アトリエ・マイルストンブログ

2014年12月31日水曜日

本日大晦日、ワイエスの冬絵

水曜日・晴れ・大晦日

「名作美術館(その103)」

ワイエスの冬絵

”Andrew Wyeth " Long Limb (plum leaves) " Tempera (1999)

1年ほど前、当コーナーで紹介したワイエスの雪の作品の2作目です。
「長い枝(梅の葉)」と訳せる今回の作品。前景に枯れた葉をまとった枝が画面外から伸びてきています。
灰色の空の下、画面のほとんどを占める褐色の草原の手前には、小さな白い残雪が横たわっています。
この何気ない光景やモチーフに着目し、冬のその厳しい空気感を表現するのは画家の持つ特質です。
画面からは、乾いた冷たい風音や、冬に耐える植物たちの茎や草や葉の叫びも聞こえてくるようです。

前日 紹介のモネの「積みワラ」同様、「絵」にしづらい素材にさえ美を見いだす画家の度量に敬服します。
またモノクロームに近い画面と内包する生命観は、水墨画にも通ずる精神性を有しているように思えます。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その127):冬歌ー3」

今回の当コーナーも上の作品とは直接的な関係はありませんが、ワイエスと同時代を生きた楽団の名曲です。
年の瀬になると、何故だか筆者の脳裏に自動的に蘇ります。これまた幼年時代の「刷り込み」かも知れません。
「イン・ザ・ムード」「ムーンライト・セレナーデ」「ペンシルべニア6-5000」等、名曲 数あれど今回は断然これです。

グレン・ミラー楽団 「真珠の首飾り」(1942年)
Glenn Miller & His Orchestra " String of Pearls"
サックス隊の軽く飛んでいるような柔和な主旋律と、時折からむブラス隊の対比が軽妙で、良い気分になれます。
(そう言えば、前述曲目のペンシルベニアは画家ワイエスの生没地でもあり、多少の繋がりはありましたね。)
幼年時代の真空管「親子ラジオ」、高1の頃の吹奏楽部時代の思い出など、筆者には感慨深いものがあります。
吹奏楽部時代、米軍基地内で開催のフットボール・ナイターのハーフ・タイム・ショーに出演したこともありました。
今となっては懐かしい遠い過去、祖国復帰前の故郷オキナワでの楽しい思い出です。



今日は大晦日、この歳になると1年が早くて短くて仕方ありません。
新年も、今まで以上に充実した日々を過ごしたいと願っています。
それでは皆様、良き新年をお迎えください。
また、お会い出来る日を楽しみにしています。

アトリエ・マイルストン主宰、当真英樹、万里子