アトリエ・マイルストンブログ

2016年2月29日月曜日

梅咲き時の宗達梅(ハンコ)

うるう年の2月月末29日・月曜日・晴れ・温暖
アトリエ定休日

「名作美術館(その161):梅咲き時の宗達梅(ハンコ)」

当コーナー「梅」シリーズの3回目です。
以前、当コーナーで紹介した俵谷宗達の絵に、本阿弥光悦の書と言うコラボレーション(合作)の先駆けです。
時代順から、こちらが先でも良かったのですが、少々絵面(えづら)が地味ゆえ、最後になってしまいました。
でも、この梅の形象、モノクロームながら愛らしさは抜群で、「光琳梅」の先祖と言っても過言ではありません。
しかもこの梅の花、実は判子(スタンプ)を多用していて、偶発的な銀泥の溜まりやカスレ具合も絵画的です。
金泥で一気に描いた枝の大小のアクセントや小さな蕾と相まって、リズミカルな立体感が素晴らしいですね。

俵谷宗達・絵、本阿弥光悦・書、金銀泥四季草花下絵、古今集和歌巻、重要文化財

上図と同じ「金銀泥四季草花下絵、古今集和歌巻」、畑山記念館所蔵

図版やトリミングの違いで、違う絵のように見えます。どちらも、それぞれの良さがあり、二点、掲載しました。

琳派の開祖とも称される天才絵師・俵谷宗達の梅、その洗練された抒情空間に匹敵する世界は存在しません。
絵も書も素晴らしく、重文なんて言ってないで、いっそ国宝指定にしていただきたい我が国を代表する至宝です。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その190):心温まり唄ー3」

前々回の中島みゆきに続いての邦楽の登場です。
最近の曲と言うことでは、昨年9月の「海の声/桐谷健太」以来で、
このコーナーでは、まさかの女子アイドル・グループの登場です。
NHK朝の連ドラ「あさが来た」の主題歌です。

「365日の紙飛行機」/AKB48

(最初に拝借した画像&2度目も削除されましたので、別バージョンを新たに再々度ドロップしました。)

我ながら「いい年して・・・」と思う部分も多分にあれど、いい年だからこそ、との心の声も聞こえたり・・・。
考えてみれば今でも大好きなビートルズも、元はと言えば立派な(しかも世界的な)アイドル・グループ。
しかも筆者、思い返せば音楽に関しても根っからの雑食喰い。
極く幼少の頃の米軍有線放送のグレン・ミラーのアメリカン・パトロールあたりで音楽に開眼、その後、
小学時代はマーチから軍歌、昭和歌謡・映画音楽やPPM、中学時代のGS、ポップス、ロック・・・等々、
高校時代には更にエスカレート、フォークやブルース、ジャズ、津軽三味線や尺八等、民族音楽も聞き、
アイドル・グループではキャンディーズの「春一番」「微笑み返し」が好きだったりと節操無きことは確か。
良い曲なので、かくなる上は「エエイッ、出しちゃえ!」と相成りました。

可愛らしい女子軍団、今回の宗達梅より前回のカラフルな梅模様が合っているような気もしますが・・・。

うるう年の二月も今日で終わり。
明日は早、春三月。
365日の早いこと。

By 講師T

2016年2月28日日曜日

AYさんの新作「あやめ」開始

日曜日・晴れ・今日も暖かな春陽気

前回までボッティチェッリの模写を製作中だったAYさん、その続きを一時中断、今日から新作に取りかかります。
ボッティチェッリの模写は後日あらためて油絵具で再開することにして、気分転換に元々の予定を開始しました。

 マスキング・フィルム張り込み中。  コートしたフィルムのカット中。

左: 水色のアクリル絵具で地塗り、グリザイユ(単彩画)で「あやめ」のイメージをラフ描写。
右:マスキング・フィルムを画面にコート、描画輪郭をカット、ラッカー・スプレー金色を塗布。
新作の下地の準備が出来ました。
昨年、製作した「蓮」の連作で、背景処理や画面サイズも同一です。
AYさんの新作「あやめ」、次回から始まる本格的描写が楽しみです。

2016年2月27日土曜日

YYちゃんの本格デッサン

土曜日・晴れ・春陽気

IKさん、製作中の銅版画の描刻を続けました。

IKさん、ヘッドルーペを使用し、微細な部分にニードルでの線刻や極小棒ヤスリでの研磨などを駆使しています。
ドライ・ポイントの部分にはバニッシャーを使用、スムーズなグラデーションを作っています。
次回の試摺り(予定)が楽しみです。

