アトリエ・マイルストンブログ

2019年8月26日月曜日

夏別れの「沖縄エイサー」特集

月曜日:(秋予感)久々の曇り。
午後、激しいゲリラ豪雨でした。
アトリエお休み日
市内の小学校の夏休みもあと僅か(2日と3日)となりました。
宿題がまだ残っていると言う人は、最後の踏ん張りで頑張ってくださいね。



「ミュージック・ギャラリー(その373):夏唄 最終回」


「夏別れの沖縄エイサー特集」


今回は当ブログで特集してきた「夏唄」の最終回と言うことで、故郷・沖縄のエイサー音楽を取り上げました。
当ブログ、筆者の「T講師コーナー」でも以前取り上げた曲・動画と一部重複していますが、お楽しみ下さい。

まず始めに「エイサー」とは、そもそも何か?
故郷・沖縄で、「お盆」の際のご先祖や亡くなった縁者等の送迎の儀式に用いられる音楽と舞踊が合体した演舞です。
その発祥、筆者も知りませんでしたが、何と17世紀に首里に滞在した東北出身の僧侶が布教させたもの(!)との事です。
袋中上人と言う浄土宗の僧侶の念仏唱えの布教が元で、その後 現在の形に変化を遂げて定着・普及したとのことです。
なお沖縄での「お盆」は旧暦を基に行われるので通常は8月末頃ですが、今年は偶然にも新暦と同時期だったとの事。

何はともあれ、早速「夏」最後を締める熱々の「エイサー(演舞)」、お楽しみ下さい。

トップ・バッターの動画、以前紹介済みですが、この熱演は色褪せることがありません。
全国各地の行事に呼ばれ、その熱演を披露するエイサー集団の東京は新宿での演舞です。
その熱き魂の発露、ご覧あれ!
( 出来れば外部スピーカーまたはヘッドフォンにて、胸や腹の奥底までも響くその低周波迫力をご堪能ください。)


創作エイサー集団 / 琉球舞団・昇龍 祭太鼓(しょうりゅう・まつりだいこ)
音楽 :「ダイナミック琉球」/ イクマあきら、於 / 新宿エイサーまつり(2016)

Eisar Dance performance of Okinawa Isle. Their name's " Syoryu Mathuri-daiko "
Music by Akira Ikuma " Dynamic Ryukyu " (Okinawa Song)
" Ryukyu "is Old name of Okinawa prefecture in Kingdom period.

先頭を彩り締めるパーランクの照屋姉妹が、当グループを代表する「顔」となっていて、コメント欄を賑わしています。
「琉球空手」にも通ずる鋭い気合が凛々しく、頼もしいですね。


続けて彼らの翌年の演舞、そぼ降る雨の中での熱演とその笑顔、ご覧ください。

創作エイサー集団 / 琉球舞団・昇龍 祭太鼓、「三線の花~七月節」於:新宿エイサー祭り(2017年)

雨にも負けじとばかりの照屋姉妹の熱々キレキレ演舞と、時折 垣間見せる笑顔が可愛いですね。
それにしても鍛えられた体幹が、いかに「エイサー演舞」を支えているのかが理解できますね。



「昇龍 祭太鼓」の彼らのオフィシャルなプロモーション・ビデオも見つけました。
南国の故郷の各地の景色も満載のこちらもどうぞ。動画でお馴染みの面々の笑顔に再会できます。

「エイサー・エイサー、ヒヤルガ・エイサー(七月節)」~エンドロール(モンゴル800「琉球哀歌」)
琉球舞団 昇龍太鼓、プロ―モーション・ビデオ

歌詞(筆者による補筆済み)

(囃子)スイ・スイ・スイサーサー、イヤサ―サ、ハーイヤー、ナーティーチェ(もう一丁)、ハーイヤー
エイサー・エイサー・ヒヤルガ・エイサー、スイサーサー、スイ

太鼓(てーく)かたみてぃ(担いで)西東(方角、太陽のいりあがり) 指笛(いーび)フィーフィー吹ち鳴らち 我(わ)した島ぬ 二才達(にーせーたー、青年たち)エイサー 太鼓三弦(テーク・サンシン) さてぃ見事(みぐとぅ) 満月(うふちち)や照(てぃ)り勝(まさ)り 待ち待ちそーたる(待ちに待った)七月(しちぐゎち)なとーさ (になったよ)
しんかぬちゃー(仲間の衆よ) 華(はね)ーかせ (華やかだね)

