アトリエ・マイルストンブログ

2012年1月4日水曜日

仕事始め

1月4日、「仕事始め」ですが、アトリエはお休みでした。
講師Tは、1階 版画クラフト室の撤去した大型摺り機下フロアーの清掃&塗装を行いました。


代わりのプログラムで、名作美術館のその3を、お届けします。
今日は、「近代絵画の父」と評されるセザンヌの初期の作品、静物画を2点紹介します。

「パンと卵のある静物」 1865年 米国、シンシナティー美術館蔵


「白と黒の静物」 1867~9年 パリ、オルセー美術館蔵

両作品共に暗い色調を背景に机上のモチーフが明快な光の中で浮かび上がっている、と言う構成です。
当時の画家としては描写力に難のあるセザンヌでしたが、だからこそ新しい道を切り開くことができました。

後年「自然を円筒、球、円錐に見立てる」と言う信念を基に、色彩を細かく分割し次第に抽象化への道を辿ります。
両作品は、セザンヌのその後の言葉を予言するかのような単純明快な構成・力強さが既に画面に現れています。
「絵は目前の物体を見ることから始める」ことの重要性を提示しているかのような、普遍的な魅力に満ちています。
(画面クリックすると拡大画像が得られます)
 By 講師T