* * *

前回、モネの模写を完成させたYYさん、今日から新作です。


YYさんの新作は伝統的日本画の模写で、今日は前回準備したパネルに続きの作業をしました。
模写する原画は伊藤若冲の魚図で、そのために人絹上に下地色を塗り、更にトレースを行いました。
その下地色や構図は原画に忠実ではなく、色合いやそれぞれの魚のサイズにも調整を加えました。
次回から、いよいよの彩色が始まります。
楽しみですね。

* * *

前回、ファンタジックな油絵を仕上げたYAちゃんも、今日から新作です。


前回のインスピレーションを重視した油絵に気を良くしたYAちゃん、その連作続編とも言うべき春の絵に挑戦です。
そのために、今日もインスピレーションを沸かせ、各種の下絵作りを行いました。
YAちゃんに脳裏に出てきたと言う神社の社や枝垂桜をはじめ、例の謎の少女の姿も描かれました。
新作の油絵、一体どのような作風になるのか、次回が楽しみです。

* * *

YYちゃん(小5)、新年度の6年生を前に本格的に絵を学びたいとの事で、今日はその初日です。
その手始めに、ピアノを習っているYYちゃんに音楽の三大要素同様の、美術の三大要素を説明。
「形」「色彩」「階調」を理解してもらい、小学校ではあまり学ばない「階調」、デッサンを描きました。


YYちゃんが選んだのは「白いポット」。しっかり形が取られ、丁寧な描線でその「階調」が施されました。
YYちゃん、ポット表面各部に現れた光による明・中間・暗の階調を正確に観察、リアルに再現しました。
描画の最後に練消しゴムでハイライトを表現、金属や塗料の質感も見事に描出しました。
これからも楽しみです。

* * *

 Sa姉弟、今日も描画や工作を楽しみました。


姉弟二人が図鑑から選んだのは、最近飼い出したと言うフェレット。
Sa姉弟、2種類のフェレットの可愛らしい姿をそれぞれが描きました。

                    MSちゃん(小3)作のフェレット。

                   AS君(小1)作のフェレット。


描画の後は粘土細工で、AS君は犬君を、MSちゃんは泡が垂れたビール・ジョッキのような鉛筆立てを製作。
次回は、それらの乾燥を待って彩色を行う予定です。
楽しみです。

* * *

M姉弟のHM君(小1)、今日は一人で張り子や写生を楽しみました。

張り子、製作中。         自動車、写生中。

前回から始めたペンギンの張り子、今日はクチバシ・翼・足ひれなどを接合、またコイン出入口も製作。
ペンギンさん、随分リアルな恰好になりましたね。次回も楽しみです。

HS君、張り子の後に、メタル製のミニチュア・スポーツ・カーを写生。
面白い俯瞰(ふかん)構図と、鋭い観察力で見たライトやタイヤ等の各部の描写が味わい深い絵となりました。
これからも楽しみです。

2016年2月25日木曜日

HTちゃん自作額縁、祝完成

木曜日・朝 小雪、のち曇り

今日のアトリエは上級生女子キッズたちで賑わいました。





前回、アトリエ・キッズに復帰したHTちゃん(小6)、額縁の仕上げ作業を行いました。


HTちゃん、前回彫った角の草模様に黄土色(アクリル絵具)を入れ、ローラーで茶色く仕上げました。

HTちゃん、以前製作したオリジナル油絵「秋景色」を早速セット、素晴らしい自作品の共演となりました。
暖色を中心とした紅葉の風景との相性も良く、調和の取れたオリジナル額縁の誕生です。

HTちゃん、キッズ復帰2回目にしてアトリエ修了となりました。
新年度から中学進学です。入部する部活(吹奏楽部予定)や勉学、頑張って下さい。
音楽を含め、芸術的素養の豊かなHTちゃん、時々は描画や工作も楽しんで下さい。
ね。

* * *

MMちゃん(小6)、製作中の植物画の描画を続けました。

MMちゃん、今日はブドウの実の最濃色調子を加筆、その後、それぞれ葉の葉脈やツルも描写しました。
その効果もあり、精密でとてもリアルな植物画になりました。
でももっと描ける(見れる)MMちゃん、次回、最終的仕上げを行うことにしました。
次回の完成、とても楽しみです。

* * *

MMちゃんに刺激されて前回より植物画を描き始めたKIちゃん、その2日目です。

KIちゃん、今日は葉の緑を丁寧に縁取り、更に果実の下地の薄赤色を描きました。
次回からは、更に細かい部分の描き込みが始まります。
楽しみですね。

* * *

RiSちゃん(小4)、前回から始めた張り子の2日目です。


左:前回、初回の新聞紙貼り。    右:今回の新聞紙と和紙貼り。

RiSちゃん、今日は前回の上に更に新聞紙を貼り重ね、その上に白い無地の和紙を貼りました。
重ね紙の層は合計で3重になり、乾燥後、その表面は強固なものとなるでしょう。
次回は、表面の滑らかさや強固さの結果を待って、次の作業に取りかかる予定です。
楽しみです。