(上記 囃子)イヤサ―サー~ 仕事(しぐとぅ)んうっちゃん投ぎてぃ(放り出して)七月や 北(にし)から南(ふぇー)まで 這い巡(みぐ)てぃ 我した島ぬ 美童(みやらび・美少女の) 踊(うどぅ)いや
あん美(ちゅ)らさある(かくも美しく) さてぃ見事 満月(うふちち)や照(てぃ)り勝(まさ)り 待ち待ちそーたる七月(しちぐゎち)なとーさ しんかぬちゃー 華(はね)ーかせ
三線(サンシン)間奏
58号(本島の幹線道路) 車んどぅきなち (自動車もどかして) 島々里々(さとぅざとぅ) 道巡(みちじゅ)ねー 心配(しわ)やねーらん(無用) 我島(わしま)ん他島(たしま)ん 島中上ぎてぃ(打ち揃って) まぎウークイ (大きな御送りの儀式) 満月(うふちち)や照(てぃ)り勝(まさ)り 待ち待ちそーたる七月(しちぐゎち)なとーさ しんかぬちゃー 華(はね)ーかせ 満月(うふちち)や照(てぃ)り勝(まさ)り 待ち待ちそーたる七月(しちぐゎち)なとーさ しんかぬちゃー 華(はね)ーかせ

以上

上記の歌詞をご覧になれば解るかとは思いますが、沖縄方言は大和言葉の古語がその基本となっています。
例えば、子供のことはワラビと言い語源は童ですし、女性はイナグでやはり女子(おなご)がその語源です。
沖縄の水族館の名前が「ちゅら海」ですが、それも「清らか」が美しいに転じて沖縄風に訛った言葉です。
また東風平(こちんだ)と言う地名がありましたが、それは古語の「東風吹かば~」等、共通の言語圏です。

アイルランド民謡のティン・ホイッスルを彷彿とさせる琉球笛の熱い調べが、筆者の胸を即 高鳴らせます。
エイサー・エイサー・ヒヤルガエイサーとは、浄土宗・念仏歌に挟まれる囃子の一つが由来だとのことです。
当動画の後半で出演者や指導者名やメンバー全員の名前が出てきますが、県外出身者も多く在籍しています。
大太鼓の中には欧州系の外国人の名前もあり、動画内でもちらほら背の高い彼の姿が見え隠れしていますね。



都道府県各地の高校野球の応援歌に使用されているとのことで、既にお馴染みの方も多いとは思います。
この曲の歌と作曲家のイクマ・アキラさんは本土は東京出身の方で、沖縄に惚れ込み移住された方です。
その方のオリジナルの動画で、傍らで力強い演舞を見せる方が、作詞を担当された平田大一さんです。
その力強い歌唱と演舞、ご覧ください。

「ダイナミック琉球」、イクマ・アキラ (2009年)
出演:現代版組踊「肝高の阿麻和利」子供たち、創作芸団レキオス、南島詩人:平田大一
" Dynamic Ryukyu", song and composed by Akira Ikuma.

筆者注:以前、「T講師コーナー」にて紹介の歌詞を後日追加しました。併せてお楽しみいただければ幸いです。

「 詞 」

                    海よ 祈りの海よ 波の声響く空よ                     大地踏み鳴らし叩く 島の太鼓(てーく)ぬ響き
                   (かけ声)ヒーヤササ、スイ、ハイヤ・イヤササ、スイ!
                    海よ 祈りの海よ 波の声響く空よ                     大地踏み鳴らし叩く 島の太鼓ぬ響き                     風に吹かれて島を歩く 夢に吹かれて海を渡る                     月に吹かれて涙を流し 罪に吹かれて明日を想う                     見果てぬ夢は 奏でてる想い 問いかける未来 走るあの空へ                     風よ 光の風よ 巡る運命(さだめ)の導(しるべ)よ
                    大地吹き鳴らし叩く 島の太鼓ぬ響き                     ~口説(くどぅち、ラップ)~                     南風(バイヌカジ)吹く、うりずんぬぐとぅに 、胸(むに)ぬ想(うむ)いゆ 語てぃ話さな                      海ん渡りてぃ、島ん巡りてぃ、我(わ)した青年(にせた)の肝(ちむ)やドンドン                     ティーサジ めーうち、歌ゆサンシン(三線)
                    ハイヤ・イヤササ、ハッハ・イヤササ、ハイヤ・イザイザ~~
                    星の言葉(ことのは)波に浮かべて 夜空を渡る夢のサバニ(小舟)                     久遠の空に流れ星ひとつ 波は想いを寄せて返す                     名も無き民の 声なき歌を 道に立つ人よ 風に解き放て                     宇宙(そら)よ 燃える太陽(ティ-ダ)の 命の息吹に夢                     雄々しく広げた翼 天高く宙を舞う                     海よ 祈りの海よ 波の声響く空よ                     大地踏み鳴らし叩く 島の太鼓(てーく)ぬ響き                     島の太鼓ぬ響き                     島の太鼓ぬ響き

