水曜日・晴れ・季節外れの蒸し暑さでした。
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遅れ気味の黄葉が進む沿道のケヤキ並木(森の里・若宮公園前) |
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「T講師のアート・ワーク(その6)(新作;その5):久々模写、祝完成」
このコーナーで度々紹介しました「国宝・源頼朝像」が、本日めでたく完成しました。
筆者にとっては実にン十年振りで、初の日本画模写が取りあえず仕上がりました。
人絹貼りを施した画面、絵具が予想以上に吸収され、濃度を出すのにかなりの時間を要しました。
しかし、その筆当たりや絵具との相性は吸収されながらも心地良く、今後 病みつきになりそうです。
客観性に乏しいながらも自己判断をすれば、大体70点程の及第点と言ったところです。
初体験ながらデータ採りにはそれなりの収穫があり、今後に結び付けたく思っています。
上下に表装仕立てを施した完成画像。
左;表装除外の画面。 右:顔面の拡大画像。
中央部分図:脇差(刀)や鳳凰が刺繍された帯、あぐら(胡坐)をかいた両足など。
「頼朝像」顔面は、原画のような凛とした高貴さには至らず、少々緊張感を欠いた庶民的な風貌に。
また原画より製作寸法が縮小してあるため、頭髪や髭など、繊細な筆致の再現には至っていません。
「弘法筆を選ばず」とは言うものの、やはり極細・極上の面相筆と、拡大鏡の必要性を痛感しました。
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下2点の画像は筆者が付け足した表装仕立ての布2種で、上下に違う柄模様を追加・描写しました。
前回も記しましたが、完成後に額装する既成の金縁マットの縦横の寸法に合わすために施しました。
上の模様はネット上から検索・拝借。下は原作の実際の表装で、柄を縮小してアレンジも加えました。
表装の柄模様が朱子織りのような雰囲気だったので、筆者もそのような風合いに仕立ててみました。
うまい具合にマッチしているかは微妙なところで、特に上の模様の花や葉や茎の色合い、暫定的です。
数日 時間を置いてあらためて見直し、最終仕上げをして落款(!)・額装を施す予定です。
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何はともあれ、ン10年振りに製作を開始・完成したことが、筆者にとってまずは最大のエポックです。
筆者の人生の色々な経験や出来事が蓄積、ろ過され、今新たに絵画と向き合えることが出来ました。
おかげで随分長きに渡って忘れていた描画の快感や喜びが、遅ればせながらも筆者に蘇ってきました。
感謝の至りです。
「先生は絵は描かないの?」
アトリエ・キッズや学童、更にその父母からの問いかけに、これから当コーナーで応えていくつもりです。
新作「模写」も「オリジナル」も、また過去の旧作も、一緒くたに・・・。
By 講師T