アトリエ・マイルストンブログ

2019年4月22日月曜日

圧巻!子供バンド、親父バンド

月曜日
4月15日、22日投稿の合併編

新学期も始まり、学童クラブにも多数の新1年生たちが入所、1年の内で最も多忙な日々となりました。
そんなてんてこ舞いな理由もあって、今回は下記のコーナーを2週分まとめてご紹介したいと思います。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その358)」


「圧巻!子供バンド、親父バンド」


日頃、YouTubeにてプロアマ問わず世界各国の演奏シーンを鑑賞している筆者、興味深い動画を見つけました。
それは九州北部で結成された平均年齢14歳の男女混合のロックバンドので、その演奏シーンに驚きました。
筆者、音楽においても技巧主義では毛頭ありませんが、彼らは例外的に特筆すべきレベルに達しているので、
訪問者の皆様にもその情熱的な超技巧的演奏を知らしめたくなり、当コーナーにて取り上げ特集としました。
メンバーはギターのハルカちゃん(福岡出身)を中心に、兄弟(佐賀出身、ドラム&ベース)の最小編成です。
トリオ編成の彼ら、3名の技術が全く伯仲していて、運命的に出会った感もあり、この面でも驚愕ものです。
ベース担当のミウ君の7弦(!)ベースもこけおどし等ではなく、歌心タップリな旋律を聞かせてくれています。
リズム感覚が向上した現代っ子とは言え、国内の文化風土でここまでロックを消化していることも驚異的です。

何はともあれ、お聞きください。
平均年齢14歳(2015年当時)の、あどけない表情を時折 垣間見せる彼らの熱きロック魂とその表現力を。

アステリズム(星群)、「ガチャバ(ハードロック・インスト曲)」PV
ASTERISM (The average 14 years old) , " Got Your Back ! "
注:当動画の音源はCD化されたもので、ギターがもう1本ダビングされており、生ライブではありません。

アステリズム、オリジナル2曲「サクリファイス」~「155」
ASTERISM, Their Originals " Sacrifice "~" 155 "

アステリズム、「ディープ・パープル・メドレー」
ASTERISM , " Deep Purple Medley "


いやあ、もう絶句!未だ年端もいかない3名のこの熱気、技巧、ただただ圧倒されます。
度肝を抜かれた方々も多いかもしれませんが、楽器を弾ける人ほど彼らのその剛腕的スピリットに驚かれると思います。
「スモーク~」のハルカちゃんのギター・ソロも良いですが、その際の4ビート・ベース・ランニングも秀逸です。
上2曲、ヘビーメタルに近いロック特有のエグ味がタップリ過ぎて、最後までついていけない方々も多いのでは・・・。
でも彼らの非凡な演奏力は既に国境を越えていて、動画コメント欄では海外の方々から称賛の嵐を数多く貰っています。

筆者若き高校時代、英米のロックシーンでは「スーパーグループ」と言うバンド形態が出現、人々の話題をさらいました。
今世紀の今も不動の人気と評価を有するエリック・クラプトンもそんな中の一人で、トリオ編成のクリームは圧巻でした。
ブルースに根ざしていながら、その即興性を重視する姿勢はジャズのアドリブ演奏に共通のスリリングな演奏形態でした。
もちろんその当時、高校生だった筆者らもレコードに何百回も針を落とし、その高度な演奏のコピーに熱中したものです。
おっと、またまた筆者の思い出話で脱線してしまいました <(_ _)>。
そんな往年のスーパーグループたちに限りなく肉薄また陵駕する彼らは、正に我が国の原石の宝であり、未来のヒーローです。
但しロック・インストだけだと作曲や編曲等に早晩にも行き詰る危険性があり、周囲のプロデュ―スも今後は重要かと・・・。
既にプロ・デビューを果たした彼ら、解散等せずにこれからも末永く演奏活動を続けていって貰いたいと切に願うばかりです。


* * *


「絶品!親父バンド」


驚異的な超密度・超ホットな子供バンドの後には、平均年齢50歳辺りの熟年男性たちのロック魂を取り上げました。
ギター兼ボーカルのフィルXはカナダ出身のギリシア系のミュージシャンで、数々のスタジオ・ワークを中心に活躍。
その後、ボンジョビの2代目ギタリストとして参加、確かな技術とロック・スピリット豊かな感性で活動中とのこと。
当動画シリーズではトリオ編成のプライベート・バンドで、往年のロック名曲をカバー、楽しませてくれています。
筆者も高校時代に熱中していたロックバンド(筆者ドラム)で同曲をコピー、ダンス・パーティー等で演奏しました。
その頃の熱き思いがバンドの友の顔と共に鮮やかに蘇ってきます。ボーカル兼ギターの友、歌声がそっくりでした。
おっと、またまたの脱線、ご容赦 <(_ _)>。
ベテラン中年親父たちが繰り広げるトリオ編成ならではのシンプル・ストレートな醍醐味、ご鑑賞ください。

フィルX とザ・ドリルズ、「胸いっぱいの愛を( 1969年、レッド・ツェッぺリンのカバー)」
Phil X & The Drills, " Whole Lotta Love ( Led Zeppelin cover )" Studio Live (2015)

