アトリエ・マイルストンブログ

2020年5月11日月曜日

母の日、春別れの日

月曜日・晴・蒸し暑し
まるで本格的な「夏」到来のような1日でした。
相変わらず、充実した日々と快風(昨日まで)を楽しんでいます。

こちらもまた相変わらずの時差投稿、ご容赦。
夜、編集を試みるも昼間の各種肉体疲労にて瞬間寝落ちの日々。
まるで遊泳後の快風ような健康的な日々にて有り難い限りです。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その413):母の日、春別れの日」


昨日・日曜日は「母の日」でした。
今回はそれにちなんだ曲を2曲だけ。
しかも故郷・沖縄(出身)の女性シンガーにて。

沖縄出身で、現在は東京で活動するシンガーソングライターのカバー・ヴァージョンです。
春の薫風のような清楚な爽やかさが魅力です。

ユーリー、「アンマー(母)」かりゆし58 カバー

 Eurie 、" Anmar " ( Cover, Acoustic Ver.) 2015


歌にアコギ1本、シンプルそのもので良いですね。
歌詞の中の命名は、ひょっとして彼女と同じかも。
バッキングのアルペジオ・カッティングとストローク・プレイも好感が持てます。
使用のカポ、筆者と同じU.S.Aはシャブ製。完成度素晴らしく 絶対のお勧めです。

カバーには色々な動機とアプローチがあって、それがカバーならではの個性にも繋がります。
彼女の場合は詞の内容を歌うような個性ではないとは思いますが、これもまた有りかなって。
例えば演歌の楽曲をボサノバ・タッチで料理するのも可で、そんな試みも興味深いものです。
カバー曲好きな筆者、プロアマ問わずそのリスペクトや調理・味付けを日々楽しんでいます。
以前紹介のマルチ奏者ガンヒルドさんもロック名曲を往年のスィング・ジャズに編曲して妙味でした。
YouTube様様。
_(._.)_

(原曲の方、次回の5月15日の「沖縄祖国復帰特集」にて久々登場予定。リアル詞の世界はその際にでも。)



こちらも故郷・読谷村の出身の二人組。その才能がマイナー&ローカルな存在を突き破って開花しました。
東京の大手芸能事務所がマスメディア相手に裏で仕掛ける企画ものとは無縁な自然発生的なヒットでした。
YouTube上にオリジナル音源なく、思わず絶句する場面あるライブ動画を今回は選ばせていただきました。
素朴さ溢れる彼女ららしく、かえって筆者のお気に入りとなりました。
今では両者共に、故郷で3名の子供たちを持つアンマーとなりました。

Kiroro【キロロ)、「未来へ」(ライブ)

キロロの二人、ビギン同様に彼女たちもまた沖縄の「宝者」です。


今年の「母の日」、残念にも世界的なウイルス感染性肺炎禍で、直接会えなかった人々も多かったとの事。
その代わりのSNS双方向動画や、旧来のせめてもの声だけの便りでも届けてあげられたことと思います。
筆者の母は故郷の那覇で健在(90歳)ですが、アルツハイマー病進み、残念にも筆者の顔も分かりません。
でもいつも笑顔で日々ご機嫌だと言うことが、せめてもの救いです。
今年秋の帰郷予定は断念。再会するには共に生き延びるしかありません。
何波をも繰り返す長期戦の様相を呈してきたこの度の感染禍、果たして。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その414)」

「第2部:春別れ、夏始まり予感」


当コーナー、第2部として上の「母の日」の爽やかさとは別テーマを取り上げ、暑さへとシフトしました。

ここ関東は各所で「夏日」「真夏日」が記録されました。
と言うことは「春別れの日」、即ち「夏始まりの日」です。

故郷・沖縄は本日(5/11)「梅雨入り」したとのこと。
その後は本格的な「夏」の到来。ここ関東もあとひと月ほどで追って「梅雨入り」。
本日の湿り気を帯びた蒸し暑い風を嗅いで、筆者の脳裏に例によって懐かしの曲が流れ出てきました。
第2部はその中から1グループの2曲を。
前回特集に続く、懐かしのロック音楽です。

ジ・オールマン・ブラザース・バンド、「ジェシカ(インストルメンタル)」

Jessica - The Allman Brothers Band, (1973)


ディッキー・ベッツとレス・デュ―デックのコンビによるツインリード・ギターが爽快です。
稀代の名ギタリスト、デュアン・オールマン亡き後はカントリー・ロック色が濃厚ですが、
その後も男臭い骨太なアメリカン・サザン・ロックの旗手としての貫禄を保ち続けました。
「ブルース」が夜の雰囲気を漂わせているなら、「カントリー」はその逆の昼間の感じです。
筆者個人的にはデュアン在籍時の夏の夜を思わせるスライド・プレイに魅せられていました。
ブルースに立脚するも中空を舞うような奏法から「スカイ・ドッグ」の異名も冠されていました。



