんなカッコ良かったですね。

By 講師T

2012年12月29日土曜日

1日早い「仕事納め」

12月29日・土曜日、「仕事納め」のアトリエ。
本日、予約の授業がキャンセルになり、1日早いお休みとなりました。

今日の大山(上古沢交差点より)

 「 裏方君、初登場 」

裏方君の勇姿(携帯のカメラにて撮影)

当アトリエ・ブログを陰ながら支えている頼もしいデジカメ君に、今日は登場していただきました。
当ブログ発足以前から、数年間に渡って使われ続けている、T講師のお気に入りの愛用品です。

今夏はバッテリー・トラブルもあり、ほんの一時期・代役に取って代わられもしました。
その際には、画素数の大きな最新型カメラの購入も検討されました。
が、ホールド性(持ち味)や操作性の良さ等、この裏方君を凌ぐ物はありませんでした。

年間平均15,000ショットもの酷使で、ボディー底部をはじめ、角々の塗装は擦り切れています。
このタフなデジカメ君、来年もきっと皆さんの力作・快作・傑作の数々を撮り続けてくれることでしょう。

今日の「仕事納め」、アトリエに通ってくれる皆さんと、その記録係の裏方デジカメ君に感謝です。


「 お正月休みのお知らせ 」

アトリエ・マイルストン、12月30日~新年1月3日までの5日間、お休みさせていただきます。
新年も、どうぞ宜しくお願いいたします。

但し、当ブログは毎日アップする予定でいます。
よろしかったら、どうぞ、ご覧になってください。

By 講師T

2012年12月28日金曜日

J兄妹の創作パワー、全開

金曜日のアトリエ。J兄妹、2コマ授業で色々と楽しみます。

左:TJ君、まずはブドウの写生・水彩画です。        右:張り子貯金箱の彩色仕上げです。



TJ君(小3)の写生「青ブドウ」が、見事に完成しました。

果実の固有色のニュアンスの違い、その影など、しっかりと観察し、ていねい描写されました。
時間をかけただけのことはある、実り多き水彩画です。
柔らかな線と絵具の色の滲みなどが、美しい快作です。















長期計画で作られてきた張り子の貯金箱、本日めでたく完成しました。
陸地には、広大な砂漠や山脈なども色分けして描かれました。
下の台座部分、はじめは南極の雪として白く表されていましたが、塗りムラに見えたので、青く塗って分離しました。
地理の勉強にも役立つ貯金箱で、しっかり欲しい物をゲットして下さい。

* * *

妹のKJちゃん(小1)も、色々と作りました。

左: 紙粘土細工中です。              右:水彩画、描画中です。


左:KJちゃん、可愛いミニ・ケーキを作りました。
以前、HNちゃんの作ったケーキを基に研究しただけあって、美味しそうなカップ・ケーキの誕生です。
右:ちょいと一休み。おやつのトンガリコーン、魔女の爪に変身です。


制作中だったウサギちゃんのストラップも本日めでたく完成しました。
KJちゃん、各種スパンコールを見事に使いこなしています。
特に耳元の青のアクセサリーが、とてもチャーミングですね。



左:前回彩色完了のブレスレット、保護ニスを施されて、こちらも完成しました。
右:虹とハートの大好きなKJちゃん、大胆さの中の色滲み等がリリカルです。

いつもエネルギッシュなTJ&KJちゃん兄妹、今日は力作の完成ラッシュでした。

* * *

「 S姉妹のオマケ授業 」

昨日・今日とT&M講師宅に泊まっているS一家のS姉妹、今日は共に出勤です。
(実は、上の登場のJ兄妹もT講師宅のごく近所なので、共に出勤でした。)

先日、アトリエ最後の授業だった二人、今日は自由気ままにアクセサリー作りを楽しみました。


左:仲良し姉妹のKSちゃん&YSちゃんです。       右:妹のKSちゃん(小2)が作ったブレスレット。


姉のYSちゃん(小3)が作った「ドリーム・キャッチャー」です。

夢を呼び寄せると言うアメリカ・インディアンの伝統的アクセサリー、とても美しい作品となりました。
虹色のリングにはスパンコールをちりばめ、ヒモには流れ星・ハート・音楽や家の象徴等があしらわれました。

