月曜日・快晴・小春日和
今年も残り30日
「光陰、矢の如し」
アトリエ定休日
お休み日恒例の 「名作美術館(その64)」 を、お届けします。
「ホイッスラーの落款風サイン」
Lady Meux: Portrait Miss Cicely Alexander
Harmony in Pink and Gray Harmony in Gray and Green
193 x 93cm 1881 190 x 98cm 1873
Tate Gallery, London Frick Collection, United States
Oil on Canvas,Painting by James Abbotto Mcneill Whistler
両者とも、抑制された色調で描かれたドレスをまとった女性の全身肖像画です。
ジェームズ・ホィッスラー(1834~1903)は米国生まれで、主にイギリスのロンドンで活動・活躍した画家です。
若い頃にルーブル美術館で模写したスペインの画家ベラスケスから影響を受け、日本美術にも傾倒しました。
今回 取り上げた2作にもその影響がうかがえ、軸絵風の縦長構図に落款のようなサインを記してあります。
これは、のちに登場するウィーン象徴主義を代表する画家クリムトなどにも見られる日本美術の影響です。
東西文化の融合が産んだ美しい作品、のちの耽美主義やアール・ヌーボー、デコ等にも受け継がれました。
* * *
「ミュージック・ギャラリー(その79)」
今回は、上記作品とは直接的な繋がりはありません。
でも両作品を並べて見ていたら、筆者の脳裏に浮かび上がったミュージック・クリップ(音楽と映像)です。
少々懐かしい筆者お気に入りの作品で、カナダの偉大なる詩人&シンガー・ソング・ライターの初登場です。
” ダンス・ミー・トゥ・ザ・エンド・オブ・ラヴ ” / レナード・コーエン(1994年)
Dance Me To The End of Love / Leonard Cohen
こうしてみると、やはり上記の耽美主義・象徴主義に相通ずる世界があるような気がしますね。
By 講師T