月曜日・しのつく雨
アトリエ定休日
「名作美術館(その118):車窓の雨」
「デイリー・ギャラリー(その23)」
今月に入って晴れた日はたったの4日間しかなく、気象庁のデータでは最も雨の多い4月だとの事。
里や野の桜が満開を迎えた途端の連日の「花散らしの雨」に見舞われ、筆者も少々食傷気味です。
ならば「毒を食らわば皿までも」ではありませんが、雨の情緒を楽しむべく、今回の特集となりました。
Tom Birkner, Rainy day series
上の3点は、トム・バークナーと言うアメリカ人画家が描く連作の一部です。
車窓(フロント・ガラス)越しの雨の光景がとてもリアルで臨場感があり、誰もがすぐに追体験できそうな作品です。
最上段は高架橋上のような場面で、現実だったり、海外の旅行先だったりと、色々なイメージが膨らんできます。
中段は筆者の故郷オキナワのようで、復帰前の1号線(現・国道58号線)に見えて、懐かしい錯覚に囚われます。
下段の絵は、踏切前の道路らしく、正面にはそれらしき架線などが灰色の空を横切っていて、とてもリアルです。
産業文明・車文化ならではのスピード感や、車窓にからむ水滴や人工物が現代生活を良く表現していると思います。
そのような理由もあって、今回は二つのコーナーをまとめて、タイトルとしました。
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「ミュージック・ギャラリー(その144)
今回の当コーナー、もちろん「雨」繋がりです。で、この曲を選びました。
アメリカのR&Bシンガー、ブルック・ベントンが放った男の哀愁・渋さ満載のナンバーです。
雨のジョージア / ブルック・ベントン(1970年)
”Rainy Night In Georgia" / Brook Benton (1931~1988)
酒臭い歌声に、澱を成すハモンド・オルガンとギターにストリングスが絡みついたムーディーなバラードです。
筆者若かりし頃のヒット曲で、プロコル・ハルムの「青い影」などと共にチーク・ダンス・タイムの定番曲でした。
ヴェトナム戦争たけなわの当時、戦地へと向かう新兵の青い刈り上げ頭と黒髪女性の姿が脳裏に蘇ります。
「雨」もまた「春」の徴し。
美しい雨情緒を愛でて、まばゆい雨後を待つもまた良し。
By 講師T