アトリエ・マイルストンブログ

2018年11月19日月曜日

「橘」登場、そして去り・・・

月曜日・曇り のち 雨
アトリエ定休日

「アトリエお休み日のお知らせ」


今週木曜日11月23日の「勤労感謝の日」から、来週月曜日25日までの4日間をお休みとさせていただきます。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

* * *

ブログ(授業風景やその作品)アップ、未だ出来ていません。
ご容赦。
と言う訳で、恒例の

「出張ミュージック・ギャラリー(その338)」


「橘・登場、そして去り・・・」


まずはじめに、今回もまた「贔屓の引き倒し」となってしまいますが・・・
当コーナーでは異例の5回連続の登場で、今回を以って(自信ないですが、一応の)最後(かな?)といたします。
筆者の音楽人生の大きな割合を占める「ビートルズ」や「ツェッぺリン」を差し置いての当ブログの最多登場です。

今回はローズパレードに先立って、当地で行われたバンド・フェストでの京都橘の様子を紹介させていただきます。
場所はパサデナ・シティー・カレッジ、ローズパレード全出場校が2日間に渡って行なったフィールド・ショーです。
パレード本番前の別枠のショー・プログラム、京都橘校は人気投票で何とグランプリを獲得したとのことです。
以前に少々言及しました義足のフルート部員が、唐突に司会者から称賛されるハプニングも微笑ましいです。
最優秀賞表彰式の際には、贈呈する側の代表者の米人女性の方が感極まって涙を拭う場面もあって感動的です。
何はともあれ、
彼女らの健気で心温まる品性あるフィールド・ショー、演奏とダンスと笑顔にユーモアまでをも加えた名場面、
緊張感が初々しい「京都橘高校吹奏楽部の雄姿」、ロング・バージョンにて、ご覧ください。

京都橘高校・吹奏楽部によるフィールド・ショー、米国カリフォルニア州パサデナ市、2017年12月30日
Kyoto Tachibana High school Green Band " Field show " , By Music213
 at Robinson stadium Pasadena city college, California U.S.A. DEC,2017

00:07 - Introduction 03:07 - Drum Major takes stand 03:30 - Manteca 06:18 - It's a Small World 08:25 - Jurassic Park Theme Song 10:07 - Happy Birthday to Tournament President's wife, Amelia 11:54 - Jurassic Park Theme Song (continued) 12:41 - I'll be there, featuring saxophone soloist 14:01 - Star Wars Theme Song Opening 14:10 - Cantina Band 17:11 - Full Standing Ovation! 18:13 - Photo and Gift Presentation 19:10 - Pass In Review - Sing, Sing, Sing 21:59 - Pass In Review - Fireball 12:30 - Pass & Review

京都橘吹奏部による素晴らしいフィールド・ショー、これもまた筆者にとっては宝物動画の一つとなりました。
これがローズパレード本番(新年1月1日)2日前(30日)の彼女たちで、この前日にはディズニーランドで公演、
長時間の飛行機移動や時差ボケも微塵も感じさせず、慣れないフィールドでのフォーメーションを展開しています。
ディズニーランドや本番のローズパレードでも素晴らしい演奏を披露した天才木琴女子がこのセットでも大活躍で、
木琴のみならず、コンガやマルチ・タム等にもスイッチ、大迫力&ビート感溢れるリズムを轟かせてくれています。
( 小柄ながらも時に牽引車、時に脈動そのものの雄姿、他投稿者さんの動画が鮮鋭で音質も良く、確認できます。)
それにしても彼女たち、一体何曲の暗譜レパートリーと何パターンのフォーメーションを持っているのでしょうか。
また余談ながら、中間部の余興タイムでの恐竜さん(中は部員)の持つ赤い紙袋がダイソーなのも好感が持てました。
(後日注:恐竜は英語でダイナソー、紙袋のダイソーとかけたの(寒い親父ギャグ風ダジャレ)かもしれませんね。)

なお、この動画撮影・投稿者さんは前回の当ブログ紹介作品と同じ米国人のMusic213(兄さんと呼ぶのかな?)さんで、
この方は彼女たちのホームステイ先とのことで、前回動画の打楽器隊の手を振っている2人が世話になったとの事です。
これまた余談で、礼節深い大和撫子の彼女らのホームステイ受け入れ希望は人気があり、大歓迎されているとのこと。
これは彼女たちが優れた演奏家パフォーマーでありながら、同時に素晴らしい国際親善・外交使節団でもある証しです。
また超人的活躍の彼女たち、現地でコンサートも行い、その収益はチャリティーとして全額当地にて寄付したとの事です。


