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「名作美術館(その85)」
今日の作品はこの二点!
ラウル・デュフィー Raoul Dufy (1877~1953), "30Years Rose "
Raoul Dufy ( 二作共、詳細データは不明です。)
デュフィーは、フォービズムの旗手で色彩の魔術師と言われたマチスに影響を受けたフランス人画家。
先日のNHK教育テレビ「日曜美術館」でも取り上げていたので、ご覧になった方も多いかと思います。
筆者、画家の名もその作品も知っていたのですが、実は今までそんなに馴染みがなかったのは事実です。
が、その放送を見て、遅ればせながら画家の作品の魅力を再認識した次第です。
番組の中でも触れていましたが、輪郭線と背景色彩との関係のいわゆる「はみだし」が、実に効果的です。
画面にちりばめられたマチス譲りの明るい色彩と伸びやかな描線が良くマッチして、軽妙で お洒落ですね。
明るい夏の日、こんなポストカードでもいただいたら、つい嬉しくなってしまいそうな感じが素晴らしいです。
裏を返した文面はバカンスの避暑地あたりからで、青色の万年筆で小気味よい筆致が踊っていそうです。
後に、多くの画家やグラフィック・アーチストに与えた影響も、多分に大きなものがあると思います。
ともすれば暗くて重たいイメージのある油絵をスッと越えた、薫り高い作品です。
* * *
「ミュージック・ギャラリー(その105)」
上記の「馴染みがなかった・・」繋がりで言えば、今回のシンガーもそうかも知れません。
梅雨時に探していた雨にまつわる曲で、若かりし頃に聞いた曲を久々に聞き返しました。
梅雨は過ぎ去りましたが、盛夏の今、筆者の脳裏で幾度もリフレインされてしまっています。
ニール・セダカ 「ラフター・イン・ザ・レイン(邦題:雨に微笑みを)」
Neil Sedaka "Laughter in the rain " (1974)
ニール・セダカは、ポール・アンカやボビー・ビントン等と共に筆者より上の世代のアイドル・シンガーの1人です。
小学生の頃、従姉妹や近所のネーネー達がSP盤レコードのジャケ写をうっとり眺めながら、良く聞いていました。
中学生の頃にビートの効いたやロックにハマってしまった筆者にはとても古く甘く聞こえ、拒絶していたものです。
70年代、ロックは衰退を辿りはじめ、時代はAOR真っ盛り、そんな中でこの曲も全米1位にまで上り詰めました。
ロック時代の台頭・到来ですっかり過去の存在として忘れられたニール・セダカが、奇跡の復活を遂げたのです。
ロック時代の台頭・到来ですっかり過去の存在として忘れられたニール・セダカが、奇跡の復活を遂げたのです。
強面だった米英のロック・ミュージシャンの一部もまたAOR畑に転身、大ヒットを連発、時代の寵児となりました。
ボズ・スギャッグス、エルビン・ビショップ、シカゴ、スティービー・ウィンウッド等々。嬉しいのやら、寂しいのやら。
そんな中に混じって輝いて聞こえてきたこの曲、筆者の燃え盛る青春の時が確実に去ったことを教えてくれました。
By 講師T