月曜日・晴れ・各地で猛暑日続出
「名作美術館(その182):夏絵、ジブリ作品の世界」
今日は誰もがご存知の世界的な人気を誇るジブリ作品の背景画の世界です。
これらの作品を描いた人物は、秋田出身の美術監督:男鹿(おが)和雄氏(1952年生)です。
万人の心をいともたやすく鷲掴みにする透明感あふれる清々しい光の世界、ご堪能下さい。
今回は特に夏の青空の光景・場面に絞ってみました。ついつい追体験を迫られてしまいます。
「となりのトトロ」、1988年
「紅の豚」、1992年
「作品名・不明(南島の砂浜)」アニメ使用ではない単独作品だと思います。
アニメの一場面を飾る刹那・渾身の背景画、主人公を引き立てる名脇役です。
*
「となりのトトロ」は、パノラミックな西陽の臨場感が快感です。
小学生の頃に毎夏訪れて、数日滞在した田舎(父の出身地)の風景を思い出します。
輝き眩しい昼間と、天空を覆う満天の星々以外は真っ暗な闇夜の対比が強烈でした。
「紅の豚」もまたかつて見たような臨場感です。
筆者の育った那覇の中心部に、サンゴ礁が古代に隆起した高さ20m程の小高い台地がありました。
その平坦な「頂上部には遊園地の廃墟があり、そこの縁にも見事なリュウゼツランが自生していました。
青い海や市街地も眼下に見下ろせ、北方には首里の丘陵、南側には米軍の基地施設も見渡せました。
「南島の砂浜」に至っては、もうまるで写真そのもののようで、超リアルな光景です。
筆者・中1の夏休みに、友人たちと長期滞在した久米島の比屋定(ひやじょう)海岸を思い出しました。
島中が濃密な動植物に溢れ、空中を乱舞するトンボなど、筆者らの立てた指に自ら停まってきました。
島中が濃密な動植物に溢れ、空中を乱舞するトンボなど、筆者らの立てた指に自ら停まってきました。
サバニ(小舟)やアダンの木、ハマヒルガオ、サンゴが隆起した石灰岩、そそり立つ入道雲、まんま真夏。
つい、個人的な思い出を記してしまいました。
画家・男鹿和雄氏の世界は、見る者が過去の記憶を連想するか、デジャブ(既視錯覚感)に捉われるかです。
そんな「夏絵」、時空や記憶や物語を超越し、見る者を幻想と現実の狭間へと誘う不思議な多次元世界です。
光きらめき溢れ輝く「夏」、只今 真っ盛り。
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「ミュージック・ギャラリー(その219):夏唄ー3」
上の夏絵、またその思い出に便乗して、こんな懐かしい「夏唄」を選びました。
前回も記しましたが、夏と言えば「海!」だった子供~青春時代のチョー定番曲でした。
よく遊びに行った海岸のボートハウスのジューク・ボックスでも、いつもかかっていました。
もちろん、夏と言えば「キャンプ!」の頃も、ファイヤーを囲んでみんなで大合唱しました。
タイトルを見、歌詞を聞けば実際には「夏唄」ではなく、過去形の夏を歌った楽曲ですが、
何故か筆者たちにとっては、立派な代表的な「夏唄」でした。
「思い出の渚」 / ザ・ワイルド・ワンズ、作詞:鳥塚繁樹、作曲:故・加瀬邦彦(1966年)
筆者の遠い青春(中学)時代の1ページを飾ったグループ・サウンズの名曲です。
この曲、筆者の中学時代初期のコピー・バンドのレパートリーの一つでもありました。
リーダーでリード・ギターの加瀬邦彦が最近逝ってしまいましたが、彼らほど幸せなバンドは少ないと思います。
オリジナル・メンバーのままで今も仲良く演奏活動を続け、そのせいもあって、いつまでも若々しい存在です。
加瀬邦彦の演奏するヤマハの12弦ギターの音色と旋律がとても新鮮で、歌と同等の魅力を放っています。
数々の名曲を生み出したグループサウンズの中でも、エバーグリーンな青春唄を代表する金字塔の一つです。
これからも紳士集団ワイルド・ワンズ(野生児たち)の末永い活躍を期待したいと思います。
By (夏になると,何故か遠い過去をよく思い出してしまう)講師T