アトリエ・マイルストンブログ

2020年8月3日月曜日

祝・梅雨明けのジプシー音楽

月曜日・晴れ
関東地方、晴れて(二重の意味ですね)「祝・梅雨明け」
アトリエ お休み日


記録的に長く、また各地で大水害を引き起こした今年の梅雨がやっと去ってくれました。
その間、ここ神奈川の厚木では晴れの日はほとんどありませんでした。
あってもほんの2~3日で、終日晴れた日は筆者の記憶にはありません。
アコギ等、アコースティック楽器を数多く所有の筆者、エアコンの除湿機能に頑張ってもらい、事なきを得ました。

「ここで、お節介・ひと言 アドバイス」

ギター初心者の皆さんは、梅雨から夏にかけては弦の張りを通常より少々緩め(-2度程)にして保管して下さい。
 全て緩めるのはご法度です。再チューニング時に切れるリスク大ですし、楽器自体も鳴らなくなってしまいます。
 もちろんケースに入れっぱなしもご法度で、出来れば室内に出しっぱなしで他の音に共鳴させておくと良しです。
使ってこその楽器、眺めて愛でてこその愛機。とにもかくにも、我が国では「高温多湿」が全ての楽器の難敵です。
例外もあり、沖縄三線(サンシン)は共鳴の蛇皮が良い音になり、逆に乾燥過多の本土の冬期に破れることも多し。
「おっと、初っぱなからの脱線、失礼」
_(._.)_



さて本題、
前回の当コーナーではバイオリンの制作を取り上げましたが、今回はクラシック・ギターの制作動画の紹介です。
バイオリンの高額楽器ほどではないにしろ、クラシック・ギターもそれなりに高価なものが多数存在しています。
いわゆる「ルシア―」と呼ばれる名工の制作者の手による手工品にはそれなりの価値があり、それも芸術品です。
確かな鑑識眼による材料選びと、これまた高度な技術による手間や時間を惜しまない製作物には崇高な音質が有り、
マスプロダクトによる大規模工場生産品とは一線を画す世界が有り、様々なアーチストらの琴線を刺激しています。
今回はそんな中から少々短縮版の部類の動画を取り上げました。
興味のある方はご覧ください。また興味の無い方でも、もしお時間があれば是非ともご覧になってみて下さい。
華やかな脚光を浴びることの無い、しかし幸せな「職人」たちの無言の情熱や愛情が伝わってくると思います。

「(最近新設の)動画ギャラリー(早速 その3)」

「クラシック・ギターの制作」/ デビッド・J・ペイス

Classical Guitar Construction - The Making of 2019/1 - David J Pace Guitars




2本目の動画です。

「クラシック・ギターの制作」/マイケル・サムズ

Classical guitar making, by Michael Thames



作り方はそれぞれ微妙に違いますが、正解がないからこその芸術領域です。
前回にも少々言及しましたが、ストラディバリウスの全てが良い訳でもなく(保管環境にも左右されます)、
また他の楽器が2番目などと言う訳もなく、それぞれの使用者が自らの表現の好みで音質等を選べばよい訳で、
芸術をとかく「格付け」したがり信奉するブランド志向の強い我が国のある種の人々には理解できない世界で、
それは筆者的に逆に云わせれば、自らの確固たる審美眼的な判断基準が希薄なことの証しでもあると思います。


「脱線よもやま話し」

以前聞いた話ですが、
米国南部在住のある黒人ブルースマンが、お金持ちの白人ファンから高価なギターを贈られたそうですが、
自らの演奏には使用せず、その理由を尋ねると、「オラには合わねえだから、隣のタロベエにくれた。」と。
「何だか綺麗な音色の鈴みたいでよ。お嬢様を抱いてるみたいで、唄ってても落ち着かねえんだ。」との事。
「やっぱりオラにはこの使い古しのオンボロ安物ギターが、ぴったりハマるんだ。奥の古女房みたいでよ。」
彼の通販購入の安物オンボロ 古ギターは彼のノドにはピッタリで、誰も近づけない高い領域に達しています。
やはり好みの音質や・両手の馴染みや・抱き心地等の相性は、それこそ人(個人)それぞれ、千差万別です。
他者の決めた価値など参考程度で、自らの好み(時代で変わる)で素晴らしい良き伴侶楽器に出会いましょう。


