「名作美術館(その178):明治の洋画-11、浅井 忠(ちゅう)の農村絵画」
特集11回目の今回は、御覧の通りの素朴そのものの画風が郷愁を誘う絵画です。
近代日本の原風景とでも言える農村風景は、フランスのミレーなどのバルビゾン派の絵画を彷彿とさせます。
「農夫帰路」
「収穫」1890年、重要文化財
「春畝」、重要文化財
「武蔵野」 「グレー風景」
画家は江戸の佐倉藩中屋敷の藩士の子として江戸末期に生まれ、伝統的な南画絵師から花鳥画を学び、
後に西洋画も学び、イタリア人フォンタネージにも師事。東京美術学校・教授にもなり、フランスにも留学。
その頃に自然主義的な画風のバルビゾン派のミレーやコローなどの影響を受けたものと思われます。
末尾の「グレー(村)風景は留学時に描かれた作品と思われ、素朴な情緒に満ちた美しい風景画です。
我が国の農村の風土を謳い上げた作品は多くの洋画家達にも大きな影響を与え、油絵の定着にも寄与。
「こう言うものが油絵なんだ」と思わせる作風とそう感じる人々が国内に増加したと、筆者は考えています。
* * *
「ミュージック・ギャラリー(その211):梅雨時歌」
今回のこのコーナー、上の特集とは全然関係なく、今日夕刻の雷雨に触発されて選び始めました。
文字通り今日に最適な曲「ストーミー・マンデイ」等、嵐や雷雨にちなんだ曲 数あれど、動画気に入らず等で、
検索している内に、以前youtube上で出合ったチョー地味な動き無しの動画に再会しました。
歌手の名も無く、説明も無く、曲目だけの動画、CDのジャケ写真らしい文字を読み取れば、
それは日本人女性の名前で、しかも沖縄在住の(ほとんど無名に近い)歌手の名唱でした。
今日のような激しい雷雨にはそぐわないかも知れませんが、梅雨時にはピッタリな気だるさが快感です。
「ストーミー・ウェザー」、首里フジコ
"Stormy Weather", Fujiko Shuri
ビリー・ホリデイを彷彿とさせる厭世的・倦怠感 漂う表現が素晴らしいですね。
動画視聴のコメントでも、英語圏の人たちもどうやら惚れ惚れしているようです。
また動画同様に地味ながらも、バックのギターやスティール・ドラム等の演奏もいぶし銀のような名演です。
アルバム、折角 出したのだから、もっとアピールすれば良いようなものを・・・。
と、いぶかりつつ、商売がヘタな同郷人ゆえ、何故か納得もしていたりして。
アルコールを呼ぶような歌声、おかげで梅雨時がもうひとつ楽しくなりました。
* 「追記」 *
7月4日、アメリカは独立記念日。
筆者の幼年期、小学生の頃を思い出してしまいます。
筆者の幼年期、小学生の頃を思い出してしまいます。
故郷の南島ではこの日だけは基地が一般解放され、基地間のシャトル・バスも行き交い、カーニバル気分でした。
軍事マニアだった筆者は、戦車や軍艦の雄姿や、軍楽隊のマーチにも胸躍らせ、もちろんハンバーガーにも・・・。
数十年経た今ですら、そのお祭りの基地内の強烈な印象が、筆者の五感の奥底に深く焼き付けられています。
手入れの完璧な鮮緑色の芝生がどこまでも大海原と丘陵とを創り出し、大きな建物の中ではクーラーが効き・・・。
まだ家庭でもバスでもタクシーでも一般的ではなかったクーラーが、何と戦車の中を冷蔵庫のように冷やし・・・。
勇壮なマーチ「星条旗よ、永遠なれ」では、その作曲家の名を冠したスーザフォンが鼓膜の裏でうなり渡り・・・。
「自由」と「民主主義」を守る「世界の警察官」たる大国が、その威厳と輝きをそこかしこに振りまいていました。
(但し、ダブル・スタンダードでしたが・・・。)
あれから数十年、世界は目まぐるしく変貌し・・・。
数十年経た今ですら、そのお祭りの基地内の強烈な印象が、筆者の五感の奥底に深く焼き付けられています。
手入れの完璧な鮮緑色の芝生がどこまでも大海原と丘陵とを創り出し、大きな建物の中ではクーラーが効き・・・。
まだ家庭でもバスでもタクシーでも一般的ではなかったクーラーが、何と戦車の中を冷蔵庫のように冷やし・・・。
勇壮なマーチ「星条旗よ、永遠なれ」では、その作曲家の名を冠したスーザフォンが鼓膜の裏でうなり渡り・・・。
「自由」と「民主主義」を守る「世界の警察官」たる大国が、その威厳と輝きをそこかしこに振りまいていました。
(但し、ダブル・スタンダードでしたが・・・。)
あれから数十年、世界は目まぐるしく変貌し・・・。
今、イギリスがEUからの離脱を選び・・・。
民族主義が各地で再び、台頭。
民族主義が各地で再び、台頭。
世界中が混迷を深めています。
歴史の逆行・退行が心配です。
By 講師T