アトリエ・マイルストンブログ

2016年4月11日月曜日

伊藤若冲の障壁画「花丸図」

月曜日・曇り のち 晴れ
アトリエ定休日

「名作美術館(その167):春爛漫特集:花尽くし」

伊藤若冲「花丸図」(障壁画・一部)、1764年、香川県・金比羅宮・奥書院(非公開)

以前、当コーナー(3/7付)で紹介した若冲の「花卉(かき)・天井画」に続いての特集です。
前回作品も一般非公開の天井画で、今回の障壁画も過去2回の特別展以外は基本的に非公開です。
しかも前回同様、今回もまた体系的・全作品網羅的な作品集やサイト等の紹介映像は存在しません。
出版文化に加え、ネット(SNS)情報も氾濫している現代社会・ご時勢で、なかなかのお寒い状況です。
そんな中で可能な限りの作品画像を、お借りしました(それだけでも有り難いことではありますが・・・。)

ご覧のように、正に「百花繚乱」の襖絵です。
たった6畳の室内4面全てに、色鮮やかな切り花が描かれているとのことです。
その総数は何と201点(!)
以下はそのほんのごく一部。

「ゆり」、上図右幅・上から2段目・左側

「仏桑花(ブッソウゲ、ハイビスカス)」、同じく上記の右側 

「芙蓉(?)」、上記「ゆり」の直下

金地に金砂子を散らした背景に浮かび上がる色とりどりの花々、不鮮明画像にも関わらず美しいですね。
ネット上にはこの3点しか単独撮影作品はないらしく、他もしっかり見せてもらいたいと思うのが人情です。
今回はそのほんの序章ともなれば幸いで、将来的に大系的・高品位画像や画集等の登場を願いましょう。

金比羅宮・奥書院内の様子。圧巻です。

障壁画の実際の大きさ(特別展示・搬出時の様子)

美しい花々やその映像(絵や写真)は、人々の目を心を日々 楽しませてくれます。
昨日、アトリエにて「あやめ」の絵を仕上げたAYさんの美しい作品もまた同様です。
これからも色々な花々の連作にトライして、産み出されていくことを期待しましょう。

「展覧会のお知らせ」

「生誕300年記念 若冲展」東京都美術館(会期:4月22日~5月24日)が、近々催されます。
残念ながら今回の「花丸図」はありませんが、代表作の「動植綵絵(30幅)」等が展示されます。
こちらも宮内庁所蔵の非公開品なので、この機会に興味のある方々、是非とも足を運びましょう。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その197):春歌-3」

今回の春歌、上記の花々繋がりで、春の花が多数登場するインストルメンタル(器楽曲)です。
イギリス出身のニューエイジ・ミュージックの作曲家の作品で、優しい旋律がケルト風にも聞こえてきます。
雪解けのシーンから始まり、桜の開花で終わる美しい小品、投稿者女性のメッセージも良い雰囲気です。

First Day Of Spring" / Michael Hoppe (マイケル・ホッペ)

原題、「春の初日」とでも訳せば良いのでしょうか、花々の開花や新学期や入学式などにも最適な感じです。
新年度や新学期、気持ち新たに出発しましょう。下に投稿者の英文メッセージの一部をご紹介。

Spring is the time to renew our hopes.
Spring breathes a new life into us. Wish you a very Happy Spring.

春夏秋冬の美しい国の様々な花々の姿・香りを、目に絵に鼻に楽しみましょう。
春爛漫。

By 講師T