筆者、実はこの動画をお借りする前に他の動画の紹介も2~3検討していました。
それはローズパレード時の彼女たち以外の、米国の他のマーチングバンドの様子をも伝える動画などです。
そこには選出された米国を代表する数バンドの一糸乱れぬ極めて統制の取れた隊列の様子が映っていました。
バッキンガム宮殿の衛兵のような帽子で、前方を凝視する無表情の学生たちの鍛錬の成果が表れていました。
その整列と音楽は端正で見事で、まるで日々練習に明け暮れた軍楽隊のようないかめしい威厳がありました。
そんな中、彼女たち「オレンジの悪魔」が登場するや、現地米国の沿道の人々から大歓声が沸き上がりました。
国内視聴者のコメントにて、
緩めの隊列やピッチに苦言を言う輩あれど、笑顔やハイタッチ等で観客を歓喜させていたのは彼女たちだけでした。
総勢200名と言う人数で、見事なダンスを披露しながら演奏して9kmも行進することなんて驚異的な超人技ですよ。
「橘ファン、レベル低(ひく)」と言う御仁、どうぞマーチング・バンド・コンテストの減点審査員にでもなってくださいね。

さてそんな無感性・堅物・本末転倒・批評家野郎は捨て置いて、笑顔の眩しいそんな彼女たち、
従来のマーチング・バンドの枠を超え、何とエンターテインメント大国の米国にその楽しさを逆輸入していたのです。
以前放送されたTV番組「笑ってこらえて」のネット版情報によると、
ダンスをパレードに初めて取り入れたのも部員の発案からで、その振り付けや選曲も今も自ら行っているとのこと。
十八番「シング・シング」のダンス・ステップなど、楽器パートにより何と200箇所の習得ポイントもあるとのこと。
その他にも、日々のほとんどの厳しい練習は全て自らの意思で行っているとのことで、その様子は明るくも壮絶です。

そんな彼女たちの日々の努力や情熱が、米国の人々の天真爛漫な陽気さと化学反応を起こして見事に開花したのです。

Y(#^.^#)Y



当動画の最後、
スタンディング・オベーションの人々に見守られながら、オレンジの悪魔さんたちが会場を去ってゆきます。
その2日後に行われたローズパレードで、大群衆の大歓声に迎えられるのも知らず、全力を出し切って・・・
そして数々の動画が撮影され、ネット上に投稿され、それが大きな反響を生み、今もなお生み続けています。
( 国内の大手マスコミの報道だけなら、彼女たちのそんな偉業も知らずに過ごすところでした。ネット様様。)
(彼女たちの動画コメント欄には、ありとあらゆる賛辞の形容詞や感嘆詞が世界中から寄せられています。)
(Amazing,Miracle,Outstanding,Awesome,Incredible,Adorable,Lovely,Wonderful,Hat off.The best of best,Treasure,etc..)

今年のローズパレードでの彼女たちの歴史に残る(確信です)名演、 
筆者が思うに、それは「一期一会の成した(様々な要素が結合した)奇跡」だったのかもしれません。
しかも、彼女たちだけがあの一瞬にのみ成し得た「(大袈裟な表現ですが)偉大なる奇跡」だと感じています。
(当然その軌跡を起こすまでには、並大抵の努力では到達し得ない涙と汗の日々があってのことですが・・・)
まず総勢200名にも及ぶ大軍団の集合と行進など国内では不可能で、観客歓声とのコラボ的ノリも不可能です。
(残念ながら我が国の国民性では大きな歓声を人様の前では出せず、当然、演奏者側のノリも違ってきます。)
では5年後に彼女たちがもし出場参加の権利を得たとして、その再来・再現が可能かどうかは甚だ疑問です。

と言うのも(何故なら)、
現在の彼女たちの、その後の活動の様子の動画もYouTube上に投稿され始めていますが、それを見るに、
長年指導にあたっていた顧問の先生(ローズパレードで先頭左で大きく手を振っていた年配男性)が退官。
代わりの新任の顧問の先生による指導法が、音楽重視・隊列重視の従来型の指導に戻ったようなのです。
大活躍だったドラメ(指揮者)女子の出番も少なくなり、全体的に大人しくなってしまった印象があります。
「角を矯(た)めて牛を殺す」の諺のようになり、彼女らの最大の魅力・持ち味が損なわれる危惧を感じますが、
でも日本代表として選出されるには、国内でも最優秀な成績が必須なのかもしれず、そのための措置かもと。
最近「橘病」を患った一人として、彼女たちの持つ魅力が未来にも引き継がれ続けることを希望する次第です。
ご存知、高校生活はたったの3年間で、その間にあれだけのレベルを習得し、更に引き継ぐのは至難の業です。
指導法と目指す目標が変われば自ずと発せられる音楽もまた変わるもので、今までの革新的継承を望みます。
そうでなければ今年のローズパレードでの彼女たちの名演技の数々は、早晩にも「伝説」と化してしまいます。

