アトリエはお休みでした。
恒例の名作美術館(その24)、今日は前回に引き続いてエドゥアール・ヴィヤールの作品です。
" Album " ( 1895 )
" Salon Natanson " ( 1897 )
前回は静物画を紹介しましたが、今回は室内風景を描いた作品が2点です。
上の横長の絵の題名は「アルバム」、下の四角の絵は「サロン・ナタンソン(画家のパトロンの名前)」です。
「アルバム」では、中央から右側にいる3人の婦人がアルバムに見入っている様子が描かれています。
中央手前の円形テーブルには花が飾られ、その左に2人の婦人と、左奥には更に1人の姿が見えます。
一方「サロン」の方は、長椅子の婦人と黒服の男性が二人、暖炉上の壁面の鏡には反対側が映っています。
判然とはしない筆致で、共に花柄模様の壁の前の1シーンがカメラのスナップ・ショット的に描かれています。
2作品共に、衣服や壁紙の模様、家具や調度品、人物達の輪郭や光が渾然一体となったタッチの油絵です。
赤茶色と言っても良いような渋い赤や緑色の補色と明色の黄ばんだ白が、心地良い調和を生み出しています。
ナビ派の仲間のボナール同様、日本美術に影響を受けたヴィヤールらしい装飾性に富んだ美しい作品です。
( 画面内クリックすると、拡大画像が得られます。)
By 講師T