筆者注:大まかな説明を付け加えると、「うりずんの如し」とは沖縄の2~3月頃のことで、
北西からの季節風(ミーニシ)が止み、南国らしい季節が蘇る時期のことを指しています。
「ちむ(肝)やドンドン」は、胸騒ぎや高鳴るの意で、胸がドキドキするの擬音的表現です。
「にせた」は青年達の意、青二才の語源と言われる日本語の古語・青侍から転じているとの事。
「ティーサージ」は手ぬぐいのことで、メーウチは多分「(鉢巻)頭に巻いて」の意味です。
「サバニ」は沖縄伝統の漁船で、その流線形の船形は今でも競争艇としてレースにて活躍中。
ちなみに
サバニは平底の和船とは異なる狭角底をしており安定性に欠けるものの半面復元力があり、
帆使用にて遥か遠くインド洋にも遠征。日露戦争ではバルチック艦隊発見・報告の活躍も。
以上

勇壮そのもので、カッコいいーですねえ~!


次は沖縄を代表するインディーズ・バンドの登場です。
彼らの地にしっかりと足の着いた活動ぶり、いつの間にか全国規模となりました。
バンド名の「HY」とは、彼らの育った沖縄中部の東屋慶名(やけな)の頭文字です。
共演のエイサー太鼓集団2グループの力強い演舞と共に圧巻で、けだし魅力的です。
どうぞ。

音楽:HY、「時をこえ」(ライブ)
演舞:琉球国祭り太鼓、琉球鼓舞道場
世界遺産・奈良 東大寺・特設会場(2010年)
Music by Okinawa's Indies Band." H Y " song is " Toki-wo-koete "
  Eisar dance Performance by Ryukyu-koku Mathuri-daiko & Ryukyu kobu-dojo "
 Live Performance at Todai-ji ( Temple: world heritage ) Nara Prefecture. Japan



次は故郷を愛し、大切にする彼らならではのプロモーション・ビデオです。
地元の面々が多数協力・出演している心温まるビデオに仕上がっています。
どうぞ。

HY、「帰る場所(PV)」(2014年)

* * *

今回の特集とは異なりますが、特別に最後を締めくくっていただきました。
故郷のエイサーも魅力的ですが、故郷・沖縄にはこんな風な優しい曲も多数存在します。

「芭蕉布」、夏川りみ(スタジオ・ライブ)


ほてった身体を覚ますには、これ以上はないような涼やかな調べが快感です。



音楽と踊りの芸能の島・沖縄。こうしてみると百花繚乱のような状態ですが、これでもほんの一部です。
故郷にはエイサー集団や舞踊集団など、芸能関係者は無数にいて、みなに共通するのは完全なる肉体化です。
楽譜や単なる習い事では表現不可な先達たちの土着と情熱による賜物です。これからの発展も益々楽しみです。

* * *

南国・沖縄の「お盆」を飾る熱々エイサー音楽、いかがだったでしょうか。
今では全国的な存在で、全国各地の小学校の運動会等で、「ソーラン節」や「よさこい」等と共に定番演舞曲です。
学童クラブのメンバーたちも学校で教わっていて、筆者でも出来ない力強い演舞を見事にやってのける子も多数です。
筆者の主宰する学童バンドでも「島人(シマンチュ)ぬ宝」の演奏に合わせて、かけ声と共に踊ってくれています。
本革のパーランク(小さな太鼓)は揃いましたが、今度は更に欲が出て衣装等も手作りしたいと目論んでいます。
(#^.^#)

* * *

「筆者あとがき」

まだまだ厳しい残暑が続きそうです。
水分・塩分・睡眠をしっかり取って、本格的な「夏別れ」の時まで頑張りましょう。
筆者も美味しい「ゴーヤー・チャンプルー」を食べて、楽しく過ごすつもりです。

P.S.:「ゴーヤー」の苦みが苦手と言う方には、炒める前の「湯通し」をお勧めします。
果肉が柔らかくなって苦みもけっこう薄まりマイルド味となり、お子様(筆者?)にもお勧めます。
また木綿豆腐と卵は多めに加え、更にポーク(国産品も有り)やベーコン等を足すと更に美味です。
またゴーヤーを選ぶ際にも、葉緑素の少ない(緑の濃くない)色白美人の方が苦みは少な目です。
「アバシ・ゴーヤー」とか「白ゴーヤー」と呼ばれる種類で、小さめでズングリとした形状です。
トマトの5倍程のビタミンCと食欲増進の各種成分が含まれていて、「夏バテ防止」には有効です。

( 今回の筆者得意の脱線話、料理談義となってしまいました。)
(*^-^*)