アトリエ・マイルストンブログ

2016年8月13日土曜日

夏絵ー2ボナール作品の世界

土曜日・晴れ
夏(お盆)休みの特集

「名作美術館(その183):夏絵ー2:ボナールの光・色・タッチ」

今年の夏は青空の当たり年で、頭上には連日澄み渡った空が広がっています。
そこで、前回のジブリ作品の「夏絵」に続き、筆者の大好きなボナールの絵を2点 お届けします。

「La Palme (ヤシの木)」、1926年

現在のところ、タイトル不明(仮称:窓辺)、判明次第、後日記入予定です。

見ているだけで爽快な気分になり、デジャブに取り憑かれ、彼の地へとワープしてしまいそうです。
画家ボナールの南仏のアトリエは見晴らしの良い丘にあり、気分の良い日常を過ごせたようです。
この光に満ち輝く両作品、はるか遠くには躍動感に溢れて輝く青々とした地中海が広がっています。

頭で考え、その解釈・理解に難渋してしまう現代の美術が忘れてきた理想郷がここには在ります。
ボナールの感性が捉えた光と色彩は、タッチの中の粒子となって、周囲に美しく拡散しています。

筆者も故郷時代や30代には眺めの良い丘の上に住んでいましたが、海も臨め、この上もなく快感でした。
ボナールの絵、筆者の大好きな「庭食事」と「午睡(シェスタ)」が堪能出来るような理想郷(ユートピア)です。
木陰と風に包まれて・・・。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その220):休日の和み歌」

今回の当コーナーは上のボナールの「夏絵」に便乗、筆者の大好きな昼寝BGMをお届けします。
選曲にも色々と迷ったのですが、動画内の庭や鉢花の様子が、ボナールの世界に共通して感じました。
同曲、以前にも当コーナーで故・羽田健太郎ヴァ―ジョンでお届けしました。今回が2度目の登場です。
では、どうぞ。

エリック・サティ、「ジュ・トュ・ヴ(あなたがほしい)」、ピアノ演奏:フィリップ・アントルモン(フランス)
" Je te veux, Erik Alfred Leslie Satie / Phillippe Entremont (French)

この夏の青空、湿度も低く風も吹き、故郷での遠い記憶を日々 呼び覚ませてくれています。
青空・白銀雲・海水浴、お昼寝・ラジオ・セミの声、ホタルの光・イエライシャン(夜来香)・蚊取り線香・天花粉の香り。
ティンガーラ(天の川)・時々花火・満天星下の井戸端行水、そして蚊帳(かや)の中、父の寝息、母の温もり・・・。
幸せ そのものでした。

By 講師T