アトリエ・マイルストンブログ

2012年1月6日金曜日

「寒の入り」

1月6日、今日は「寒の入り」だそうで、庭の池にも氷が張りました。
水中の金魚たちも、まるで凍ったかのように動きを止めていました。



アトリエ、今日はお休み。代わりに今年から始めたばかりの「名作美術館」(その4)をアップします。
前回に引き続いて、「近代絵画の父」 ポール・セザンヌの作品で、今日は風景画を紹介いたします。

 「オーヴェールの眺め」 1873年  米国、フィラデルフィア美術館


若い頃、セザンヌはパリの美術界では認められず、サロンでも落選を重ね、故郷の南仏プロバンスに戻ります。
経済的に恵まれていたセザンヌは帰郷後 自らの画業に邁進し、やがて独自の理念・画風を造り上げてゆきます。
印象派の生み出した「色調分割法」をその手段に用いつつ、次第に実験的・構築的な構図に変貌を遂げてゆきます。

この作品にはその特徴が表れ始めていながらも、印象派独特の手法で戸外の風光が心地良く捉えられています。
それまでの伝統的な写実主義的絵画とは一線を画す、まさに現代への幕開けにふさわしい作風と言えるでしょう。

「寒の入り」の寒さに負けないような、緑と橙色の対比が豊かで、私達の目と心をじっくりと温めてくれそうですね。
( By 講師T )