アトリエ・マイルストンブログ

2014年10月13日月曜日

酒井抱一の「秋草鶉図」

月曜日・台風余波の雨
体育の日、アトリエ定休日

「名作美術館(その92)」

今回も酒井抱一の作品で、やはり秋の絵です。

酒井抱一(ほういつ)、「秋草鶉(うずら)図」、紙本金地着色・二曲一双屏風、1857年以前、山種美術館蔵

江戸後期を代表する琳派の絵師、酒井抱一による屏風絵です。
文字とおりの秋の「花鳥風月」を、丹念に愛情深く描いています。
描かれているのは繊細な女郎花や楓・ススキ等で、その中で憩う鶉たちのズングリとした形態との対比が絶妙です。
その鶉たちと類似・共通するのは低い位置に描かれた銀色のお月様で、月齢図分類の「十日余りの月」と言う形です。
絵師の純粋・無垢な目と心が産み出した、温かで豊かな味わい深い名品です。

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「ミュージック・ギャラリー(その116)」
兼 : 「森羅万象ギャラリー(その12)」

今回の当コーナーは、「月」繋がりで選んでみました。

「癒しの音楽と神秘的な月」(演奏者は記載なく不明です)

今夜の月も抱一の月のような形に近いのですが、明日未明にも最接近する台風19号の風雨で見ることが出来ません。
時々アトリエの周囲でも見かける野山の鶉たちも、きっと草陰・木陰で団子になって小さく うずくまっていることでしょう。

By 講師T