アトリエ・マイルストンブログ

2019年5月20日月曜日

春の沖縄ソング特集

月曜日・薄曇り
アトリエ、お休み日

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昨今のアトリエ・ブログ唯一の投稿コーナーをお届けします。

まずは久々の言い訳から・・・。
当ブログ、グーグル提供のソフトを使用、そのソフト内蔵のP.C.2台が壊れて早1年4ヶ月が経ってしまいました。
画像アップロード用アプリのサービスが既に終了しており、再インストールも出来ずの八方塞がりの状態のままです。

新しい画像を投稿するには新P.C.を購入し、新たなソフトにて新たなホームページを一から立ち上げるしか術はなく、
そうなってしまえば、今ご覧になっているこれまでの現行ホームページは外部リンクのタグで繫げるしか方法はなく、
そうなってしまえば(2度目です)、外部リンクの当ページに訪れる方々が大幅に減り、筆者としては淋しい限りです。
たかがワン・クリック、されどワン・クリックで、その訪問数には大きな隔たりがあり、まるで開店休業中状態となり、
ブログ開設以来8年間の数々の力作や快作・傑作等の作品やその製作風景が、ただひたすら宇宙空間の狭間に漂うようで、
またこの間アトリエを利用し楽しまれた皆様とその作品と同様の親しみ・思い入れも筆者個人としては強く持っており、
女々しい(封建的死語失礼)ようですが、そう簡単には新ブログへと移行する勇気と決断力を未だ持ち合わせていません。

従って昨今の新たな画像(完成作品やその製作風景等)のアップを待っていられる方々には大変申し訳ありませんが、
現状のままの「お茶濁し」コーナーにて、当アトリエ・ブログの形態をしばらくの間 存続させてゆくつもりでいます。
何故なら皆様の過去の力作群や、筆者の当コーナーや名作美術館等のお蔭で、海外を含め今も多数の訪問者があります。
今後とも皆様の温かい目と寛容さとで見守っていただき、時々は訪れて音楽(のみですが)を楽しんでいって下さい。

アトリエ・ブログに名を借りた実質・筆者独断のT講師コーナー。どうぞ よろしくお願いいたします。

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「祝・沖縄祖国復帰47周年」


今から47年前の1972年5月15日、
戦後27年間に渡る米軍施政下の故郷オキナワが、晴れて日本国沖縄県(!)となった日です。

今では「癒しの島」として多大な人気を集め、昨年度は故郷を訪れた観光客が実に999万9千人にも及んだとの事。
様々な問題を抱えつつも、本土復帰後の経済的発展は著しく、そして伝統文化を大切にする気風も失ってはいず、
高齢化が進行する我が国の都道府県に在っては、出生率を含め若い力が漲る現状は何はともあれ嬉しいものです。

とは言え、故郷は貧困家庭が全国一多い事もまた事実。色々な要因あるも、楽天的・情熱的ラテン気質の県民性ゆえ、
安易な結婚・出産、そして離婚。親子関係の絆濃い社会ゆえ、自立軽視の2~3世帯同居に甘えて収入確保を急がず、
従って県民若年層の所得は伸びず、片親家庭の学校給食費の未納も増え、負の悪循環が繰り返されるのも実情です。

また普天間基地移設の辺野古沖埋め立て問題も大きく注目され、反対の民意(有権者の38%)が示されてはいるものの、
筆者の私見を言わせて貰えば、
反対意見の辺野古沖の埋め立て以外に、同時進行する他の那覇軍港の浦添沖移設や那覇空港拡張埋め立てには反対せず、
環境保護のためと言うその論理的整合性には大きな矛盾があり、那覇軍港移転は大陸からの大型フェリー接岸の便宜で、
その浦添移設の埋め立て面積は辺野古より大きなもので、正に矛盾だらけのダブルスタンダードと言わざるを得ません。
またラムサール条約で、その環境保全が強く勧告されている渡り鳥生息地の泡瀬干潟の埋め立ても問題視すら無視です。
公正中立に程遠い地元新聞2紙による長年に渡る扇情も、県民の正しい認識を妨げ、結果的に不幸を生み出しています。

