2015年9月10日木曜日

秋、クリムトの淡白・風景画

8月31日・月曜日・曇り 時々 小雨
(昨日の日曜日は、キッズ・成人共にお休みでした。)
このブログは、9/10にアップしました。

「名作美術館(その134)」

「アッター湖畔のカンマー城」
グスタフ・クリムト(GUSTAV KLIMT ,1862-1918)

猛暑の夏も過ぎ、秋の訪れが心に浸み入る今日この頃、淡白・清楚な作品を味わってみたくなりました。

今回の作品は象徴主義を代表するオーストリアの画家、クリムトの風景画です。
耽美的な世紀末のエロティシズムでつとに著名な画家ですが、ご覧のような風景画も描いています。
その風景作品の多くは正方形で、しかも意図的に透視図法的・遠近感を捨て去った平面的な表現です。
建物にも立体感を想起する陰影を避け、遠景となる青空も「遠景」の役目を放棄しているかのようです。
画家は望遠鏡やカメラの望遠レンズの圧縮効果を認知し、このような手法を用いたのかも知れません。
点描風に描かれた樹木や屋根瓦に比して、トロッとした滑らかな水面が美しく、詩情溢れる作品です。
画家の追求したエロチシズムとは対極の静謐な佇まいが哀しくも目に眩しい風景です。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その162):秋歌始め」

上特集とは直接的な関係はありませんが、秋雨前線や台風余波の雨がちな日々に似合う曲です。
筆者若かりし頃、60~70年代初頭の激動の時代に台頭したシンガー・ソング・ライターの曲です。
歌声と生ギター1本で、社会の隅々や世界に切り込んでいった彼らの多くは、静かな勇者でした。
そんなシンガー・ソング・ライターの1人、商業的大成はしませんでしたが、今も心に残る1曲です。
薄暗い空と光と湿り気に包まれた時、筆者の脳裏の自動ジューク・ボックスから流れ出てきました。

P.F.スローン、「孤独の世界」
P.F.Sloan , " From a Distance "(1966)

P.F.スローンのこの曲、本国アメリカでは叙情的に過ぎたのか、まるでヒットしなかったそうです。
でも、彼が書いたバリー・マクガイヤの「明日なき世界」(Eve of Distraction)は、大ヒットしました。
泥沼化していたベトナム戦争当時の過激な内容の反戦歌で、筆者 今も大好きな曲の一つです。
この「孤独の世界」の旋律後半、B.・ディランのマイ・バック・ページにも似ているような気がします。

昭和も20世紀も既に遠く、おぼろげになりにけり・・・。
やがて訪れる「秋の夜長」、シンガー・ソング・ライターたちの精神的世界に再び旅立つも良し・・・。

By 講師T