アトリエ・マイルストンブログ

2012年11月12日月曜日

MT&RSさんの急遽新作

午後からは青空ものぞいた月曜日のアトリエ。MTさん、今日から基礎デッサンの3作目の予定でした。
が、以前からファンだった木版画風の絵本を持参していたので、急遽予定を変更して木版画をやることになりました。

まずトレース用の線画を描き、版木用のシナベニヤ合板に黒色絵の具が塗られて、準備が整いました。
いざ、新作・木版画制作のスタートです。


 左:原画絵本をトレース中です。               右:いよいよ、彫りの開始です。

左: トレース用の線画。                右:彫られた版木。

今回は初めての木版画なので、彫刻刀や版材にも慣れるために、基本は「陰画*」仕立てで制作を進めます。
( *印注:陰画とは背景が黒地で、彫られる線が白の仕様です。反対語:陽画。)

MTさん、初めてとは思えない彫刻刀さばきで、丁寧・繊細に版木の彫りを進めました。
次回が楽しみです。

* * *

RSさん、今日は前回仕上げた油絵2作目の部分的な最終手直しを施して、めでたくサインが入れられました。
次いで、色調分割描法を自己表現法として底固めするために、3作目の油絵(模写)に取りかかる予定でした。
が、適切な候補作がなかなか決まりません。それで急遽予定を変更して、年賀状用の原画制作を開始します。

左:最終仕上げの微調整を行っています。       右:年賀状のための原画作り、開始です。
  
 



















左:サインが入れられたRSさんの2作目油絵、「水辺の光景*(T講師による仮称)」です。
( *印注:モネの原題は「アトリエ・ボート」で、モネが野外制作に使用した舟とのことです。)
水面の光、映し出される舟や樹木、遠景の住宅や夕刻の空など、魅力的な絵画空間が再現されました。

右:RSさん、年賀状用に暖めていた写真を持参していたので、それを基に水彩画を描くことになりました。
その元となる写真は、RSさん自身が旅行の際に撮影した台湾は台北市の賑やかな繁華街の様子です。
次回は、この年賀状用水彩画の彩色と、油絵のための額縁作りなどが予定されています。楽しみですね。

* * *

「 YS & KSちゃんの味わいデッサン 」

Sさん姉妹、今日も2本立て授業です。
姉のYSちゃん(小3)は、制作中の宝箱の装飾と、デッサンをします。

左:カラー丸 フェルトを接着しています。        右:バイオリンの写生デッサンです。


 



左:宝箱の装飾、今日はここまででした。            右:完成した「バイオリン」のデッサン。

YSちゃんの「バイオリン」、見事に完成しました。
味わい深い形態と階調、タッチ。複雑・優美な形状・質感がしっかりと描き出されました。
各所の明部は中間調子を施したのち、練りケシゴムと白色の絵の具で表現されました。
素朴さと力強さが共存した、アトリエ冥利に尽きるデッサンです。

* * *

妹のKSちゃん(小2)も、デッサンと絵本を描きます。

 左:モチーフ観察中の様子。              右:絵本作りを再開します。


KSちゃんのデッサン「氷菓用のガラス器」が、見事に完成しました。

姉のYSちゃん同様、素朴な味わいの形状・階調・筆致などが魅力的で、見飽きることがありません。
テーブル上に現れた屈折した影部の反射模様も素敵で、これまたアトリエ冥利に尽きるデッサンです。


デッサンの後は、絵本作りを再開します。

 


KSちゃんの長期計画絵本、今日はストーリーも完成し、最終ページの画も描かれました。
KSちゃんならではの素朴で素直な味わいのある絵。やさしさの感じられる魅力的な世界です。
次回の最終仕上げが楽しみですね。


「 オマケの1シーン 」


バイオリンのデッサン最終段階で4本の弦を表すために、白色絵の具の線を慎重に引くYSちゃんの様子。
覆い被さった髪の毛で顔がほとんど見えないため、制作風景としては不向きな画像です。
が、その真剣な筆運びの緊張感とその結果の線が良かったので、敢えてアップしました。
そんな、工作や描画に真剣に取り組む子どもたちに出会えるのは、アトリエとしての役得です。

By 講師T