新年早々には、新しい人生の場所・ニュージーランドへと旅立つSさん一家の門出にふさわしいオーナメントの誕生です。

2012年12月27日木曜日

NDちゃんのティー・カップ

木曜日のアトリエ。YSさん、昨日に続き、油絵・風景画の制作を続けます。



















左:前回(昨日)の様子。                右:今日の描画後の様子。

今日はまず始めに、雪山や雪原に白の絵具を施しました。
後半では、前景・木立の繊細な枝や樹冠を中心に、赤褐色系の絵具が施されました。
緊張感漂う冬山の雰囲気が一段と増しました。
次回(新年)の仕上げ作業が楽しみです。

* * *

SA君(小5)、「今日はドラゴンの絵を描く」、と決めてやって来ました。



SA君の(西洋)ドラゴン、今日はドローイングのみの作業です。

ネットからプリントしたドラゴンの絵、その複雑な形状を丁寧に描きました。
迫力ある姿が圧巻です。色塗りは、冬休みを利用して自宅で描く、と言う事になりました。
仕上がり、見てみたいですね。

* * *

久々のNDちゃん(小3)。今日は写生で、ティー・カップを描きます。



NDちゃんの色鉛筆・写生画「ティー・カップ」が、見事に仕上がりました。

カップ側面やソーサーの小さくて繊細な花びらや枝など、注意深く観察されて、丁寧に描写されました。
色鉛筆で色を加えたことで、描かれてはいない紙のままの明部が、硬質な輝きを放っているようです。
絵画的情緒に溢れた味わい深い快作の誕生です。


またNDちゃん、木工クラフトで箱を作ることになり、今日はその平面図が描かれました。
次回から、本制作に着手する予定です。

* * *
KKちゃん(6才)が、元気にやって来ました。
今日も2コマ授業で、色々と楽しみます。


左:張り子でウサギを作っています。            右:図鑑から花を選んで描きます。


左:木製テーブルを着色中です。             右:宝箱と宝、仕上がりました。


 
左:今日は脚部が紫とピンクで塗られました。      右:宝箱と宝、ニスが塗られて完成しました。


授業最後に、図鑑からパンジーを選んで描きました。
紫色と黄色の花びら、葉や茎も、しっかりと観察されました。

いつもながらKKちゃんのクリエイティブ・パワーには、ただただ脱帽です。
次回も楽しみです。

2012年12月26日水曜日

TOさんの5作目木版開始

水曜日のアトリエ。YSさん、油絵3作目の雪山、今日はその2日目です。




















 左:初回、下地塗りの様子。                   右、今回(2日目)、描画後。

今日は中塗りです。主に前景~中景木立の幹や枝が、小筆や紙片のエッジを用いて繊細に加筆されました。
次回(明日予定)、更に細部や全体のバランスに目と筆が向けられていきます。
楽しみですね。

* * *

TOさん、今日からいよいよ5作目・木版画の制作を開始します。


 左:描刻中です。               右:今日の版木。

TOさん、いよいよ美大通信教育・課題の最後の木版画制作に取りかかります。
5作目ともなると、彫刻刀の扱いにも随分と慣れ、柔らかな描線を刻んでいます。
次回の彫り仕上げと、その試し摺りが行われれる予定です。
楽しみですね。

* * *

一昨日のクリスマス会を楽しんだNFちゃん(小2)が、やって来ました。
今日は、絵本作りと宝箱作り等を楽しみます。


 細かい描写に集中しているNFちゃん。          後半には写生にもトライします。
















NFちゃん、宝箱側面の前後に、パパとママ、それにNFちゃん自身の姿を描き込みました。
ごく小さな面積に、細密画のように可愛い家族が現れました。

 
左:宝箱、本体は生地・木目のままを利用して簡素に仕上げる予定です。
右:余った時間を利用して、リンゴの写生も行いました。続きは次回です。


NFちゃんの長期計画・絵本「魔法の夢の玉」に、新たな1ページ(片方の1ページは文章)が加えられました。
いよいよの終盤です。
次回が楽しみですね。

* * *

HINAちゃん(中1)がやって来ました。
前々回から制作中の自室展示用のポスター絵、その制作を続けます。



HINAちゃんの自室ポスター絵「愛読する漫画作者の作品模写}、今日はここまでです。

今日は、背景右側の様々な植物などの細かい部分を描き入れました。
細かい描き込み部分まだまだありますが、その分、迫力も出てきました。
次回も楽しみです。


私の体感温度が正確なら、今夜はこの冬一番の寒さ(冷え込み)です。
空気の乾燥も更に進んだようで、ノドにドライな違和感を感じています。
「もしや、風邪では?・・・」
滅多にひくことのない風邪らしき予兆に、ビクビク・ガラガラの1日でした。

By 講師T