当動画の最後の場面、会場を去っていく彼女たちの後姿にも、筆者は最大の賛辞を贈りたいと思います。感謝。
将来、彼女らの後輩がその本来の持ち味を保持、または更に進化させて、米国での新たなる登場があらんことを。
その際はまたOB(G)の彼女らの参加を希望しつつ、「京都橘高校・吹奏楽部」の一連特集を終えたいと思います。

( 100年以上の歴史を誇るローズパレードでの同校2回選出出場は異例中の異例とのこと。)
( もし3回目選出でもあれば、人生初追っかけでもして渡米したいと目論んでいる筆者です。)

(*^-^*)


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「後日追記:京都橘ローズパレード総集編追加のお知らせ」

2019年9月12日

京都橘高校マーチングバンドによるローズパレード2018の当ブログでの総集編を新たにアップしました。
ご興味のある方、よろしければ下記タイトル(↙)をクリックして、併せてお立ち寄りください。



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By T講師
    またまたの乱文、お目こぼしをば・・・
( 記述時、ワインなど入ってま~す。)

P.S.

( 大リーガー・二刀流・大谷翔平選手、祝・新人王獲得 )
( この事も彼女たち同様、とてつもなく凄いことです!)

* * *

「筆者追記:マーチング・バンドの思い出」

全5回に渡って京都橘高校吹奏楽部の素晴らしく楽しい演奏(演舞と言っても良いのか)を紹介してきました。
前後の行進した他校を喰ってしまう「オレンジの悪魔」と称される彼女らは、エンターテインメントの華です。

我が国には他にも様々なバンドが群雄割拠しており、総勢100名以上を誇る大軍団から、少数精鋭のバンドもいます。
そんな中「全日本マーチング・バンド大会」で何度も優勝し、日本代表として海外でも高く評価されるバンドがいます。
それは筆者の故郷沖縄の西原高校吹奏楽部で、小人数ながら超高校級の崇高なサウンドと高い芸術性を誇っています。
また彼らはオランダで毎年開催される「全世界マーチング・バンド大会」に於いても度々の最高賞を受賞しています。
当特集の京都橘の彼女たちと同様に、ローズパレードへも1996年に日本・アジア代表として選出・参加してもいます。

その高校を日本一に育て上げたのが筆者の恩師のO先生で、トランペットにてドイツ留学をした超厳しい先生でした。
小さな身体から表出されるトランペットはまるで天上界からのような響きで、眼光鋭く筆者らを指導していました。
部活は毎日授業前早朝7時に開始、給食後はロングトーン練習、放課後は8時までびっしり鍛えられたものです。
部活の休みは年2日で、大晦日31日と新年1日だけと言う厳しさで、筆者は2年を前に逃げ出してしまいました。
打楽器担当の筆者、左利きが禍いして行進の絵姿に不向きとの理由で、アルトサックスに回されてしまいました。
その理由は、頭髪が右分けや逆だったりが嫌で男子全員が坊主と言う規則同様で、統制が取れないとの事でした。
今ではスネアドラムを水平(当時は斜め)で、しかも両手順手(甲が上)も許されているようで羨ましい限りです。
アルトサックスには天才で名高いS先輩(著名なクラシック・ソリスト)がいて、筆者との差異に愕然としたものです。

マーチングでは全国的にも有名で、特に基地の島オキナワでは米軍の御用達バンドとして各催事に招待されました。
年間予算が野球部に次いでの部費とは言え各楽器は高価で、楽器購入の手段として米軍と利害が一致していました。
米国人だけが何千人ものフットボール・ナイターのハーフタイム・ショーで大光量・大声援を浴びた経験も数度あり、
今となっては楽しい思い出で、その時の経験(音楽はパワーと最大自己表現)が今でも活かされているような気がします。
脱線話で長々となってしまいましたが、
西原高校吹奏楽部に、高校時代の恩師の純粋培養的スピリットが未だに乗り移っているのは嬉しい限りです。
ご興味のある方は是非YouTubeでご覧になって下さい。京都橘の彼女らの笑顔こそありませんが、絶品です。



( その西原高校、昨年も日本代表にてオランダの世界大会で最高賞を受賞するも、大手マスコミは橘同様に無視です。)
( 全くどうなってるの?我が国のマスコミさんたちは?無能・無恥な彼ら曰く「報道する自由、しない自由」だそう!)
"(I do) Not agree ! Angry ! 口あんぐり!"です。

記:当真 英樹