アトリエ・マイルストンブログ

2015年9月30日水曜日

コスモス日和、お休み日

9月末日・水曜日・快晴・涼風
気温・湿度共に平年並みに下がり、秋らしい爽やかな1日となりました。
暑くも寒くもなく 涼風有りて、正に佳日です。

アトリエ近所の丘で可憐に咲くコスモスたち(左上には蜜蜂の姿も)

アトリエは今日も授業なく、お休みでした。

2015年9月28日月曜日

クリムトの金泥油絵(その1)

月曜日・晴れ

「名作美術館(その138):クリムトの金泥油彩(その1)」

グスタブ・クリムト、「音楽」
Gustav Klimt," Musik " (1895)

前回までの「クリムトの淡白風景画」は取りあえず終了。今回は人物描写に卓抜した画家の人物画です。
とは言え人格的要素は認められず、寓意的な趣きの画面を飾る一要素的な扱いと言えるかも知れません。

金泥で彩られた平面的な竪琴を奏でる手に力はなく、周囲の装飾的な円(球?)にも実体感は希薄です。
画面右隅のスフィンクス石像と、女性の姿態のみがかろうじてレリーフ的な立体感を有しているだけです。
画家が一体何を表して、何を言おうとしているのか、いかにも象徴主義らしい謎めいた画面となっています。
西洋文明の流れの礎とも言えるエジプト(スフィンクス)やギリシャ(竪琴)の脈絡の中に現れ出た金色・・・。
多くのアール・ヌーボーの画家や工芸家を魅了した東洋・日本美術に啓発された画家ならではの絵面です。

薄暗い青色の背景に点在する花々は夜空の星々にも似て、また竪琴から発せられた音粒子の様でも・・・。
そう言えば竪琴周りの球体の連なりも、何だか天球儀の天体の運行図のようにも見えてきました。
竪琴に重なる青緑の帯と下部の縦方向の帯状の青緑色は、竪琴由来の流星群かもしれません。
そうすると・・・、金色の竪琴は下弦の三日月に見立てることも・・・。
ムジーク(音楽)と題されたこの作品、耽美的・摩訶不思議さがたまりません。

昨夜は「中秋の名月」、今夜はスーパー・ムーン・・・。
夜空と空気の澄み始めた秋とは、昔日より愛称が良いようです。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その166):秋進み歌」

今夜の月はいつもより確かに大きく、また輝いて見えました。
ロマンチックで清楚な月も良いですが、月はやはり隠微さを含んだ神秘的存在です。
そこで今夜のスーパー・ムーンに因んだ曲をと言うことで、この小曲を選びました。
ギターの淡々としたアルペジオ進行、シンバルの連打音、寒々とした残響等々・・・。
澱を成して沈殿していくようなアンビエントな空間が今も色褪せません。

キング・クリムゾン、「ムーン・チャイルド」
King Crimson,"Moon Child " (1969)
From Their 1st,Album "In the Court of the Crimson King )

筆者若かりし高1の頃、この曲の入ったLPレコードを聴いて心底ぶっ飛んでしまいました。
プログレッシブ(前衛)・ロックとかアート・ロック等の新ジャンルで呼ばれ始めた彼らの音、
小さな島の高校生にとっては、まるで異質の遠い遠い天体の音楽のように感じられました。

初めて耳にした「21世紀の精神異常者」「エピタフ」・・・、そしてこのムーン・チャイルド等。
これまで経験のない旋律・和声・変則拍子・音質・編曲・展開は、未曾有のショックでした。
コピーする意欲を微塵も寄せ付けなかった高度で高密度な音空間にただ圧倒されました。

時は60年代後半、本土復帰前のオキナワ。世はベトナム戦争只中の狂気・喧騒の時代。
夢想空間(ドラッグ)だけが、英国の彼ら(音楽)と米国の彼ら(兵士)を結びつけていました。
耽美と刹那。今は昔の、懐かしくも哀しい音空間です。