故郷沖縄が本土へ復帰して47年、国際情勢は当時のベトナム戦争時とは変化し、故郷の周囲もまた大きく変化しています。
願わくば、故郷の人々が目先の利益や誘惑に溺れることなく、過去に於いて多大な犠牲を払っていただいた民主主義の下、
自由と精神の充足と安寧の日々を謳歌し、子々孫々に渡って送れることを切に希望する、祖国復帰48年目の5月15日です。

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と言う訳で、今回も恒例となっているお茶濁しのコーナー(もはやメイン)を久々にアップしました。
アトリエ・ブログながら昨今の唯一の当コーナー、前回に続き、故郷沖縄出身の歌手を複数特集します。
取り上げた楽曲も多いことから、はじめは筆者のT講師コーナー上にてと思ったのですが、居直りました。
アトリエ・ブログながら、当コーナーをアップした直後に訪問者数が伸びる事実も背景にはありました。
沖縄ソング、新旧織り交ぜて多数曲 取り上げました。ご訪問ついで、宜しければご覧になってください。

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「出張ミュージック・ギャラリー(その361)」


「祖国復帰記念:春の沖縄ソング特集」


まずは現役・新鮮組を・・・
昨年 地元の大学(県立芸大)を卒業したばかりのフレッシュ女性デュオで、良い意味でのアマチュアリズが魅力です。
幼少から沖縄民謡に親しみ、中高校では吹奏楽部に所属の音楽好きで、芸大では沖縄の古典芸能を学んだ二人です。
グループ名の「いーどぅし」とは沖縄方言で「良いお友達」と言う意味で、彼女らにピッタリな名前かもしれません。
メンバーは「なみなみ」桃原(とうばる)菜美花さん(ギター)と、「かーなー」羽地(はねじ)奏絵さん(三線)のお二人です。
彼女たち自らの自己紹介ソング。何はともあれ、その純な素朴さ初々しさ聴いて下さい。

いーどぅし、「いーどぅしサーサー」詞曲:かーなー
I-Dushi, " I-Dushi sar sar "

詞も曲も歌も、二人の表情も演奏も、そして動画も微笑ましい限りです。
老婆心ながら、歌の冒頭挨拶「ハイサイ」とありましたが、女性の場合 正式な伝統口語では「ハイタイ」と挨拶します。
曲終了後の撮影シーン内6'50"の男性講師の弁、沖縄男性はソーキブニ(骨)が1本足りないから軟弱って言っていますが、
その部位は肋骨のことで、原典は旧約聖書のアダムとイブの誕生物語をもじって、そのように云い伝えられています。
筆者も幼少ナチブー・ワラバー(泣き虫童子)だった頃、叔母たちから言われていましたし、確かにその通りだと思います。
お節介ご免。
<(_ _)>
今後の地道ながらも全国的な活動・活躍に期待大です。


続いての曲も作者のかーなーさんが高3の時に作ったとのことで、本土へと渡る友人に贈った歌です。
詞の中の「ちばりよー」とは頑張ってねの意味で、故郷では広く使われている応援・激励の言葉です。
こちらもまた前曲同様に、彼女たちの明るさや温かさや思いやりが目映い動画に仕上がっています。

いーどぅし「エール『オリジナル)」詩曲:かーなー
I-Dushi , " Yell "

当人たちの動画コメントに故郷を出て全国にて頑張るウチナーンチュに贈るとあるので、筆者も立派な有資格者ですね。
「二へ―デービル! 、サンキュ!、ありがとぉーねぇー!!」
「あんたらもチバリよ~! 遠く神奈川から応援してるよ~!」
Y (#^.^#) Y

