アトリエ・マイルストンブログ

2013年7月8日月曜日

鈴木基一の朝顔図屏風

月曜日・全国的に猛暑よる雷雨
厚木も、雷雨に見舞われました。

今日はアトリエ定休日。
恒例の「名作美術館(その51)」をお届けします。

朝顔と言えば夏7月、夏7月と言えば朝顔、と言うように満を持しての登場です。
(但し、先週末の「美の巨人達」(テレビ東京)で、先を越されてしまいましたが。)
そんな狭量なことはともかく・・・

国内の低評価をよそに、先に外国の人達に認められた江戸絵画の傑作をどうぞ。
(画面内クリックすると、拡大画像が得られます。)


鈴木基一(きいつ) 「朝顔図屏風」 六曲二双

Morning Glories, Edo period (1615–1868), 19th century
Suzuki Kiitsu (Japanese, 1796–1858)
Pair of six-panel folding screens; ink, color, and gold on gilded paper
70 3/16 x 149 1/2 in. (178.2 x 379.8 cm)
Seymour Fund, 1954 
Metropolitan Museum of Art    N.Y.




鈴木基一は、師匠の酒井抱一(ほういつ)と並ぶ江戸後期・琳派の代表的絵師(画家)です。
ご覧の通りのシンプルそのものの装飾的・図案的な画面は、日本そのものの美と言っても良いでしょう。
背景の金箔のみならず、その当時極めて貴重・高価だったプルシャン・ブルーも潤沢に使用されています。
琳派の巨匠・創始者、尾形光琳の燕子花(かきつばた)図(国宝)に影響されたことだけは確かなようです。
てっぷりとした充分な量の岩絵の具が、端正な形と筆致でゆっくりと塗り込められた小気味良さが快感です。

尾形光琳「燕子花図屏風」

それにしても、明治以降の我が国の権威主義的な知識人たちの審美眼には呆れ返るばかりです。
浮世絵を始め、今でこそ高い評価を受ける伊藤若冲など、多くの宝を軽視、海外流出を招きました。
結局、納まるべきところに、納まったのかもしれませんが・・・。残念でもあり、また幸いでもあり・・・。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その56)」

今回は「青い朝顔」繋がりと言うことで、この画像・曲を選びました。

「恋はみずいろ」 / ポール・モーリア・グランド・オーケストラ(1968年)
Love Is Blue (L'amour est bleu) / Paul Mauriat Grand Orchestra


フランス生まれの曲が全米ヒット・チャート初No.1に登りつめた名曲(しかもインスト)です。

筆者は中3で、以前 当コーナーで紹介した「ラバーズ・コンチェルト/サラ・ヴォーン」同様、初喫茶店で聞きました。
純喫茶とは名ばかりの(エアコンではなく)冷房の効いた仄暗い店内に、たおやかに軽やかに流れ渡ってきました。
蒸し暑さ満ち充ちる今日この頃、きっと少しばかりの間、涼やかな気持ちにさせてくれることと思います。

By 講師T