By 講師T

2015年9月27日日曜日

FNちゃん、静物画、開始

日曜日・曇り

AYさん、前回から開始した「蓮」の描画を本格化させました。

AYさん、今日は蓮の葉表裏の2色の緑色を丁寧な筆致と厚みで塗り込めました。
画面右には子房も新たに描き加えられ、既に馥郁とした良い感じが漂っています。
次回も楽しみです。
 
* * *
 
久々にNFちゃん(小5)がやって来ました。
今日は水彩でカゴの入った果物を描くことになりました。


秋らしい果物が中心の静物画、今日は構図決めと下地の固有色4色が塗られました。
小1からアトリエに通いだしたFNちゃんならではの丁寧な絵作りで、綺麗な雰囲気です。
 
1年間で5cmも身長が伸びたと言うFNちゃん、今日が誕生日とのこと。
おめでとう。次回も楽しみです。
 

2015年9月26日土曜日

YA&YSちゃん水彩画完成

土曜日・曇り

YAちゃん(小5)、今日は静物画を描きたいとのことで果物のモチーフを選び始めました。

イタズラ好きなYAちゃん、構図決めの際に冗談でリンゴを3個重ねました。
「それじゃあ、まるでリンゴ3兄弟だろ。」筆者の言葉に、「それだ!」YAちゃんが即・食いつきました。
YAちゃん、ダンゴ3兄弟の歌を軽快に口ずさみながら、ヒラメキを大切に仕上げたのが上の作品です。
画面右側には「ダンゴ3兄弟」の文字も記されたイラスト風な水彩画が完成しました。
JAか何かのCMポスターにでも使われそうなポップでユーモラスな作品、こうして誕生しました。

* * *

S姉弟がやって来ました。
YSちゃん(小5)は前回からの水彩画の仕上げ、KS君(小2)はコリント・ゲーム作りを行いました


前回から描き出したYSちゃんの水彩画「ピンクのハイビスカス」、本日見事に完成しました。
爽やかな光や空気感までをも表現された瑞々しい雰囲気が素晴らしい水彩画の誕生です。
花ビラや中央部の花芯など、軽やかに繊細に観察・描写された快作です。

* * *


弟のKS君、基板に絵を描くため、その下絵を描きました。
筆者がコリント・ゲームの基材ベニヤ板をカット、白色塗料で地塗りし、KS君が描き始めました。
富士山を望む日本晴れの明るい絵、今日はここまで描かれました。
次回は、その仕上げの描画と、側面などの工作が本格化されます。
楽しみですね。

2015年9月24日木曜日

RiSちゃんの西洋ナシ完成

木曜日・曇り のち 雨
ブログアップの大幅遅れで、長い間 不便をおかけました。
今回より、見出しの日付をリアル・タイム日へと戻しました。

前回、可愛いラプンツェルの色鉛筆画を仕上げたMMちゃん(小6)、今日から新作です。
MMちゃん、今回は絵画を離れ、木でリンゴを作りたいと言うので、早速 取りかかりました。


 MMちゃん、まずはその構造を理解するための下絵を描き(左)、その後、木彫に取りかかりました(右)。
使用する材料は4x4(10cm角)のツガ材で、筆者が電動丸鋸で切り出し、MMちゃんが受け継ぎました。
MMちゃん、その角材をワークベンチに挟んで固定、大型のカッターにて角取りカービングを開始しました。
右写真の左側の角張った方がMMちゃんの今日の作業の状態で、右は以前筆者が作ったリンゴです。
材料の形体が掴みづらいので怪我にはくれぐれも要注意ですが、次回からの作業が楽しみです。

* * *


こちらは先に木彫を開始しているKIちゃん、今日もカービング作業を行いました。
KIちゃんもまたワークベンチに作品を固定、カッターにて彫刻作業を続けました。
木彫は地道な作業の連続ですが、少しずつ形になっていくところが楽しいものです。
とぼけた表情のアザラシの姿が見えてくるまで、コツコツと頑張りましょう。

