火曜日、アトリエはお休みでした。
よって、代わりの名作美術館(その26)を、お届けします。
今回は言わずも知れた画家中の大画家、イタリア・ルネサンスの巨匠 レオナルド・ダ・ヴィンチの登場です。
「モナリザ」や「最後の晩餐」で知られるダ・ヴィンチですが、今日は数少ない油彩肖像画を2点アップしました。
「モナリザ」や「最後の晩餐」で知られるダ・ヴィンチですが、今日は数少ない油彩肖像画を2点アップしました。
左:白テンを抱く貴婦人の肖像(1485~90)、54x39cm、板絵油彩、チャルトリスキー美術館(ポーランド)
右:ラ・ベル・フェロニエール(1490年頃)、62x44cm、板絵油彩、ルーブル美術館(フランス)
最高傑作のモナリザの背景には、宇宙的な素晴らしい自然(山河)が描かれていますが、この2作品は黒の塗り潰しです。
それが、かえって二人の女性の存在自体を、より神秘的で謎めいた雰囲気にさせています。
貴婦人だの愛人だのとモデルの素性はさておいても、なお魅力的な肖像画に違いありません。
21世紀の今日においても、500年以上前(!)の女性の魅力が色褪せることなく、存在し続けているのです。
髪型やヘアーバンド・ネックレス・衣装なども興味深いですが、女性の肌の繊細な階調が何よりも光っています。
確立したばかりの油彩技法を駆使して、板の上に女性美を描ききった画家の目と手にただ関心するばかりです。
(スフマートと呼ばれる乾燥時間の遅い油彩画特有の繊細なボカシ技法が随所で使用されています。)
カメラの無い時代だからこそ誕生し得た人間の視覚の頂点・至宝です。
( 画面内クリックすると拡大画像が得られます。天才画家の目と手をじっくり堪能してみて下さい。)
By 講師T