胸のすくような一発ストレートさが超快感です。但しフィルXの右腕のタトゥーだけは個人的にはいただけませんが。
筆者もドラムを演っているせいも有り、動画内のドラマーの気持ち良さが手に取るように分かり、羨ましく思えます。
豪快なドラミングの醍醐味を十二分に味わいつつ、手首の遠心力スナップで叩き込んでいる姿は微笑ましい限りです。
特大サイズのバスドラやタムもツェッぺリン・サウンドを彷彿とさせていて、筆者もつい感情移入が激しくなります。
中間部・間奏の効果音、スマホのアプリかなんかを利用して再現しているのが21世紀の現代らしいですね。
筆者らの頃は、ギター弦の上にボトルやコップをスライドさせて、ドラッギーなその音を再現したものです。
若かりし高校時代のロック・バンド三昧の幸せな日々が脳裏に蘇り、時の経過の速さと重なりを痛感します。

*

次の曲も同ユニットによるカバー・ナンバーで、時代が少しだけ進み、79年の大々ヒット曲です。
素晴らしい名曲で、その名曲を生み出したバンド「ナック」はいわゆる一発屋として消えました。
でも中年ベテラン・バンドの手により、スタジオ一発録りとは思えない密度で鮮やかに蘇りました。
お聞き下さい。その貫禄ある存在のシンプル炸裂パワーを。

フィルXとザ・ドリルズ、「マイ・シャローナ(1979年、ザ・ナックのカバー)」
Phil X & The Drills, " My Sharona (The Knack cover)" Studio Live (2016)

上記の若きアステリズムの面々の高密度音楽とはまた違った趣きのピュア&シンプル・パワーが限りなく快感です。
タイトながら腰のある艶やかなギター・サウンドが小気味良く炸裂し、この楽曲の非凡さを更に引き立てています。
年端を重ねたその貫禄は、若きミュージシャンには出せないベテランならではの魅力です。

* * *

さて「子供バンド」「中年バンド」と続きましたが、最後に超ベテラン「熟年バンド」の面々の登場を願いましょう。
当コーナーのトリを飾るのは、アメリカン・ロックの雄 ZZ(ジージー)トップです。
正に音楽大国の米国らしい大排気量バンドで、シンプルながらもその生み出されるサウンドには余裕と風格が漂います。
共演は、前述のエリック・クラプトンとそのキャリアを共にする歴史的世界三大ギタリストの御大ジェフ・ベックです。
ジェフ・ベックもまたスーパーグループを率いていたこともあり、その類まれなギター・ワークは孤高にして饒舌です。
バンド名よろしく熟年も熟年のジージー軍団で、メンバー3名の合計年令、軽く200年を突破しているかと思われます。
共演のジェフ・ベックの年齢をも加えると、まるで老人施設並みですが、そのパワーと才能には衰えは感じられません。
そんな熟年ミュージシャンならではの香り立つ円熟味、何ものにも代えられぬ魅力充満で、正に世界レベルの至宝です。
若き日々の有り余る情熱とパワーを抜き去った後にのみ残る、澱をねっとりと重ねた芳醇ブランデー。ご堪能ください。

ジージー・トップとジェフ・ベック、「ラフ・ボーイ(ジージー・トップ1985年のヒット曲)」
ZZ Top & Jeff Beck, " Rough Boy "  at Wembley Arena, Live in London (2015)

この曲が流れると、さも条件反射のように お酒が欲しくなってしまいます。(投稿後はきっと・・・)

余談ながら、
10数年前、人気の若き女流クラシック・ギタリストが速弾きが得意で、スローは苦手だと言っていました。
「ああ、やっぱり。何も分かっちゃいない」筆者は彼女の演奏とその言葉との整合性に納得したものです。
弾かれる音と行間と言う空間が存在すること、或いはその重要性に頓着なく、技巧を得てきていたのです。
とは言え時が経ち、人生経験を重ねた彼女も近年は深みのある演奏をしています。(上から目線、ご容赦)
音楽には発した無数の音以上に、その行間は重要な意味と価値を持ち、弾く者・聴く者の魂を揺すります。

敢えて生意気を言わせてもらいますが、
結局のところ・・・、
音楽も絵画も共通して言えることは、饒舌な技巧等よりも人生の何たるかを知った「歌心」こそ大切なのです。
若き日々の「厚化粧」も時に良し、でも「素顔・素足」も大切にして、その良さも感じてもらえたらと思います。


捨てるもの、失われるものも何かと多い人生ですが、歳月を重ねてこそ表現でき得るものを大切にして、
熟年・好々爺の彼らのように、味わい深い人生を送ることが出来れば有り難いと思う今日この頃です。

* * *


「鯉、大空に舞い泳ぐ薫風の季節」


我が町・森の里 若宮公園脇の新緑ケヤキ並木路

青空に泳ぐ若宮公園上の鯉のぼりたち(一昨年の撮影です。(-_-;)すみません。)

これから梅雨時までの期間は、1年の中で最も快適な日々が連なります。
お休みの皆様もそうでない皆様も可能な限り、この薫風を満喫しましょう。

(*^-^*)


* * *


「アトリエ、GW中 全休のお知らせ」


来たる4月27日(土)より、令和元年5月の6日(月)までの10日間、アトリエはお休みとさせていただきます。
その間、筆者は毎年積み残している自宅室内の改装や庭の手入れ、アトリエのメンテ等に充てる予定でいます。
快晴・薫風に包まれた憧れの「庭食事」も、今年こそ再開したいと希望していますが、果たしていかに?

By T講師
P.S. GW期間中も不定期ですが、このコーナーをアップする予定でいます。
よろしければ、立ち寄ってみてください。