アトリエ・マイルストンブログ

2013年2月20日水曜日

デイリー・ギャラリー:5

水曜日・快晴
冠雪姿がとても美しい今朝の大山(上古沢、アトリエ近所よりの眺望)
昨日の雪の影響もなく、晴れ渡った1日となりました。

今日もまたアトリエはお休みでした。
そこで連日の「デイリー・ギャラリー(その5)」をお届けします。

今日は、昨日のポット特集で割愛した陶磁器製の「ティー・ポット」です。

これらの紅茶用のティーポット、その多くが背の低いズングリと丸みを帯びた形状が特徴です。
紅茶文化に関して浅学な筆者でも、それが熱湯の対流を利用した茶葉の蒸らし促進のためだと言うことは承知しています。

今回、ネット上から画像を数多く検索したのですが、そんな理由もあって、そのほとんどが似たり寄ったり(失礼)状態でした。
それらを「可愛い~!」と言ってしまってはそれまでなので、この際、勝手ながら個人的な趣向で選ばせていただきました。
但し、デイリー(日常生活)の名称にふさわしいと思われるポットだけにその対象を絞って、今回は取り上げてみました。
ビクトリア時代の銀器やオールド・ノリタケ、ウェッジウッド等の名だたる名品もありましたが、今回はパスしてあります。

ティー・ポットの愛らしい形状、どうぞご鑑賞下さい。
( 画面内クリックすると拡大画像が得られます。)



特別出演: こちらは共にアルミニウム製です。

 *

左:様々な形状のポット(イラスト)        右:ティーポットのカレンダー

ずんぐりティー・ポット達、いかがでしたでしょうか?
春直前の最も寒いこの時節、温かな室内でアフターヌーン・ティー・タイムを楽しみましょう。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その35)」

前日のコーヒーに続いての今日の曲はもちろんティー繋がりです。
1925年のミュージカル以来の超名曲、今回は器楽曲(インストルメンタル・ナンバー)を選びました。
美しい動画映像と併せてご鑑賞下さい。

二人でお茶を / マントバーニー楽団 (イギリス)
Tea For Two /  Mantovani Orchestra (England)

「 紅茶(レモン・ティー)の思い出 」
( お暇な方・興味ある方に、読んでいただければ幸いです。)

筆者・中1の時、友人の発案でリプトンのティーバッグに砂糖とレモンを入れて、市内のビーチで売ることにしました。
海岸近くの友人宅で大量の紅茶を作り、氷入りビニール袋を浮かべた大きなジャーを二人でビーチへと運びました。
「冷たい冷た~いアイス・レモン・ティー、あるよう~!1杯たったの5セントだよー!」友人が大きな声で叫びました。

自販機のない時代です。海水浴に来ていた小・中学生達がその声に集まり出し、何とそれは売れ始めました。
筆者は湧き出る笑いを堪えながらビニール袋の氷の小片を紙コップに移し、販売係の友へ次々と手渡しました。
「あんた達、何やっている?子供のくせに、こんな所で商売したらいかんよ~。」色黒・大目玉の男が現れました。
「それに中に手え突っ込んでるねえ~!不衛生さあ~!トー、保健所に通報しようねえ~?」男が睨みつけます。

「やめる、やめる!もう帰る!」僕らは販売を即刻中止して帰宅するフリを装い、その場所を急いで離れました。
「仕方ない。ボートハウスの前で売ろう。」友の判断で、僕らはいまだ重いジャーを持って砂浜を移動しました。
砂浜からボートハウスへと向かう近道の岩だらけの磯場へやって来た時です。二人に悲劇が起こりました。
傍らの友が尖った岩にゴムゾーリを取られ、アッと言う間に転んでしまいました。筆者も当然連動しています。
二人の持ち手を失ったジャーが鈍い音を立てて、岩場へと転がり落ちました。
レモン・ティーの透明なオレンジ色が岩の狭間で流れを作り、やがて泡立つ海水へ混ざり合っていきました。

幸先良く売れたレモン・ティー、結局は紙コップで合計8杯、金額にしてたったの40セント(約120円)でした。
胴体がへこんで傷だらけになった軽くなったジャーを抱えて、僕たちは小中学生で賑わう海岸を後にしました。
(もちろん保冷ジャーをポンコツにした友が、後日家族にバレて大目玉を食らったのは言うまでもありません。)

教訓「好事魔多し」。昔の半世紀前近く前の、今となっては良き思い出です。

By 講師T