* * *

前回、ワケあって非公開の作品を仕上げたRiSちゃん(小4)、今日から新作です。

RiSちゃん、今日は写生画に挑戦。そのモチーフに選ばれたのは西洋ナシでした。
RiSちゃん、正確な形を取り、その固有色を色鉛筆で丁寧に塗り込め、見事に完成しました。
必要な箇所をしっかりとボカして立体感を獲得、おまけにヘタに可愛い葉も付け加えました。
最後に消しゴムを使って表皮のテカりも作り、リアルな西洋ナシの色鉛筆画が誕生しました。

* * *

ダ・ヴィンチの油絵模写中のHaT君(小4)、その制作を一時中断、新作に取りかかりました。
それはお爺ちゃんへの誕生プレゼントで、フルーツやカボチャの入ったカゴを描きだしました。
HaT君、これだけ多くのモチーフを一度に描いたことはないと言いながらも、せっせと描写。
その甲斐もあって、初日のスタートとしては快調な滑り出しで、良い雰囲気が漂っています。
次回には完成に漕ぎ着けられるかも知れません。
楽しみです。

クリムトの淡白風景画ー4

9月21日(敬老の日)・月曜日・晴れ・涼風
(このブログは、9/24にアップしました。)

「名作美術館(その137):クリムトの淡白風景画ー4」

今回も、象徴主義・エロティシズムの画家、クリムトの風景画を2作取り上げました。

「アッター湖の島(アッター湖のほとり)」、1899年頃

「アッター湖畔」

前回、画家が湖に向かって望遠鏡を覗いている写真を紹介しましたが、正にそのものズバリと言った風情です。
望遠鏡レンズの円形こそ四角形に置き換えられていますが、望遠鏡の視界から啓発を受けたような作品です。
両作品共、画面は正方形ではなく僅かに矩形を成していますが、風景画・王道のワイド感を振り払っています。
その代わりの前景からの水面のさざ波の揺らめきが、画面の大半を占める程、大小の筆致で描かれています。

波間で僅かに点在し反射する光の粒子が美しく、その画界はまるで印象派はモネの作品群を彷彿とさせます。
筆者の推測では、画家はモネ晩年の連作「睡蓮」シリーズを意識・触発されていたのではないかと思われます。
この湖畔の別荘に住む画家は、日々移ろい変化する自然界の現象に心を奪われていたのではないでしょうか。
描くべき対象の諸要素を可能な限り絞り、モネ同様の抽象画の世界に足を踏み入れていたのかも知れません。

エロティックな作風が画家の大きな要素ですが、この極端に視野を狭めた静かな佇まいも画家の心の風景です。
画家は私生活に於いて、若かりし頃の「仏陀」同様、放埒な色欲を追求したとの事、その反動かも知れません。
それはまた東洋の禅や仏教思想にも通ずる「色即是空」を、画家なりに具現化した魂の絵画なのかも知れません。
いつしか「秋も夜長」となり、筆者の妄想は尽きません・・・。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その165):秋進み歌」

画家の心の拠り所だったような上述の風景画に、似つかわしいかは定かではありません。
が、曲のタイトルも何故か上述作品にしっかりとハマるような気がしました。
美しい自然は人の心を癒し、浄化する作用があると言われます。
美しい「四季」の地に住めることに感謝。

キース・ジャレット、「イン・ユア・クワイエット・プレイス」
Keith Jarett,"In Your Quiet Place" (1975)

BY 講師T

2015年9月23日水曜日

AYさんの新作本画、開始

9月20日・日曜日・晴れ
 このブログは、9/23にアップしました。

前回、見事なアレンジ模写を仕上げたAYさん、今日から新作に取りかかります。

AYさん、前回同様、背景には金を用いることとし、その下地作りを開始。
水張りされた用紙に、茶褐色の絵具とアクリル・ラッカーの金を施しました。
その後、用意していた下描きを下地にトレース、下色を3色、彩色しました。
ご覧のように新作は「蓮の花」で、もう既に不思議な気配が漂っています。
AYさんの本画3作目、おおいに楽しみです。

