アトリエ・マイルストンブログ

2012年1月13日金曜日

メアリー・カサット、再び

金曜日、アトリエはお休みです。
よって、名作美術館その7です。

今日も、前回に続きメアリー・カサットの作品を2点、紹介します。

 
1880  Oil on canvas  93 x 65 cm  Musee du Petit Palais, Paris


マルリーの庭で編物をするリディア
1880  Oil on canvas  66 x 94 cm  メトロポリタン美術館  ニューヨーク

前回の作品は室内でしたが、今日は屋外の人物を描いた作品、2点です。
共に、緑を背景に ご婦人が椅子に座っている様子を描いていますが、赤と緑の補色が巧みに使用されています。
 
いわゆる「人物画」と言うカテゴリーに入るのでしょうが、主題と背景はまるでほぼ等価値のような描かれ方です。
「秋」の人物の衣服の大部分は背景に溶け込み、女性が背景の自然現象「秋」と一体化しているかのようです。
一方、編み物姿の女性も一見背景と分離しているような色彩ですが、その存在感はやはり背景に溶け込んでいます。

人物を描きながらも、背景の自然にも等しく細やかな視線を注ぐ印象派メアリー・カサットならではの美しい作品です。
( 面内クリックすると大きな画像が得られます。 )
By 講師T