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さて2番手は「知る人ぞ知る」の実力派・天才歌手の登場です。
但し残念にもメジャーな認知度・露出度には恵まれず、その類まれな才能が埋もれがちなのが惜しまれます。
以前にも当コーナーにてデビュー曲「花(喜納昌吉作品)」を取り上げましたが、彼女の歌唱世界は絶品です。

石嶺聡子、「シャイン」
Satoko Ishimine , " Shine "

どこまでも伸びやかな歌声、五月晴れの青空・涼風にも似つかわしく、さながら中空を自由に舞う鳥のようです。

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さて石嶺聡子の世界、こんな英語の曲もまた彼女の得意とするところです。
取り上げた曲も「知る人ぞ知る」と言う60年代後半のザ・ミレニウムの紡いだ渋い名曲です。

石嶺聡子、「ゼア・イズ・ナッシング・モア・トゥ・セイ」
Satoko Ishimine, " There Is Nothing More To Say "

シンプルなアレンジのアコースティック・サウンドに乗って、力むことなく軽やかに歌い上げています。
B・ディラン等も歌っている同アルバムの「Hard Times Come Again No More (フォスター作)」も秀逸です。
色々なライターの楽曲と出会いながらも、次第に自らのソング・ライティングの世界を目指し始めた彼女、
メジャーな情報にはなかなか乗りませんが、今後も素晴らしい歌声世界を聴かせてくれることを期待します。

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次に登場のグループ、残念ながら既に解散しているのですが、沖縄らしい明るさと華やかさが秀逸です。
彼女たちもまた本土(東京発)のメジャー情報には乗れませんでしたが、その存在 忘れたくはありません。
みやらび(美童)否、チュラカーギー(美女)3人娘を中心にした島唄ポップ・サウンド、ご機嫌です。
2曲続けてご覧ください。

コイナ、「安里屋ゆんた」2007年、那覇・桜坂劇場ライブ
Coi,Na," Asatoya-Yunta" Live at Sakurazaka Theatre, Naha Okinawa

コイナ、「沖縄へ行こう」同上
Coi-na, " Okinawa he Ikou (Let's Go To Okinawa ! )"

(投稿者様に感謝しつつも)当動画の曲終了後の後半部分、編集しカットした方が良いと思います(上から目線ご容赦)。
三板(さんばん)等のリズム楽器の弾きや、曲の節々を飾る琉球舞踊由来のたおやかなモーイ(舞い)も美しくて快感です。
彼女たちの飾らない艶やかな明るさが眩しいですよね。正に一期一会の結晶ライブ、貴重なお宝映像です。

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さて、時間をもっと過去へと遡って、もう一つのグレートなグループを紹介したいと思います。
こちらのグループを知っている人はご年配で、かなりの音楽通と言うことになります。
オキナワ(敢えて片仮名)が産んだ天才3人娘で、筆者とは生きる時代を共にする同士のような存在です。
沖縄復帰直後、「アップルズ」と言う名前でメジャー・デビューを果たし、その後イヴ(EVE)へと改名。
有名歌手のバック・コーラスを大量にこなし、本人たちも70年代のディスコ・ブームでの楽曲を多数発表。
スタジオ・ワークで録音した曲、実に2000曲(!)を上回るとのことで、いかに必要とされていたかが分かります。
その間に、深夜のアダルトな音楽番組に登場。特に故・羽田健太郎氏と共に往年の米国ポップも多数披露。
但し筆者的にはグループのネーミング(命名者は歌手の野口五郎氏)がいまいちだったように感じています。
筆者案では米国風に「ミューズ・シスターズ」「サザン・シスターズ」「ビューティー・スリー」等です。
上から目線・我田引水・お粗末・ご容赦
_(._.)_
エンターテインメント感 溢れる日本人離れした歌唱・リズム感による歌・コーラス・ダンスは秀逸でした。
彼女らの感性や音楽は正に戦後の米軍施政下で培われた、国内にて空前絶後・唯一無二の奇跡的存在です。