* * * 


こちらも江戸期の屏風絵を自由模写しているRSさん、その続きを行いました。
今日は右側のオニユリの周囲を中心に筆を入れ、画面密度が更に増しました。
持参したアクリル・ガッシュの力強い発色や被覆力も、RSさんの頼もしい援軍となりそうです。

RSさん、作品を自宅へと持ち帰り、更に加筆するとのこと。
次回の来訪、こちらも おおいに楽しみです。



秋の連休を利用して、恒例になってしまったブログ遅れを何とか解消。
1日ずれのリアル・タイムでアップ出来るよう、頑張ります。

三者三様の生き物絵、完成

9月19日・土曜日・晴れ
このブログは、9/23にアップしました。
先日、体験授業に訪れたSHさん、今日からアトリエで学びます。


SHさん、前回に続き、今日も基礎デッサンに挑戦しました。
今回は幾何学形態の円筒形(円柱)で、タテ軸の透視図法とグラデーションを学びました。
楕円形など、しっかり観察した形体に丁寧な筆致で、正確かつ柔らかな調子を施しました。
周囲を包む光や空気も良い感じで表されました。


SHさん、授業後半は興味を持っていると言う人物・頭部の捉え方・描き方を学びました。
次回も楽しみです。

* * *

S姉弟、今日も仲良く並んで描画を楽しみました。

姉のMSちゃん(小3)が図鑑から選んだのは、白いフワフワ毛が特徴のスピッツでした。
MSちゃん、そのソフトな体毛を丁寧にしっかり再現、その上、面白い背景を加えました。
薄緑の山、深緑の三角山、それに青い富士山を並べ、赤い夕陽をも加えました。
そのことでスピッツは少々 目立たなくなりましたが、代わりに不思議な雰囲気が漂い始めました。
物語性があるような印象深い作品の誕生です。

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弟のAS君(小1)は図鑑に中から、トカゲ2種を選び、色鉛筆で描きました。
上右は、メタリックなカラーリングのイシガキ・トカゲで、下左は一般的なアオカナヘビです。
両者ともにその特徴が良く捉えられ、活き活きとした動物絵となりました。
トカゲの下にはお姉ちゃんの勧めで土も加えられましたが、この位がちょうど適当でしょう。

S姉弟、授業の残り時間を利用して、シンメトリー(左右対称)に切り抜くクラフトも楽しみました。
筆者が白ボール紙に描いたトカゲ、蝶々、トンボ、小鳥などを起用に切り抜き、持ち帰りました。

* * *

RH君(小2)もまた好きな昆虫を図鑑から描きました。


RH君が選んだのは、カブト虫やクワガタの王者3種。
その彼らの形体の特徴をしっかり捉え、その質感や量感も描ききりました。
黒光りする固い表皮や手足の細部も見事に再現、迫力ある水彩画となりました。
簡潔ながら、造形的にも力強い見応えある作品の誕生です。

キッズ3名、それぞれの観察力と感性で捉え、紙面に現れた生き物たち、それぞれの作風が妙です。
それぞれの心や性格(内的世界)で捉えられた外的世界、これからもそのコラボレーションが楽しみです。

Yツインズの色鉛筆画

9月18日・曇り  時々 晴れ
このブログは、9/23にアップしました。

仲良しYツインズ(小5)が、やって来ました。

SYちゃんは写生で、3種類の果物を描きました。
西洋梨とナシ、それにアプリコットを色鉛筆で描き、それぞれの形体の特徴を捉えました。
簡潔明瞭な見方、仕上がりです。

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KYちゃんにも写生を勧めましたが、図鑑から好きな小鳥を選んで描きました。
仕上がったスズメ、写実的ではありませんが、やはり持ち味のユーモラスさが魅力です。
羽毛の柔らかさも良い感じですね。