アトリエ・マイルストンブログ

2012年2月28日火曜日

名作美術館ー12

 火曜日、アトリエはお休みです。
恒例の名作美術館その12をお届けします。

今日はボナールの作品を2点 ご紹介します。
M & T講師 共に大好きな画家の一人です。
(画面内クリックすると、拡大画像が得られます。)

ボナール(Pierre Bonnard)は、印象派以降にセザンヌや日本美術の影響を受けたフランス人画家です。
アンティミスト(親密派)と呼ばれ、友人のヴィヤールらと共に日常のありふれた題材を好んで描きました。

作品名など 不詳(ネット上の出典先に既述なし)

「たかが静物、されど静物」とでも言いたくなるような、単純かつ新鮮・深淵な存在感に満ちています。
細部などの説明的な写実性はありませんが、その光や影・空間は不思議なリアリティーがあります。
シンプルな色彩の対比、小刻みに加えられた筆致、その絵の具の厚み、見飽きることがありません。



「田園の食堂」 1912年
(食堂と言っても、営業している食堂ではありません。画家のダイニングです。)

「静物画」?それとも「室内画」?否、屋外も描かれているし「風景画」?、否、窓辺には人物も・・・
などど呼称のジャンル分けなど無意味なことはやめて、画面のその全てをじっくりと味わいましょう。

ジャポナール(日本かぶれ、今で言うオタク)などと揶揄されただけあって、斬新な構図と色彩です。
青いテーブルクロス、食物、瓶花、屋外の庭の花や木や丘、窓辺の椅子や猫や赤い服の女性・・・
親密派と呼ばれていただけあって、その画面の隅々まで好ましい光と存在に満ち溢れています。

春を前に寒さにうち震える日には、こんな絵を見て(描いて)縮こまった心を暖めたいものです。
(明日は積雪の予報も出ています。くれぐれも ご注意を・・・)

By 講師T