金曜日・雨 のち 曇り
HTさん、以前(5月に)試摺りした銅版画「ヤマセミ」に、新たな加工を行いました。
左:前回、1回目試摺のエッチング+ドライポイント。 右:今回の第2摺り、アクアチント加え。
HTさん、前回のエッチング+ドライポイントに加え、今回は背景部にアクアチントを施しました。
松ヤニの細かい粒子で背景部の淡い調子を作り出し、画面がとても深い空間を獲得しました。
偶然に出来た摺りムラが、クチバシ部から発せられた呼気のようで、素晴らしい生命感が出ました。
HTさん、次回はインクや紙を換え、更にインクの拭き残しなどにもトライする予定です。
作為・意図しない偶然性の混在もまた「一期一会」のようで、銅版画の大きな魅力の一つです。
銅板の原版そのものは「楽譜」で、摺りはまるで「意図と偶然性による1回きりの演奏」の様です。
これもまた銅版画の楽しみでもあり、同時に深さでもあります。
次回も楽しみです。