水曜日、昨日に続きアトリエはお休みでした。
恒例の名作美術館(その17)をお届けします。
今日もモディリアーニ(その4)をお届けします。
副題は昨日の「目力」に続いて、「やさしい目の力」です。
4作品、いずれも題名・製作年は不詳です。
(後で調べておきますが、より視覚的人間になって、気にせずにご覧ください。)
上の少年はおそらく同人物で、共通点は同じ服装・椅子の位置・画面中央からの大胆な色面分割などです。
下の男性像もまた共にテーブルに片肘を乗せている点や画面右端上部の直線の構図などが共通点です。
4作品共に瞳は描かれておらず、リラックスしたポーズで視線も真っ直ぐにこちらを見ているわけではありません。
そのおかげもあって、私たち見る者もまた彼らを・彼らの背追った人生をゆっくりと推察できるのです。
裏を返せば、彼らの側に私たちの好奇の視線を受容する「ゆとり」や「やさしさ」が存在するのです。
吸い込まれそうな力強い「目力」も魅力ですが、視線を合わさずに逸らさずに受け入れる目もまた魅力的です。
ショット・グラスを前にする男の手前のもう一つのグラスは、きっとモディリアーニのそれに違いありません。
(画面内クリックすると、拡大画像が得られます。)
By 講師T