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「名作美術館(その100)」
静謐の画家フェルメール その7:「絵画芸術(画家のアトリエ)」
「絵画芸術」 1666~67年頃
120 x 100cm、美術史美術館(ウイーン、オーストリア)
当コーナーの記念すべき100回目を飾るにふさわしい、画家渾身の名作です。
研究者によれば、そのモチーフや仕立てから、この絵が数々の寓意に飾られている作品だとのこと。
でも、そんなことはどうでも良いくらい、この絵は理屈抜きに視覚を感動させ、また楽しませてくれます。
その中でも、とりわけ筆者の興味を引くのは、画面に奥行きを与える空気遠近法の妙です。
前景のカーテン、中景の画家、遠景のモデル、その前方(左)の窓の外、と、素晴らしい三次元世界です。
寓意に彩られなくとも、この絵(平面)自体が読み解く必要もないほどの絵画空間を雄弁に表現しています。
画家の後ろ姿とモデルの女性のみに焦点を合わせて色彩を除くと、その遠近感は更に明確になります。
画家自身の後ろ姿とのことですが、その素顔は永遠に謎のまま、ただ作品のみを私達に提示しています。
黙して語らない静謐の画家フェルメールの雄弁な作品を鑑賞でき得る文化・文明の利便を享受しましょう。
今回の特集(計7回・13作品)は、今回で取りあえず終了します(名作揃いなので、またの機会に・・・)。
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「名作美術館:番外編」
兼:「ミュージック・ギャラリー(その124)」
上特集で紹介出来なかった寡作の画家フェルメールの作品32~3点の中の20点を、ご鑑賞下さい。
(但し、12番目のThe concertと言う作品は、画家の真作ではない、と筆者個人は考えていますが・・・。)
Johaness Vermeer ( Dutch Baroque ) Paintings
良いものに出会うと、言葉を失ってしまいますね。
By 講師T
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「お知らせ:年末年始のアトリエお休み日」
12月27日(土)から新年1月5日(月)までの間、お休みします。