月曜日・雨
夕刻時のアトリエ前と、その30分後帰宅後の満月。
本日の1日前とは言え、美しさは確かに格別でした。
* * *
と言うことで、今回の「名作美術館(その199)」は、
「ワイエスのフル・ムーン」です。
今日は雨さえ降らなければ、スーパー・ムーンの見られる日のはずでした。
私たちの地球を楕円軌道で周回する月が地球に最も接近する際の満月のことです。
その月は、最遠点より14%も大きく見え、又その際の明るさも30%も明るいとの事。
そんな満月は何と68年振りとの事で、次のエクストラ・スーパー・ムーンは18年後。
次回は無理そうなので、今夜のスーパー・ムーン、見てみたかったです。
実は昨日、その美しく輝く満月を撮影したのですが、両者共にピンボケ。
残念。
次回は無理そうなので、今夜のスーパー・ムーン、見てみたかったです。
実は昨日、その美しく輝く満月を撮影したのですが、両者共にピンボケ。
残念。
夕刻時のアトリエ前と、その30分後帰宅後の満月。
本日の1日前とは言え、美しさは確かに格別でした。
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「ワイエスのフル・ムーン」です。
" Full Moon "(1980), by Andrew Wyeth
20世紀アメリカン・リアリズムを代表する孤高の画家・アンドリュー・ワイエスの描いた満月の絵です。
寒々とした単色画に見えます。出典元に詳細なく不明ながら、この作品の季節は冬かも知れません。
湖面だと思われる水面に映る月の下、それを突き刺すように伸びた枝先には結氷らしき白い斑点が・・・。
また月の周囲の垂直に伸びた幾つかのシミと線は、おそらく水中の植物の細い幹のようにも見えます。
落葉後の枝にからまった枯葉は既に充分に干乾びていて、この作品の描かれた季節を物語っています。
存在しているのはただ枯枝と水面。その画面を成す褐色の水面もまた張りつめた緊張感に包まれています。
それはまるで生命の温かさや存続を、かたくなに拒否しているかのような自然の厳しさを感じてしまいます。
実体の無い満月は、そんな季節の湖面に映り、溺れ、凍える枝に助け出されているようにも見えてきます。
「物の哀れ」や「侘び寂び」を尊び、そこに究極の美をも見い出す我が国の昔人たちとの共通性も・・・。
画家アンドリュー・ワイエスの目と心に映る「月」とその周囲は、正に東洋の「心」と「美」に繋がっています。
湖面だと思われる水面に映る月の下、それを突き刺すように伸びた枝先には結氷らしき白い斑点が・・・。
また月の周囲の垂直に伸びた幾つかのシミと線は、おそらく水中の植物の細い幹のようにも見えます。
落葉後の枝にからまった枯葉は既に充分に干乾びていて、この作品の描かれた季節を物語っています。
存在しているのはただ枯枝と水面。その画面を成す褐色の水面もまた張りつめた緊張感に包まれています。
それはまるで生命の温かさや存続を、かたくなに拒否しているかのような自然の厳しさを感じてしまいます。
実体の無い満月は、そんな季節の湖面に映り、溺れ、凍える枝に助け出されているようにも見えてきます。
「物の哀れ」や「侘び寂び」を尊び、そこに究極の美をも見い出す我が国の昔人たちとの共通性も・・・。
画家アンドリュー・ワイエスの目と心に映る「月」とその周囲は、正に東洋の「心」と「美」に繋がっています。
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「ミュージック・ギャラリー(その240):秋冬・狭間歌(その2)+カバー曲・特集」
今日の当コーナー、満月にちなんだ曲を急遽 取り下げ、筆者の大好きな定番曲に変更しました。
以前、このコーナーで紹介したスタジオ・ライブ風の「Aretha]を歌った女性歌手2度目の登場です。
パキスタン出身の彼女、遅咲きながらイギリスを中心にその爽やかな歌声を届けてくれています。
今回は、当コーナーでも取り上げたあのアート・ガーファンクルの名唱でお馴染みの名楽曲です。
ルーマー、「トラベリン・ボーイ」(日本語・意訳付き)
Rumer, " Traveln' Boy "(Written by Paul Williams)
アート・ガーファンクルとはまた違ったサラッとした緩さと脱力感の歌唱と編曲が心地良いです。
と、ここで終了する予定でしたが、浮気性で欲張りな筆者、それぞれの個性的な世界も聞きたくなりました。
それならばと、オリジナル曲の作曲家、シンガー・ソングライター、ポール・ウィリアムスの元歌も紹介します。
筆者の大好きなアート・ガーファンクルのバージョンも2度目の登場ながらも、外すわけにはまいりません。
三者三様それぞれの魅力や世界があり、カバー曲ならではの解釈や、その歌唱と編曲の妙味が快感です。
「毒を食わらば皿まで」ではありませんが、
この名曲、3曲まとめて ご堪能ください。まずはオリジナルの元歌です。
Paul Williams, " Traveling Boy "(1972)
Art Gerfunkel, ”Traveling Boy " (1973)
それぞれが描く世界・雰囲気が楽しめます。
ルーマーを聞いているとワインが飲みたくなり、元唄のP・ウィリアムスではバーボンが飲みたくなります。
アート・ガーファンクルの名唱に至ってはもう何も要らなくて、ただただトランス状態に陥ってしまいます。
主役のシンガーのみならず、バック演奏の編曲者や演奏者の重要さも理解できて、感激してしまいます。
そのアート・ガーファンクル盤ではエンディングのドラムが素晴らしく、指ドラムでついユニゾンしてしまいます。
オルガンもギターも含めた全てのオーケストレーション、その雄大な飛翔感、正に圧巻・・・。
オリジナルにはそれなりの、カバーにはカバーの魅力溢れて、晩秋(?)の夜長、ご堪能いただければ幸いです。
By 講師T