アトリエ・マイルストンブログ

2019年11月25日月曜日

晩秋冷雨のウォ―ム・ジャズ

月曜日・曇り
アトリエお休み日

七沢森林公園より望む紅葉・霧雨の (頂上部が見えない) 大山・丹沢山系

* * *

今回のミュージック・ギャラリー、初で異例ですが、過去の当ブログからの「丸パクリ」です。
そう言うと語弊があり、世間的にもイメージが悪いので、ここは言い直して「丸コピペ」です。
「どっちにしろ一緒か!?)。

2~3日程前、ブログの視聴データをチェックした際、過去に上げた当コーナーが見られていたので筆者もそのページを開けてみました。
すると、それは5年前程前にベン・シャ―ンを取り上げた「名作美術館」と、ジャズを取り上げた「ミュージック・ギャラリー」でした。
絵柄や音楽がそうさせたのか、その日(ページ)はクドクドと記してはいないシンプルさで、我ながら気に入りました(自画自賛失礼)。

と言う訳で、下は過去の当ブログ・ページの「丸コピペ」です。
但し、それではあまりにも芸がないので、少しばかり新たな曲も少々加えてみました。
よろしければ「過去版+少々アルファ―」、お付き合いください。
筆者注:丸コピペ部分の背景を、薄灰色にしてあります。
「いざ!」

* * *


「名作美術館(その115)」 兼「デイリー・ギャラリー(その22)」


「ベン・シャーンの音楽絵 :クラリネットとトロンボーン(筆者による呼称)」

Ben Shahn (1898-1969)

今日は、当コーナーでも度々登場するベン・シャーンの作品を取り上げました。
画家の絵は、筆者が物心ついた幼年時代からの お馴染みの絵面(えづら)です。
言わば、元祖ヘタウマ絵の大家・創始者と言っても決して過言ではありません。
画家は、社会悪や矛盾には厳しい目を向け、また一方貧しい人々や弱者には温かな眼差しを持ち続けました。
ジャズのLPレコード等も多数手がけ、その暖かく浸み出でるダウンホームな味わいは他者の追随を許しません。
画面中央部を支配するセピア色の絵具のウォッシュが、スモーキー&ジャジーな雰囲気を醸し出して秀逸です。
秋の気配が濃くなりつつある今日この頃、鼻歌でスタンダード・ジャズの小唄でも口ずさみたくなりますね。

( 筆者注:今回はもう既に「晩秋」です。)

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その114)」


と言うわけで、上記のジャズ(とりわけ、クラリネットとトロンボーン)繋がりです。

ベニー・グッドマン 「イフ・アイ・ハド・ユー」
Benny Goodman (1903-1986) Sextet  " If I Had You " (1941)

クラリネット奏者のベニー・グッドマンもベン・シャーンと 同時代を生きた「スイングの巨星」です。
また画家と同じユダヤ人で、黒人音楽家達を積極的に起用して、その地位向上にも努めました。
画家同様のハートウォームな音色とメロディーは国境を越え、世界中の人々から愛されました。

筆者も幼年時代(5~8才)、「親子ラジオ」と言う有線の米軍放送で良く耳にしたものです。
白熱電球の仄暗い灯りと真空管ラジオのマイルドな音色が、筆者の脳裏に蘇ってきます。

youtubeからお借りした画像は、アメリカの1939~1944年頃の情景だとの事です。
何故か懐かしさを感じさせるアメリカの様々なシーン、音楽と併せて鑑賞下さい。

ちなみに、
当ブログでもお馴染みの京都橘高校マーチングバンドの18番「シング・シング・シング」も彼らの持ち曲です。
メンバーのスター白人ドラマー、故ジーン・クルーパの迫力あるドラミングがカッコ良く快感・興奮モノでした。

以上(↑)、当ブログ(2014年9月29日分)からの「丸コピペ」でした。
お粗末様
<(_ _)>

* * *


ここから(↓)以下は、今回のための少々の追加版です。


「ミュージック・ギャラリー(その388):晩秋冷雨のウォ―ム・ジャズ」


「ジャズは難しい・・・(い?)」

普段ジャズに慣れ親しんでいない方々は口々にそう言うことが多いものです。
「それは何故か?」確かに難解なフリー・ジャズなどのジャンルもあります。
でも美術だって同じようなもので、現代美術など「分からなくて当然」のような存在です。
でもだからと言って、美術やジャズの全てを否定し、見ないし聴かないのは勿体ない話です。

筆者20代前半、ある書物で読んだ記憶がありますが、我が国の多くの人々は「器楽曲」を聞かない、もしくは「聞けない」のだそうです。
「それは何故か?」筆者の曖昧な記憶のその学説によると、
そう言う人々は言葉のない音楽には恋愛等の文学的物語性が見いだせず、従って楽曲に対しての感情移入がしづらいのだとのことでした。
同じような現象で、日本語ではない外国語で歌われる音楽もまた同様にそれらの人々にとっては感情移入のしづらいものとのことでした。
その理由は、音楽の情報を「右脳」で聞くか、もしくは「左脳」で聞くかの違いによって、その差異が生じるのだと結論づけていました。
筆者若かりし頃の遠い過去に読んだ書物ゆえに、短絡的で不明確な推測感も否めませんが、総じてそのようなことが記されていました。
確かに筆者自身のこれまでの様々な経験上から照らしても、そのような結論(推察)はあながち間違ってはいないような気もしています。

