月曜日・晴れ
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「名作美術館(その74)」
前回に引き続き、三度(みたび)のブリューゲル名画です。
2度にわたる記録的大雪で食傷気味だとも言えますが、逆に絵画としての魅力が再発見出来るかも知れません。
狩人や猟犬たちの足の沈み具合から推測しても、意外にも丘の上の積雪は少ないようです。
それは家々の屋根や軒にも、また氷結した池や用水路等にも大量の積雪は見あたりません。
フランドル(ベルギー)の地理的要因と、そこで暮らす人々の営みや画家の産み出した合作的風景なのかも知れません。
路肩には雪が溢れ、交通網やライフラインが寸断され、右往左往する現代生活とは逆の抒情に溢れたつましい世界です。
ピーテル・ブリューゲル作 「雪中の狩人(全体図)」 (1565年)、美術史美術館(ウイーン、オーストリア)
前回は人々の営みを中心にした風俗画的側面に注目しましたが、今回の部分図は画家の自然に対する目です。
樹木の黒い幹や枝、厳しい冬を生きる鳥たち、背後の険しい山岳地帯など、水墨画にも相通ずるものがあります。
切り抜かれた縦&横画面、両者共に絵になります。名画は懐も奥も深く、私達の思考と空想をどこまでも誘います。
By 講師T
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「ミュージック・ギャラリー(その89)」
今日は上のブリューゲルの名画にちなんで、珍しくもフランドルの古い賛美歌を取り上げてみました。
1569年にデンマークで出版されたフランドルの賛美歌の楽譜を基に、投稿者が演奏したものです。
ブリューゲルとも時代的にも合致していて、絵のBGMにはぴったりハマッているような気がします。
では、どうぞ。
「フランドルの賛美歌」
Improvisation of a Flemish Psalm
Harpsichord & Organett by mediumaevum
Written by Mattheaeus le Maistre (16 century)
雪と共に暮らすフランドルの人々の営みと、その美しくも厳しい風土が彷彿とさせられるようです。