2016年2月24日水曜日

SAさん、新作水彩画・開始

水曜日・曇り・寒の戻り

久々SAさん、新作に取りかかりました。


SAさん、印象派の画家ルノアールの絵を参考に水彩画を描くことになりました。
今日はそのための準備で、用紙に水張りを施し、その後、構図決めと線描を行いました。
ダンスの興じる幸せそうなカップルの姿がもう良い感じです。
次回からの本格的彩色が楽しみです。

* * *

長期計画でトレーラーを製作中のTN君(小3)、その続きを行いました。


TN君のトレーラー、今日は全部キャビンと後部車両運搬車の間の転回部を丸く仕上げました。
その後、いよいよのキャビンの木材を接着、カッターでその角取りをしました。
そのキャビンをシャシーの上に置いてみると、やっとトレーラーらしくなりました。
次回も続きも楽しみです。

2016年2月23日火曜日

「富士山の日」特集

火曜日・曇り

「名作美術館(その160):「富士山の日」」

今日は昨日の「ネコの日」同様の続き、2月23日で「富士山の日」の特集です。
今回はいにしえより数(あまた)ある富士山の絵からこの作品を取り上げました。



「富士三保松原図屏風(右隻)」、六曲一双、紙本金地著色、室町時代(16世紀中期)、
(各)137.5x329.4cm、はごろもフーズ寄贈、静岡県立美術館 収蔵

画像の出典元に詳細なく、絵師や来歴などは不明ですが、現存する最古の富士三保松原図とのことです。
名勝地の三保の松原の松林を中心とした駿河湾や、富士山とその周辺がパノラミックに描かれています。
白一色の冬富士、その麓の城や寺、海上には帆掛け舟、右側砂洲には塩作りの人々の姿等が圧巻です。
画面中を のたうち回るような装飾的な金雲の表現も興味深いですね。
機会があれば、是非とも原画を観賞したいと思わせる、自然と人々の営みの場面が満載しているようです。
(画面内クリックすると、拡大画像が得られます。)

世界文化遺産にも登録された富士山、万人から愛される優美な姿に神々しさも親しみも共に感じます。
富士(不二)山を仰ぎ見れる国に住めることに感謝。

By 講師T

2016年2月22日月曜日

梅咲き時の梅模様-2

月曜日・曇り
アトリエ定休日

「デイリー・ギャラリー(その33):梅咲き時の梅模様(その2)」

前回(先週)に紹介した春の先陣「梅」の伝統的意匠(着物柄)を更に紹介します。
梅の形状がそうさせるのか、伝統的意匠の形象はポッテリとしてどこまでも柔らかく、温かみを感じます。
花びらの先端に切込みのない丸みが、見る者に心の平安を与えてくれるようです。






「光琳梅」や「ねじり梅」等々、「ほんわか」としたゆる~い感じが良い雰囲気ですね。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その189):ネコの日特集」

今回の当コーナー、本日2月22日はニャー・ニャー・ニャーと言うことでネコの日です。
その猫(Cat)にちなんでyoutubeを検索したところ、こんな懐かしい曲がネコ付きの動画で出てきました。
筆者若かりし頃のヒット曲、シンガー・ソングライターの名前にちなんで動画投稿者も製作したようです。
可愛いニャンコたちの画像と共にどうぞ。

キャット・スティーブンス、「雨にぬれた朝」
Cat Stevens, "Morning Has Broken "(1971)

この名曲、原曲はアイルランドやスコットランドの古いケルトの讃美歌で、詞は英国の著名な詩人の作とのこと。
また歌と共に印象的な旋律のピアノは、ロック・バンド「イエス」のリック・ウェイクマンの若き日の編曲・演奏です。
その効果もあって英米で大ヒット、米国ではアルバム発売後たった3週間でゴールド・ディスクを獲得しています。
ネコと言う名前、実は本名がギリシア系で難しいために、キャットを芸名として使用、結果的に良かったようです。

その甲斐もあって(?)、今回の登場ともなりました。
我が家のネコちゃんたち(3匹)も元気に暮らしていて、日々ブサカワ振りを発揮して和ませてくれています。
「ごはん、まだあ~?」
写真は、食いしん坊・まんまる目玉のビビ君。

「寒の戻り」の日々が、しばらく続きそうです。
そんな日々の「梅の花」、やっぱり素敵です。

By 講師T