* * * * *

前回の「ジプシー・バイオリン」の繋がりで、今回はクラシック・ギターを目いっぱいかき鳴らす男たちの登場です。
もちろん「酒焼け」や「煙草のヤニ焼け」したような、ジプシーならではの野太いエグミあるノドが最大の魅力です。

「ミュージック・ギャラリー(423)」
「祝・梅雨明けのジプシー・ミュージック(カバー曲特集)」


ジプシー・キングス、「ヴォラーレ」

Gipsy Kings - Volare (Official Video)


イタリアのシンガーソングライター・ドミニコ・モドーニョが飛ばした世界的大ヒットナンバー。
筆者故郷のオキナワの米国放送(普段は外国語の歌を聴かない国民)でも良くかかっていました。
全員が所持のギターの多くに様々なプラ製ピックガードが貼られていますが、フラメンコ奏法のためです。
その理由はコード・ストロークの際にパーカッシブにボディーを強烈に叩くので、表板の保護のためです。
やかましい程の音量のダ三声と威勢の良いギター軍団、それこそ曲名通りに青空高く飛び立ちそうですね。


ジプシー・キングス、「ホテル・カリフォルニア」

GIPSY KINGS - hotel california (EAGLES Cover) (HQ)


夏の夕刻以降の気だるい雰囲気を醸し出すオリジナルのイーグルス盤とは違い、とても情熱的な表現です。
香水やお酒の香りと紫煙とで包まれたフラメンコ・ダンサーの妖艶な表情と腰つきが脳裏で駆け巡ります。


ジプシー・キングス、「マイ・ウェイ」

My Way - A Mi Manera - Gipsy Kings


フランク・シナトラの渋い歌唱で世界のスタンダードとなった名曲、こちらのアレンジもまた馥郁たる良い香りです。
まるで「享楽に彩られた人生」のようで、「人生賛歌」となった彼らならではの傑作カバーだと個人的には思います。
「祭りの後や享楽の裏の哀しみ」、そんな冷めた感覚をも感じられ、抑圧されてきたジプシーならではの人生の味です。

「暑い夏こそ汗をかいて、熱い料理を食べて、彼らの熱きハートを聴いて、その情緒を満喫しましょう!」
「夏本番、ここに来たる!」


「梅雨明け」に相応しい、太陽の眩しい陽光に相応しい、活きの良い音楽たち。
ビールやテキーラがつい飲みたくなってきます。昔日に別れを告げた紫煙も懐かしく感じられてきます。
「コロナ感染禍」の昨今ではもう考えられない「夜の3密・酒場」も何だか妙に懐かしくなってきました。
きっと「夏」と言う季節と彼らのせいですね。

🍷(*^^)v


* * *

(もう既にワインが入っている)
By T講師
( ワインが入る前に何故に仕上げない?とはもう一人の筆者の心の声ですが・・・。何せ、筆者にも沖縄ラテンの血が・・・)

「付記」

沖縄と言えば、新型コロナ感染の急激な増加(全国一)で、医療崩壊も生じており、その前途が危惧されます。
以前、10年程前に流行った新型インフルエンザも全国一の感染者数で、2位の東京を圧倒的に陵駕していました。
第一波の自粛期間中の際も、学校の休校を全国に先んじて早期に解除したりしていて、将来を危惧していました。
ダイアモンド・プリンセス号の寄港地で、しかも大陸からも大量の観光客を受け入れての感染希少判断は論外です。
濃厚接触もお国柄でもあり、県民特有・自慢の「ナンクルナイサ―(何とかなるさ)精神」では乗り切れません。
もはや「県」単位のみに任せるだけではなく、「国(政府)」の積極的で強力な関与が緊急に望まれます。

高齢な筆者母をはじめ、他の家族・友人・知人・親戚・他県民らの健康を遠くより案ずる今日この頃です。
(-_-;)

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