筆者の説明はこのくらいにして、彼女らの圧巻ライブ・パフォーマンスの一部、お聴き(御覧)下さい。
米国音楽、華やかし往年(50~70年代)の名曲、ご堪能下さい。

イヴ、「ブギウギ・ビューグル・ボーイ」(編曲:前田憲男)スタジオ・ライブ
EVE, " Boogie Woogie Bugle Boy ", (studio live)

イブ、「リーチアウト・アイル・ビー・ゼア」
EVE , " Reach Out I'll Be There " (studio live)

けだし圧巻!ファンキーなグルーブ感(何のこっちゃ!)やシャウトがカッコよく、筆者の血も大いに騒ぎます。
それぞれが個性的な声質ながら、混ざり合ったロングトーン部では倍音が多数発生し、大人数に聞こえてきます。
熱演する彼女たちの狭間で、ピアノに向かう彼女たちの恩人・理解者でもある羽田氏の在りし日の雄姿もあります。
上の石嶺聡子さんやコイナ同様に、時の流れに埋もれゆくにはあまりにも惜しいコーラス・グループでした。
メンバーは新里(しんざと) 玲乙奈(れおな)、久良良(くらら)、利里佳(りりか)の3姉妹で、活動停止が重ね重ねも残念です。
" I hope their health and happiness. "
感謝

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今回の沖縄ソング特集を最後を締めくくるのは、やはり再三の登場のこの人たち。
80年代の第2次バンド・ブームの牽引役(追っかけ?)を果たしたTV番組「イカすバンド天国」で発掘されプロに。
グランプリを獲ったバンドは数あれど、今も残るのは彼らくらい(筆者が知らないだけかも?)かもしれません。
ギミックやマジックや様々な小道具を排し、日常・身の丈のスタンスで沖縄島唄と米国音楽を自由にチャンプルー、
今や老若男女にも広く支持される国民的・大衆バンドとなりました。

以前の祖国復帰特集でも取り上げた めでたい曲で、「かりゆし」とは沖縄では「めでたい・お祝い」の意味です。
動画のライブは旧・広島市民球場とのことで、さだまさし氏のコンサートのゲストで登場した時のものとのこと。
彼らのおおらかで大きな世界、ご鑑賞ください。

ビギン、「かりゆしの夜」(2007年ライブ)
Begin , " Kariyushi-No-Yoru "

石垣島の同級生トリオ、「イカ天」後にこんなに活躍するバンドに成長するとは!
ヴォーカルの比嘉栄昇君の人間味溢れる天性の伸びやかで力強い歌唱、快感ですね。
彼らは国内のみならず、遠く南米で暮らす日系人たちにも多くの支持を得ています。
片意地はらないその素直さで、これからも懐の深い慈悲深き音楽を我々の元に届けてくれることでしょう。
彼ら自身もまた「島人(シマンチュ)の宝」に他なりません。

祝・沖縄祖国復帰48年!
「あんしぇー・またやーさい!( Then, See you again !)」

!(^^)!



故郷沖縄は今 梅雨の真っ只中。
重ったるい湿気を帯びた大気の中、今日も街や里の片隅でサンシンの緩~い音色がレイジーに響いていることでしょう。
故郷の人々の年齢・男女・初対面関係のないタメ口(ぐち)と、屈託のない満面の笑顔がそろそろ恋しくなってきました。
今年の帰郷はいつになることやら・・・。

 By T講師( こと当真英樹 )
P.S. :アトリエ・ブログをここまで私物化してしまいました。
ご容赦。



追記

筆者の「T講師コーナー」にて、以前、一昨年(2017年5月15日)に復帰前のオキナワの様子を大特集しました。
ご興味のある方は、お手数ですが当ページ右上のタグをクリックの上、アーカイブにてご覧になってください。
再追記:下記のタイトル・クリックにて、そのページへ直接移動できます。ご覧いただければ嬉しい限りです。
2017/05/15

米国由来による貴重な写真資料が満載の(自称)超力作です。