2015年9月7日月曜日

「夏別れ、海別れ」

8月24日・月曜日・曇り
このブログは、9/7にアップしました。

「名作美術館(その133):ボクネンさんの海」

今回は故郷・沖縄を拠点に活躍する木版画家・名嘉睦稔氏の作品を取り上げました。



出典先に詳細データなく、画題やサイズ等は不明ですが、でもそんなこと、お構いなしで鑑賞下さい。
上の作品名は、確か「ガンチョーギ(眼鏡木)のある何とか~(すみません)」みたいなタイトルでした。
潮風を受けて羽ばたく鳥(筆者のイメージではアジサシ)達や、アダン(タコ)の木が描かれた美しい絵です。
中央にはガンチョー木の木陰に座るランニング姿の少年(おそらくは版画家本人)が海を見つめています。
ガンチョー木の由来は、沖縄の漁師が潜水する際に愛用する水中メガネの本体に使われていたからです。
その木が落とす砂浜の青い木陰が美しく、紙の地の乳白がかった白さが砂のサラサラ感を実感させます。

下の作品も、緑のトンネルの向こうの水面輝く海と、その手前のサバニ(釣り船)が描かれた美しい絵です。
昔日の漁師たちは、夜の星座を便りにこの小さなサバニを駈って、遙かインド洋まで航海したとの事です。
花々や緑葉の濃密な香りの中に、正面から吹き抜ける潮の香りが入り混じった宝石のような作品です。

沖縄でも特に自然が豊富な伊是名島で育ったボクネンさん、その感性から産まれる作品には光が満載です。
* * *

「ミュージック・ギャラリー(その161):海歌」

今回の当コーナー、上の海繋がりと参りましょう。
今、TVで筆者の目と耳を引くCMの挿入歌です。
本人の飾らない朴訥な歌声とサンシン(三線)の音色が美しい曲です。

「海の声」(au・CMソング) / 浦島太郎(桐谷健太)、詞:篠原誠、曲:BEGIN

浦島太郎さんも、きっとサバニのような小舟に乗って遭難し、竜宮城の乙姫さんに出会えたのでしょう。
時空をいとも容易く乗り越えるSFチックな物語、「かぐや姫」同様、発想とイメージ豊かな物語ですね。
栄枯盛衰、色即是空、生者必滅、会者定離などの仏教の教えがちりばめられた素晴らしい昔話です。
その「出会い」と「別れ」の切なさも秀逸ですね。

版画家同様、筆者にとっても当たり前だった遊び場だった「海」、残念にも今となっては懐かしい光景です。
スタッフ共々、幾度かマイルストンを訪れたことのあるボクネンさんとの再会、次はいつになることやら・・・。
短かった夏、その懐かしの「海」にも会いに行かないのが当たり前になってしまった寂しい筆者の夏でした。
「夏別れ、海別れ」
秋の様相、また進み・・・。
故郷の海、更に遠く・・・。

By 講師T