前置き、またまた長くなりましたが、敢えて強引な結論を記します。
「楽器」はもう一つの「のど、声(歌)」であり、歌は身体そのものを使った「楽器」だと言うことです。

筆者にとって「楽器の音」は言葉と同様でした。それはごく幼少の頃からそうでした。
楽器の音が言葉同様に「喜怒哀楽」を表していることに不思議さは感じませんでした。
ドラムやシンバルの音やリズムで軽快な気持ちになり、トランペット等のラッパで気分が更に高揚したものです。
幼稚園の頃に聴いたグレン・ミラーの「アメリカン・パトロール」は、今も筆者に爽快感を与えてくれています。

ところが故郷のある友人の言では「楽器の音」は単なる「歌(言葉)」のバック以外の何物でもないのだそうです。
それぞれの楽器は聴き分けられず、その全てが「歌」の背後のお囃子・効果音みたいな一つの「塊り」だそうです。
楽器には全く関心を示さない彼、でもその歌唱は羨ましい程の技量・表現力で、彼自身の身体が楽器そのものでした。
話がまたまた脱線しました。
器楽曲、聴かない人・聴ける人、いずれにせよ、スィングの軽快なノリで奏でられた小粋な小唄集、まずはトライを。

今回の当コーナーは「歌心」溢れる器楽曲(インストルメンタル)、しかも往年の心温まるジャズ楽曲群、加えてみました。
古き良き米国のバラードのヒット曲が洒落たスタンダード・ジャズとなって、晩秋の時空に溶け込んでいくことでしょう。
珠玉のスタンダード名曲集、お気軽BGMとして そのぬる湯のようなゆったり後乗りビート、リラックスしてお楽しみ下さい。
( 筆者後記:後乗りビート、そもそもブルースやジャズ等の黒人奏者らの持ち味で、後に白人の奏者にも伝播したものです。)

ハリー・スウィート・エジソン、「パテンテッド・バイ・エジソン(LP)」

Harry "Sweets" Edison ‎–"Patented By Edison "(Full Album,1960)


PERSONEL

Trumpet – Harry "Sweets" Edison
Tenor Saxophone – Jimmy Forrest
Piano – Tommy Flanagan
Bass – Charlie Potter Drums – Elvin Jones A1 Witchcraft 0:00 A2 Blue Skies 2:43 A3 Confessin' That I Love You 4:39 A4 Ain't Misbehavin' 7:14 A5 Candied Sweets 9:53 A6 They Can't Take That Away From Me 12:28 B1 Tea For Two 15:16 B2 There Is No Greater Love 17:30 B3 Twenty - Forty 20:31 B4 It's Easy To Remember (So Hard To Forget) 22:29 B5 Sweetcakes 26:13 B6 Angel Eyes 29:22

客演のトミー・フラナガン(P)等の抑制の効いたバッキング振りも素晴らしく、正に名演・名盤でしょう。
連日の冷雨続きの晩秋、こんなハート・ウォ―ムなサウンドに、身と心をどっぷりと委ねてみましょう。
きっと香ばしいコーヒーの香りや、昭和風理髪店の髭剃りシャボンやお風呂の匂いが漂ってくるでしょう。

*

「脱線昔話:LPレコードも借りパクで・・・」

余談ながら、この筆者の大のお気に入りのアルバム、実は古い友人からの「借りパク」です。
美校時代の同級生で、共にジャズブルース・バンドを組んでいた「ムットーニ」君の物です。
その当時、筆者のアパートに数日 泊まってはジャズを聴き、トランペットやサックス 更にウッド・ベース等を演奏、遊んでいました。
筆者らを熱狂させたウッド・ベース、国分寺の「まるで美術店」と言う古道具屋さんで見つけ、たった5千円で割り勘で購入しました。
いつか返そう返そうと思いつつ、早40年程が経ってしまいました。今でも筆者のアトリエで多種な楽器たちを共鳴させ震わせています。
今では一端の人形作家として確固たる名声を得た彼に、今年も新年の挨拶で長期間に渡る「借りパク」の許しを得ることにしましょう。
<(_ _)>

懐かしさついでに若かりし頃(1976年)の写真を(「T講師コーナー(2017年)」より)。

20代半ばの「ムットーニ」君(Tp)と筆者(Ds)

互いの音をぶつけ合う筆者(Sax)と「ムットーニ」君(Tp)、1+1=2α

「ムットーニ」君、マイルスやブッカ―・リトルを彷彿とさせるリリカル・アドリブが得意でした。
遥か大昔、セピア色の雄姿! (筆者パーマ頭、今や あわや!?)です。



「追加版」

ほんとに良い時代です。ネット様様、YouTube様様です。
歌心豊かな、在りし日の故ハリー・スウィーツ・エディスンの日本でのライブ映像がありました。
よろしければ、こちらも見てお聴きください。
トランペットのバルブとピストンとマウスピースとの間に、更に何らかのメカ(仕掛け)があるように感じられます。
でもそんなものは無論あるはずもなく、彼の唇と指と楽器とが混然一体となって、彼の心の歌を奏でているのです。

ハリー・スウィート・エジソン&フランク・ウェス・オーケストラ、ライブ・イン・ジャパン

Harry 'Sweets' Edison & Frank Wess Orchestra. Live in Japan “I Wish I Knew”,(1989)


日本公演での動画なのに、何故だか冒頭にはニューヨークの夜景で始まっています。
曲最後に賛辞として、世話になった「カウント・ベイシー」って呟いているようです。
虚飾を排したミュージシャンシップが感動的です。
正に「大人のジャズ、ここに在り」って感じです。
今夜もまたお酒が一段と美味しく楽しめそうです。

V(#^.^#)🍷


以上

当ブログ恒例の、筆者P.C内での編集中原稿の紛失・蒸発トラブル回避のため、取りあえず現時点にてアップします。
後日、追加あるかもしれません。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
_(._.)_

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「ローマ法王、来日」

「言うは易く、為すは難し、核の傘の日々」
「組紐 解く術・手立てなく、全ては対岸に」


By T講師