早速の「脱線昔話(その1)」

2曲共に当時のオキナワン・ロックのロッカーたちからも、ZZトップ等と共に愛されていました。
「紫」や「キャナビス」らが好んで取り上げ、特にジョイント・コンサートの際は圧巻でした。
万座ビーチ等の野外コンサートでの演奏は圧巻で、復帰前後の沖縄の風景に良く似合っていました。
青空・白銀雲にて始まったコンサート、出演バンド全演奏後の最後にオールスターよろしく勢揃い。
「スーパー・セッション」状態でバンド全員ステージ狭しと入り乱れ、その力量を競ったものです。
ツインを越してトリプル・リード・ギターや、ツイン・ボーカル、ダブルのドラム&キーボード。
そこにサンタナ・メドレーも加わり、ティンバレスやコンガにボンゴと、まるで音の洪水でした。
メインを盛り立てる者たちは、タンバリン・マラカス・カウベル・ギロと大リズム隊と化しました。

米兵やその家族や恋人、地元の若者ら皆立ち上がって踊り、汗とビールとマリワナの香りに包まれて、
青空の下で始まった南国の喧噪は夜空の満天の星々に見守られつつ、フィナーレを迎えたものです。
2曲目、その夜の雰囲気です。
ツイン・リードのハーモニーとハモンド・オルガンの調べが風吹く夜空へと吸い込まれていきました。

ジ・オールマン・ブラザース・バンド、「エリザベス・リードの追憶」(インストルメンタル)

The Allman Brothers Band : In Memory Of Elizabeth Reed (1970)


動画のスチール写真の左端が今は亡き、在りし日のデュアン・オールマン。バイク事故で他界。享年弱冠24歳。合掌。

「脱線昔話(その2)」

夜フィーリングの「ブルース」と、昼フィーリングの「カントリー」の両者を併せ持つ男臭いバンド、カッコ良いですよね。
筆者も初来日の90年代以降に2度ライブを経験しましたが、東京の小奇麗なコンサート会場ではやはり違和感がありました。
そんな感想をコンサート帰宅時の小田急線・電車内で友人と話していると、見知らぬ同乗者が筆者らに話しかけてきました。
「そう思うでしょう。だから僕なんかちゃんと準備しているんですよ。」とニッコリ笑って胸の内ポケットに手を入れました。
彼がコール天ジャケットのポッケから取り出したのは何とウィスキーの小瓶で、「アーリータイムズ」と言うバーボンでした。
「ビール瓶だとかさばるし、それにトイレも近くなるから。彼らの時にはいつもこれで楽しんでいるんですよ。」とニッコリ。
「何とその手があったか!」筆者らも行儀の良過ぎるコンサートの時には是非そうするよと彼のアイデアに大いに同調しました。
やはりオールマンの雰囲気には米国南部のウィスキーや、ビッグバイクのハーレー等のエンジン音や質感などが似合いそうです。
筆者、その後そうはしなかったものの、その扁平なミニ・ボトルの雰囲気が一目で気に入り、後日酒屋を探して購入しました。
中身を飲んだ後は(バーボンは癖があって最近は飲めません(-_-;))、その琥珀色も楽しむため、時々安酒を入れて楽しみました。
最近、またそのボトル(中身じゃないよ)の可愛さが懐かしくなり、部屋の飾りにまた購入したいかな、と思う今日この頃です。
「人はパンのみに生きるに非ず」とは昔日賢者のありがたい御言葉。
音楽も、お酒も、その容器(小瓶)も。
ミーハー筆者の余談脱線昔話でした。
お粗末様(_(._.)_)

* * * * *

「夏始まり」は黒潮由来の太平洋高気圧の日々、故郷近づく季節の始まり。
( 但し、本土の夏は故郷よりも海風がない分、余計に暑い気がします。)
大陸由来の爽快な薫風とは惜しみつつも別れを決断しなければなりません。
でも黒潮の湿気はまた沖縄三線の音色を蘇らせる季節の始まりでもあります。
低い湿度で乾き縮んだ表皮が柔らかさを取り戻し、響きに余韻が膨らみます。
逆に他のアコースティック楽器にとっては、受難の始まりの季節の到来です。
弦楽器は弦を程々に緩め(1度半前後)、直射日光や高温多湿を避けましょう。

ウイルス感染に気をつけつつも、四季に恵まれたこの国の風土を大いに楽しみましょう。


来たる5月15日は、何と「沖縄祖国復帰」48回目!(歳取る訳だ!)の記念日です。
これまでにも毎年特集を組ませていただいていますが、今年も同様に予定しています。
が、果たしてどうなることやら・・・(投稿時差・遅延は既に確定済み(#^^#)です)。

By T講師