アトリエ・マイルストンブログ

2015年10月12日月曜日

クリムトの金泥油絵ー3

月曜日・「体育の日」にふさわしい快晴

 祝日・アトリエ定休日
(キッズ・クラスは3連休)

「名作美術館(その140):クリムトの金泥油絵(その3)」

            LEFT:" Actor Josef Lewinsky as Carlos"                                      RIGHT:" Love "  

 今回もまた金泥油絵ですが、今回の3作品は画面内ではなく、その周囲での金泥使用に着目しました。
左作品の俳優立像の左右とその上下、額縁ではありませんが、 まるで東洋の軸装のような画面処理です。
上下に施された画題が記された金泥は軸装の「一文字」風で、左右も軸装で言う「柱」のような 処理です。
右作品もまた金泥が画面左右に施されており、両作品共に東洋の軸絵のように極端に縦長な構図です。

下の肖像画は上記2作のような軸装風ではありませんが、金地の額には両作品同様に植物が描かれています。
このような画家の非伝統的表現法は、明らかに東洋、とりわけ日本の琳派の影響によるものと言われています。
世紀末の西洋の芸術家たちを魅了した日本美術は、印象派に続いてアールヌーボーの誕生にも関わりました。
クリムトもまたその影響を受けた画家として、自らの多彩な画面作りに金泥や装飾画を積極的に取り入れました。
エロティシズム絵画の巨匠クリムト、その妖艶さの一翼を担っているのが金泥であることに間違いはありません。

" Portrait of Emille Floge,17 aged ", (1891)
 3 Paintings by Gustav Klimt

上のエミール・フロッジと言う うら若き女性、後年クリムトによって再度描かれています。
その作品もまた、当コーナーで紹介する予定です。
(筆者注;今回はブログ画像の状態が良好ではなく、各画面についての記述は控えました。)

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その168):秋進み歌」

今回の当コーナー、秋進み歌と言うことで選びました。
クリムトの上述3作品にも合っているような気もします。
シンプルで美しいメロディーが、美しい秋の日々を呼び寄せてくれそうです。

マイケル・ナイマン 「デビイ」
Michael Nyman, "Debbie"

映画「ピアノ・レッスン」でも著名なイギリスの作曲家・ピアニストのマイケル・ナイマンの愛らしい小曲です。
タイトル曲の「デビイ」でつい連想しましたが、沖縄映画の「ナビイの恋」のテーマ音楽も作曲していました。
(余談ついでですが、マイケル・ナイマンご本人も映画の中にちゃっかり出演していました。)

アトリエ周辺・沿道のケヤキ並木も、少しずつ黄色くなり始めました。
この夏の異常気象が秋の紅葉の色づき具合にどう影響しているのか、気になるところです。
移ろう季節の変化や彩りが、充分に堪能できると良いですね。

By 講師T